日本のGDPがドイツに抜かれて4位に転落。発言力は一段と低下へ
10月25日(水)の「おはよう寺ちゃん」(文化放送)では、水曜コメンテーター・経済アナリストの森永康平氏と番組パーソナリティの寺島尚正アナウンサーが、日本のGDPがドイツに抜かれて4位転落というニュースについて意見を交わした。
3位から4位に落ちると、オリンピックの表彰台から落ちちゃった感じで寂しい気も
IMF・国際通貨基金は23日までに、2023年の日本の名目GDP・国内総生産がドルベースで世界3位から4位に転落し、ドイツに逆転されるとの見通しを示した。円安によりドル換算で目減りをした他、物価変動が影響する名目GDPのため、日本よりも高いドイツの物価上昇率が反映されたとみられる。GDPは為替の影響が大きく、実際の順位は年末までの為替動向に左右される。
ただ日本は低成長が長期化している。経済規模は国際的な発言力につながっており、逆転されると日本の存在感が一段と低下しそうだ。
IMFが公表した経済見通しによると、2023年の日本の名目GDPはおよそ4兆2308億ドル(約633兆円)となり、前の年と比べて0.2%減。一方ドイツは、8.4%増のおよそ4兆4298ドルとなる。
寺島尚正アナ「為替の影響とは言われておりますけれども、日本のGDPが4位に転落。これは森永さん、どうご覧になりますか?」
森永康平「これは2つ、日本にとっては逆風なポイントがあって、1つはまずこのGDP自体が名目GDPであるということですね。名目っていうことは物価変動をそのまま反映させたものになりますから、日本も物価は上がっているとはいえ、これ以上に物価上昇率が高いドイツは、名目GDPが日本より膨れやすい状況にあったというのが1点目。で、2点目は世界比較するためにドル換算しますんで、対ドルで今円安が進んでいるということを考えると、当然ドル換算すると目減りしちゃう。この2つの要因があるので、実力以上に日本が弱くなってしまう条件で比較しているっていうのを念頭に置いといた方がいいとは思いますが、とはいえそれを考えてもですね、この30年間日本はろくに成長していないわけですから、そりゃこういう結果になるよな、と言う感じですかね~。まあ、今は世界3位なわけですけども、3位から4位に落ちると、オリンピックで言うと表彰台から落ちちゃった感じでそういう意味では寂しい感じもしますが」
寺島「経済規模が国際的な発言力につながっている……これかなり影響するものなんですかね?」
森永「まあ、でも別にGDPの順位で発言権が与えられているわけではまったくないんですが、例えばGDP自体はまだ上位ではない国でも、足元での瞬間風速での成長スピードとか、こういうのも当然影響してくるので、そういう意味では日本なんか見るとだらだらと経済が停滞しているわけで、一方でまわりの、例えばアジア地域で見ても周辺国はどんどん伸びているので、そう考えれば存在感というかね、発言権が下がっていってしまうっていうのも必然なんじゃないかと思います」
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