600人の“脱北者”を中国が強制送還 「帰せば確実に収容所、最悪処刑もありえる」
10月13日の「おはよう寺ちゃん」(文化放送)は、金曜コメンテーターで郵便学者の内藤陽介さんと番組パーソナリティーの寺島尚正アナウンサーが、中国が脱北者を北朝鮮に送還した報道について意見を交わした。
中国は北朝鮮との関係をかなり意識しています
朝鮮の人権問題に携わる複数の団体は12日までに、中国で拘束されていた脱北者約600人が9日夜に北朝鮮へ一斉に強制送還されたと発表した。送還後の脱北者は収容所に送られたり、拷問されたりと深刻な人権侵害に遭う恐れがあることから、国連や韓国、国際的な人権団体が中国に送還しないよう求めていたが、中国がこれを黙殺した形だ。北朝鮮が8月下旬に新型コロナウイルス対策を緩和し、国外にいる自国民の帰国を認めたことに伴う措置とみられる。韓国の団体などによると、中朝国境にある中国の丹東(たんとう)や琿春(こんしゅん)、図們(ともん)といった複数の地域から、中国側で拘束されていた計約600人がほぼ同時に北朝鮮に送還された。子供も含まれるという。拘束者には直前に知らされ、「子供を頼む」と中国人の夫に連絡した女性もいた。北朝鮮正義連帯によると、送還が始まったのは8月末で、今月8日の杭州アジア大会閉幕後に大規模送還が実行されたという。これにより、中国に拘束されていた全ての脱北者約2600人の送還が完了したとみている。
「この中国の動きですが、内藤さんこれはどういうものなんでしょうね?」(寺島アナ)
「中国は特にこの夏以降、北朝鮮との関係をかなり意識して北朝鮮寄りの姿勢を取っていますので、その一環ですよね。中国の頭の中では、北朝鮮は自分の子分と思っていますから、ある程度手懐けないといけないということで融和的なことをやっています。北朝鮮が脱北者を返せということ言ってるわけですから、それを返しちゃうということです。」(内藤氏)
中国外務省報道官は12日、国内に「いわゆる脱北者」はいないと述べた。脱北者を北朝鮮に送還したという一部報道に関する質問に答えた。報道官は定例記者会見で、経済的な理由で中国に不法に入国した北朝鮮の人々については、常に法律に従って対処してきたと説明。「中国は常に責任ある態度を維持し、国内法と国際法、人道主義の原則に従って適切に対処してきた」と述べた。
「北朝鮮の脱北者は、中国から見れば不法入国者です。建前としては事情がない限り、不法入国の方は国外退去させるしかないというのは、そのとおりなんですが、帰せば確実に収容所に入れられるなり最悪処刑もありえる国ですからね。だからもう鬱々たる気分にしかならないですね。」(内藤氏)
「おはよう寺ちゃん」は平日朝5~8時、文化放送(AM1134kHz、FM91.6MHz、radiko)で放送中。 radikoのタイムフリー機能では、1週間後まで聴取できます。
※タイムフリーは1週間限定コンテンツです。
※他エリアの放送を聴くにはプレミアム会員になる必要があります。