地球が沸騰する時代?G7・G20で脱炭素電源比率高まる 出遅れた日本が抱える課題
9月19日の「おはよう寺ちゃん」(文化放送)では、火曜コメンテーターで上武大学教授の田中秀臣氏と番組パーソナリティーの寺島尚正アナウンサーが、脱炭素エネルギーについて意見を交わした。
今の日本に必要なのは電力の安定的な供給!
再生可能エネルギーと原子力発電を合わせた「脱炭素電源」の比率が高まってきた。主要7カ国(G7)と20カ国・地域(G20)の総発電量に占める比率は2010年以降、ともに7ポイントあまり伸びた。太陽光と風力がけん引役で、原子力は各国で温度差がある。出遅れる日本は対策を急ぐ。
今年の夏、世界的に異常な高温が続き、国連のアントニオ・グテーレス事務総長は7月に「地球温暖化の時代は終わり、地球が沸騰する時代が来た」という表現をした。各国、温暖化ガスの排出量を減らそうと、脱炭素電源を増やしている。
「これは経済にも大きな影響を与えてますよね?」(寺島アナ)
「国連のグテーレス事務総長は煽りすぎじゃないですかね。“地球が沸騰する時代が来た”って、沸騰の音が聞こえてるわけじゃないんで。“たまたま今年は異常気象だったな”ということを科学的に突き詰めて欲しいです。国連の事務総長なんだからもうちょっと落ち着いてよ」(田中氏)
日本の東京電力福島第一原発の事故を契機に、脱原発に舵を切ったドイツは2010年時点で22.5%だった原発の比率を2022年に6.3%まで下げた。2023年4月に国内に残る最後の3基の稼働を止めて脱原発を実現した。
原発再稼働が進まず再生エネルギーの導入も送れる日本。2010年時点で25%だった原子力の比率は、東日本大震災を境に5%まで落ち、そのぶんを石炭・天然ガスなどで補った。
「脱炭素エネルギー比率を高めていくためには、まだ課題も多いですね」(寺島アナ)
「脱炭素エネルギー比率を高めるのは素晴らしいですよ、地球が沸騰してるらしいんで。だけど今の日本に何が必要かというと、電力の安定的な供給ですよ。そのためには石炭や天然ガスの利用はやむ負えないですよ。これやめて全部太陽光発電にしちゃったらどうなるんですか? エアコンが止まって、我々が沸騰しちゃいますよ」(田中氏)
「田中さんが仰ったように、暑い時はエアコンが必要ですし、寒いときも今はオール電化とかで電気が必要なんですよ。各電力会社が“夏と冬は節電してください”って言うじゃないですか? この辺をなんとかしてかないとね」(寺島アナ)
「あと原発の再稼働も進めて欲しいですよね。進める詐欺みたいになっちゃって、この夏はどうにか切り抜けそうですけど、冬が心配ですよ」(田中氏)
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