戦闘の「中断」を求める決議案に米国が拒否権を行使。青木「アメリカとロシアは同じことをやっている」
10月20日の大竹まことゴールデンラジオは、毎日新聞の「特権が損ねた安保理の意義 “イスラエル決議案”米が再び拒否権行使」という記事について取り上げ、青木がコメントした。
毎日新聞によると、国連の安全保障理事会は一致した行動を取る機会を逃した。18日の緊急会合では、戦闘の「中断」を求める決議案に米国が拒否権を行使。大国に与えられた特権が「平和の番人」である安保理の存在意義を損ねている。ブラジルのフランサ・ダネセ国連大使は失望をあらわにし、こう続けた。「ガザの数十万人もの市民はこれ以上待つことはできない。実際、彼らはあまりにも長い時間待ち続けてきたのに、無駄に終わった」
大竹「こういう流れの中で、安保理でアメリカが反対に回ったっていう記事が出てたじゃない。拒否権使って。もちろんアメリカとイスラエルの関係の深さはわかるし、アメリカの司法を結構ユダヤ系のところが握ってるってこともわかるんだけど、これ、反対側のパレスチナとイランのバックにロシアが着いちゃったら構図が真逆になっちゃうんじゃないかと」
青木「ある意味でこういう言い方が適切かどうか分かんないですけど、今回の件である意味ほくそ笑んでいるのはプーチン大統領かもしれないですね。僕はアメリカの政治についてそんなに取材している訳ではないんですが、キリスト教の福音派、保守派を中心としてイスラエルに対する思い入れがものすごく強いっていうのと、あとイスラエルロビーがアメリカの政治にものすごく影響を与えていることもある。だからアメリカとしては、バイデン大統領を見ているとギリギリで戦闘を止めようみたいな動きもしてはいるんですけれども、でもイスラエルとの連帯というのは協調せざるを得ない。ということになってくると、こういう国連安保理で決議案が出てきた時に拒否権を発動することで、イスラエルに対する連帯の手を表明するってことなんですけれど、ただ大竹さんおっしゃるとおり、ロシアによるウクライナ侵攻の時に、各国がロシアを非難する決議を出してロシアが拒否権を発動した。これをロシア酷いじゃないかっていうふうに安保理が機能不全だっていってるけれど、もちろんハマスに攻撃されてイスラエルで1000人以上亡くなったという衝撃はあったにせよ、パレスチナという歴史的に非常に厳しい状況に置かれてきた人々に対して、地上侵攻しようっていってるような時に戦闘中断というのをブラジルが出して、12カ国が賛成したのにアメリカがそこで拒否権を発動するというのは、言ってることとやってることが違う、ロシアと一緒じゃないのっていうふうにある種相対化されちゃいましたよね」
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