政府が花粉症対策のパッケージを決定。藤井氏「いまこれを言うっていうのは、なんなんでしょうね?」
10月12日の「おはよう寺ちゃん」(文化放送)では、木曜コメンテーターで京都大学大学院教授の藤井聡氏と寺島尚正アナウンサーが、花粉症対策に関するニュースについて意見を交わした。
藤井氏「補正予算の話じゃなくて当初予算の話なんですよね」
政府は11日、首相官邸で花粉症対策の関係閣僚会議を開き「初期集中対応パッケージ」をまとめた。
2023年度中にスギの伐採や花粉の少ない品種への植え替えを重点的に実施する区域を設ける。人口が多い都市部に近い地域を想定する。
岸田総理は「花粉症は多くの国民を悩ませ続けている社会問題だ」と強調。「国民の安全・安心の確保につなげるべく、パッケージを経済対策に盛り込み必要な予算を確保して実行に移してほしい」と語った。
政府は5月、花粉の発生抑止・飛散予測・治療を柱とする花粉症対策を決めた。30年後に花粉発生量を半減させる目標を掲げ、スギ人工林を10年後に2割ほど減らす計画を進める。
今回の施策はこのうち早期に取り組むべき対策を抽出。花粉症の本格シーズンが始まる前に具体策へ着手できるようにする。
最重点とするのがスギの伐採・植え替え。重点区域を巡っては花粉症患者の多さなど影響の大きい地域を優先するという。
伐採した木材の使い道を広げるため、住宅資材へのスギ材の活用を促し、木材の加工工場や保管施設の整備も助成する。
寺島アナ「藤井さん、この動きはいかがでしょうかね?」
藤井氏「もちろんいいんですけどね。やるべきだし、いろんな国民の方が花粉症で大変苦しんでいるのはわかるんですけど、いまこれを言うっていうのは、なんなんでしょうね? 経済対策でいろんなことが大変だし」
寺島アナ「秋に花粉は飛ぶっちゃ飛ぶんですけど、秋と春ね。そういうタイミングを狙ってるってことなんでしょうかね? まぁ、苦しんでる方は苦しんでますからね」
藤井氏「そうそう、だからこれはやったらいいんですけど、ただ、30年後に半減させる目標ですからね。当初予算でじっくりと進めていく種類のものですから、えらい唐突ですよね。スギの花粉症っていうのはほとんど人災で起こってきているので、しっかりとした対策をやれば収まっていくものなんですよ。それは長い時間をかけてやるべきことであって、補正予算の話じゃないんですよね。だから、ちょっと僕は『何なんだろうな?』と思うんですよね」
寺島アナ「これ、『人災』って藤井さんが仰ったのは、やっぱり『スギを植えて管理をしていない』っていうこともあるんですね?」
藤井氏「そうですね。それをしっかりと対応していないんですよ。木材の需要を高めて、しっかりと伐採していくようにしていけばいいんですよ。これは結局、木材を輸入することになっちゃったことの一つの帰結なので。京都でも北山杉があったりしますけど、せっかく何十年も前にいっぱい植えたスギが放置されてる場所は多いですから。多少、輸入木材よりも高くても日本の国産木材を使っていくとメリットも出てくるわけであって、そこをちゃんと構造的に考えるっていうのが一番必要で、これは補正予算の話じゃなくて当初予算の話なんですよね」
寺島アナ「いま藤井さんが仰ったように、スギに需要があれば伐採もして、植え替えも進んでいくわけですものね?」
藤井氏「そうなんですよ。だから国費をずっと注入することとして、さらに木材に関しては関税を高くして、輸入じゃなくて国産木材が日本国内のマーケットでぐるぐる回るようにして、且つ木材の需要そのものも高めていくような進行策を進めていくとか。これは国土強靭化の一環なんですよ、実は。だから、やってほしいんですけどね、『なんで今やねん!』っていう」
寺島アナ「『このタイミングで言う?』っていうね。否定しているわけではないですもんね?」
藤井氏「そうそう。ちゃんと本気でやってほしいですよね。なんか今のタイミングで言われちゃうと本気でやらない気がしてくるので」
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