補正予算の膨張は悪じゃない! 自由に使えるお金がある重要性
9月26日の「おはよう寺ちゃん」(文化放送)では、火曜コメンテーターで上武大学教授の田中秀臣氏と番組パーソナリティーの寺島尚正アナウンサーが、補正予算の膨張について意見を交わした。
補正予算を大胆にやった方が良いに決まってる!
岸田文雄首相が9月25日に明らかにした経済対策の5本柱は幅広い項目が並び、財源を裏付ける補正予算案は規模が膨らむことが避けられない見通しとなった。
補正予算の財源はこれまでも借金である新規国債の発行に多くを頼っており、財政がさらに悪化するおそれがある。
「これは田中さん、どうご覧になりますか?」(寺島アナ)
「コロナ禍で積極的な財政政策・金融政策をやった結果、経済規模が拡大してますよね? そして財政赤字=借金の負担が経済規模に対して小さくしています。だから自然に借金返してるじゃないですか」(田中氏)
「経済を大きくすることによってですよね」(寺島アナ)
「金利と成長率のバランスも重要で、成長率を高める事が今後は重要で、そのためにも補正予算を大胆にやった方が良いに決まってます」(田中氏)
「“補正予算が膨らむこと=悪”って思われてるんですかね?」(寺島アナ)
「景気が悪い時に政府が何かしなかったら事態は改善しませんから、当たり前のことなんですが、そうじゃないっていう意見が強いのが日本の風土ですね。昭和恐慌のときに多くの新聞は社説で“不況を極限まで推し進めろ。そうすると社会や経済の膿が出る。そして我々は新しいステージに行く”って。怪しすぎるでしょ?」(田中氏)
補正予算案の規模が膨らむことが避けられない見通しであることに、野党は“規模ありきでは反対。結局、選挙対策のばらまきみたいな話ばかりして、国民の税金の無駄遣いになっている”という指摘も出てきている。
「野党も素人だましのことを言っちゃだめですよ。マクロ経済って一国の経済全体で見るとお金が不足している状況があるんです。最低でも10兆円、理想的には20兆円くらいのお金を政府が出さないとダメなんです。つまり規模ですよ。中身は今すぐ使えるものであることが重要です」(田中氏)
「今はお金を使っていく時期なんですよね」(寺島アナ)
「例えば僕は大学の教員ですけど、大学で何が足りないってばらまきのお金ですよ。事務経費・研究費・教育費とか色んなことに使えるお金が足りないんです。研究なんかお金がなくて、僕が大学の先生を始めた時の研究費に比べて、今は何分の一ですよ。研究なんて自由に使えるお金が多い方がいいですよ! 研究を殺して学生の生活も貧しくして、新しい若い世代に使うお金を絞っちゃってる。だからばらまかなきゃいけない!」(田中氏)
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