『大垣尚司・残間里江子の大人ファンクラブ』    不動産屋さんの悪質率は…!?

『大垣尚司・残間里江子の大人ファンクラブ』    不動産屋さんの悪質率は…!?

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情報番組「大垣尚司・残間里江子の大人ファンクラブ」では、残間里江子さん(フリープロデューサー)と、大垣尚司さん(青山学院大学教授、移住・住みかえ支援機構代表理事)が、お金や住まいの話を中心に、大人世代のあれこれを語ります。

この連載は、番組内の人気コーナー「おとなライフ・アカデミー2023」の内容をもとに大垣さんが執筆した、WEB限定コラム。ラジオと合わせて、読んで得する家とお金の豆知識をお楽しみください。

★メールまとめ
悪質な不動産屋さんって、どれくらいいるのでしょうか。

★メール本文
敷金ゼロ、礼金ゼロに惹かれて入居した友人が、退去時にとんでもない金額の原状回復費用を請求され、大変な目にあったとコボしていました。ネットでいろいろ調べてみると、こうしたあまりタチのよくない不動産屋さんって、けっこうあるらしいですね。専門家の大垣さんに伺ってみたいのですが、ズバリ、不動産屋さんの悪質率って、どれくらいなんでしょう。10%くらい? 5%? それとも1%未満?また、怪しい業者を見抜くコツがあったら教えて下さい。

(横浜市 げんちゃん (44歳))

敷金ゼロはいいか悪いか

礼金ゼロはともかくとして、敷金ゼロっていうのは、いいような悪いようなものなんです。普通は敷金入れてると、敷金から最後に必要なものを引くので、ないところは当然それを出さないといけなくなります。でも、出るときは、あんまりありがたいという気持じゃないときに「お金を出せ」って言われるので、やっぱりちょっとムッとしちゃうことがあるのが一つ。
それから、クリーニングっていうのが別にあるんですよ。それは原状回復とかじゃないんですけど。出ていくんだから。それも敷金からやるんですけど。これが最近、案外、高いです。それも払わないといけないんですね。それがやっぱり、ちょっと多いなと思いがちなんです。
あとは逆のことがあって。原状回復って、元に戻すことじゃないんですね。入った時の状態から、普通に住んでたらこのぐらい悪くなるよね、劣化するよね…っていうところまでは、貸主さんの負担なので。でもそんなもの、よく分からないじゃないですか。それで、その部分がどっち…っていうのが、まあ。揉めるんですけど。それが一つ。

悪いのは不動産屋さん?

後はね、不動産屋さんが悪いことするっていうんだけど、二つぐらい、裏があるような気がしています。一つは、大家さんがすっごいモンスターの場合。貸主がモンスターだと、不動産屋さんはその通りに言ってくるだけということが多い。不動産屋さんがどういう悪いことして自分で儲けられるかって思うと、案外…間に入ってるだけなので、そんなにできることない、というのが事実です。
もちろん、ホントに騙しちゃって、行ってみたら原野だったとか、そういうのは例外として。普通に賃貸で入ってくださっている不動産屋さんの場合、どっちかっていうと、大家さんの「口うるささ」に影響されてる場合が多いように思います。

リフォームには注意が必要

もう一つはリフォームについて。原状回復は不動産屋さんが直すわけじゃないので、リフォーム屋さんから見積取るんですね。で、リフォームの方は、ホントにピンキリなんです。かなり手を抜く方もいらっしゃったり、それから「この際」って言って、本来だったらしなくてもいい、過剰なものを原状回復の方に載せていかれたりとか。同じものを戻すのだって、いろいろありますよね、材料だっていいものを使うか悪いモノを使うか。
あんまり変な高い見積もりが出てきて、「ちょっと高くありませんか」って言ったら、「じゃあ相見積もり取りましょうか」など言ってくれる不動産屋さんはありがたいですよね。でも、借主が若い子だったりすると、見てもわからないので。高すぎるんじゃない、って言い返すことしかできなくて、トラブルになることがあるんだと思います。

不動産屋さんの選び方が大切

敷金ありがいいのか、ゼロがいいのか、どっちがいいかはなかなかわからないですけど、入るときにある程度入れておいた方が、賃貸の場合、次に借りるためのお金もいりますからね。結局「あり」の方がいいかもしれないって思ったりもします。あと礼金ゼロっていっても、どっかでは抜いてます。礼金がない分、家賃が高かったりとか、ちゃんと辻褄が合うようになってます。
めちゃくちゃ悪質な不動産屋さんは、あまり見たことないけど、そういう裏もあることを知っておいていただきたいです。不動産屋さんとお付き合いなさるときは、あ、この人はこっちの立場で動いてくださる人か、向こう側の言いなりの方か…難しいですけどきちんと見極めて、最初に選ぶのが大事だと思います。

今日は「敷金ゼロ礼金ゼロ物件と不動産屋さん」について考えてみました。
メールをお寄せいただき、ありがとうございます。

大垣尚司 プロフィール
青山学院大学 法学部教授、一般社団法人 移住・住みかえ支援機構代表理事。

第一線で培った金融知識をもとに、住宅資産の有効活用を研究・探究する、家とお金のエキスパート。

東京大学卒業後、日本興業銀行、アクサ生命保険専務執行役員、日本住宅ローン社長、立命館大学大学院教授などを経て、現在、青山学院大学法学部教授。
2006年に「有限責任中間法人移住・住みかえ支援機構」(現、一般社団法人 移住・住みかえ支援機構)の代表理事に就任。
日本モーゲージバンカー協議会代表理事を兼務。著書に『ストラクチャードファイナンス入門』『金融と法』『49歳からのお金ー住宅・保険をキャッシュに換える』『建築女子が聞く 住まいの金融と税制』など。

家とお金に関するご質問、お待ちしてます
番組では、家とお金にまつわるメールやご質問をお待ちしています。
宛先は、otona@joqr.netまで。

※この記事で掲載されている情報は全て、執筆時における情報を元にご紹介しています。必ず最新の情報をご確認ください。

お知らせ
パーソナリティの一人である大垣尚司さんが代表理事を務める一般社団法人「移住・住みかえ支援機構」(JTI)では、賃貸制度「マイホーム借上げ制度」を運用しています。

住まなくなった皆さまの家をJTIが借り上げて、賃貸として運用。
入居者がいない空室時でも、毎月賃料を受け取ることができます。
JTIは非営利の公的機関であり、運営には国の基金が設定されています。

賃料の査定や、ご相談は無料。資格を持ったスタッフが対応いたします。

制度についての詳しい情報は、移住・住みかえ支援機構のサイトをご覧ください。

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