神谷浩史、小野大輔が制作秘話を語る!13th主題歌CD「土曜日の靴音」スペシャルインタビュー  【神谷浩史・小野大輔のDear Girl~Stories~】

神谷浩史、小野大輔が制作秘話を語る!13th主題歌CD「土曜日の靴音」スペシャルインタビュー 【神谷浩史・小野大輔のDear Girl~Stories~】

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文化放送、ラジオ大阪で好評放送中の「神谷浩史・小野大輔のDear Girl~Stories~」(DGS)番組13枚目の主題歌CD「土曜日の靴音」が5月28日(金)に発売!
楽曲コンセプトと制作秘話について神谷浩史、小野大輔と、カップリング曲のTVアニメ「ぼのぼの」主題歌「ぼのぼのロックンロール」を歌っているMASOCHISTIC ONO BAND(MOB)改めMASOCHISTIC BONO BAND(MBB)のONO-D、HIRO-Cにインタビューしました。

聞き手・文 水野寛(Rocket Base)

目次

  1. 「神谷浩史・小野大輔のDear Girl~Stories~」13th主題歌CD「土曜日の靴音」について神谷浩史、小野大輔に聞く
  2. TVアニメ「ぼのぼの」主題歌「ぼのぼのロックンロール」についてONO-D、HIRO-Cに聞く
  3. この記事の番組情報

「神谷浩史・小野大輔のDear Girl~Stories~」13th主題歌CD「土曜日の靴音」について神谷浩史、小野大輔に聞く!

――DGSの13枚目のシングルが発表になりました。3曲ともすごく今の時期に聞くとすごく前向きになれる曲でした。最初に聞いた時の感想を聞かせていただけますでしょうか。

神谷 そもそもコンセプトとして、毎回こんな感じの曲という方向性を決めるんです。今回決めた方向性としては、70年代、80年代の雰囲気。最近割とAメロ、Bメロ、サビみたいな感じのわかりやすい構成の曲っていうのがあんまり好まれない風潮があるという記事を読んだことがあるんですが、でもやっぱりAメロ、Bメロ、サビみたいな感じで、70年代のシティ・ポップみたいな雰囲気がいいなあっていうことをお願いしたんです。
あと、僕からのもう1個のお願いで、女性のコーラスを入れたいということはお伝えしたんですよ。できれば女性ボーカルも僕と小野くんのボーカルに負けない感じで、同じくらいの目立ち方というか、響き方をしてくれる人がいいなあと。そんな中で、たまたまスタジオで高垣彩陽さんに会って、この人だって思ったんです。もともと彼女は声楽も学んでいて、歌がすごく上手で、クラシックな歌い方もできて、音楽の才能もずば抜けているっていうところもあって。なおかつ、妹の裕野さんが作詞家として、この番組に参加しているという部分もあって。高垣家と縁があったんですよね。だからこれはきっと高垣彩陽さんがコーラスを引き受けてくれたら、とても素敵な作品になるに違いないと思って。そこまでが僕の中の構想だったんですね。
それをディレクターの竹内さんに相談させていただきながら進めていって、できたのが「土曜日の靴音」という曲です。まさに僕が思い描いているような、土曜日の夜にこの曲が流れてきたら、ああ、週末なんだなというものが感じ取れる曲になりました。この曲を聞くと、週末、明日はお休み、もちろんラジオを関西方面で聞いていらっしゃる方は明日は月曜日になってしまうんですけれども、特別な週末な感じがするんですよ。明日から日常が始まる、みたいな感じじゃなくて、明日はおやすみで、特別な1日が始まる、そういう前日の夜、みたいな空気がこの曲には流れているなあと思っています。

 

——小野さんはそういうオーダーはご存知だったんですか?

小野 そうですね。神谷さんの好きな音楽というのが明確にあって。こういうのにしようと思うんだ、というのを聞いた時に、僕はすぐにわかったんです。昭和のバラエティ番組だ!って。
中身はとんでもないようなはちゃめちゃな内容のバラエティなんだけども、なんかこう、おしゃれなシティ・ポップが流れていた感じがあるんですよ。この番組もね、ザッツ・バラエティなので。中身はすごいバカやってるんだけど、とっても綺麗な音楽で始まるって、めちゃくちゃいいなって思いました。
令和なんですけど、令和に昭和を持ってくるっていうのは、やっぱり新しいですよね。もちろん、昭和のまんま持ってくるんじゃなくて、令和ならではの新しい感覚をミックスして、今にもう一回リバイバルする。でも多分、新しいリスナーさんとかは、聴いてもそういう感覚はないと思うんですよね。古いっていう感覚はない。

——そうですね。

小野 でも僕たちはちょっと懐かしいし、なんだったら、昔聞いていた好きな音楽。番組でも僕とか神谷さんが少年だったり、学生だった時代に見たり聞いたりしていたことを結構言うんですよ。リスナーさんはわかんないだろうなって思いながら。
でも面白いものは面白いし、なんだったら、ラジオを聴いて、今は検索すれば、それがどういうものであるのかすぐに出てくるので。何を言っているのかを調べてもらって。ネタの元ネタを自分で調べて、どんどん知識を増やして面白がる。そうやって僕もラジオを聴いてきたので。
この曲に関しても、やっぱり、そういうちょっとした元ネタもあるから、この曲を聞いていいなと思ったら、そこにも思いを馳せてもらって、なんだったら知ってもらって、やっぱりいいなあなんて思っていただけたら、一番いい楽しみ方だと思います。

 

――2曲目の「WE ARE OPEN」もお二人のラジオへのスタンスというか、番組のスタンスを感じました。楽曲のオーダーはどんな感じでしたか?

神谷 そうですね。ストーリーとして、オープニングは、土曜日の夜におしゃれして出かけようよ、帰る人たちを背にして、自分は楽しいところに行こう、みたいなものがあります。
今、コロナ禍なので、そういうことができにくい世の中になっていますが、以前はそういうことができたじゃないですか。オープニングは特別な日におしゃれをして、自分の好きなところに出かけようという内容にして、エンディングの方は辿り着いた先のこと。賑やかで自分の居場所があって、顔馴染みがいて、いつもの店員さんがいて…というような雰囲気の曲になればいいかなって。でも、そこは小洒落たバーとかではなくて、どっちかっていうとガチャガチャしていて、気軽に楽しんでもらえる場所。しばらく来てなかったかもしれないけど、相変わらず自分の場所があって、「お、久しぶり」って。まあ5分もいればまた顔馴染みと一緒にその空間を楽しめる、要はこの番組ってことですね。
学校を卒業して、就職活動をして、社会人になって、しばらく余裕がなかったけれども、ちょっと余裕ができたから久しぶりに聴いてみたら、何にも変わっていなかったっていうメールもいただきますけども、僕らはそういう時間を提供するために、毎週30分頑張ってるところがあるので、そういうものを曲にしてもらった感じです。

――小野さんはいかがでしたか?

小野 今までのエンディングの中では、「30minutes Shootin’ Star」に勝るとも劣らない、とびきり賑やかで、とびきり大騒ぎで、理屈抜きのエンターテインメントを表している楽曲ですね。
「WE ARE OPEN」=“開店中”なんですけど、若い子もお年寄りも、僕たちと同じような年の君も、みんな来なよっていう感じです。ラジオって誰でも聴けるものなので。今なんてradikoのタイムフリーでいつでも聴けちゃうし、そういう意味でも間口が広い感じはしますよね。歌詞で語っていることは「いつでも開いているからおいでよ、僕たちと騒ごうよ」っていうシンプルな思いです。
すごく印象的だったのはイントロや間奏で歌っているスキャットです。これまでになかった要素で、歌詞とは言えない歌詞なんですよね。いわゆるボーカルワークとして、ああいうことができたのが実は意外でした。やっぱり僕ら声優って、歌を歌っていると言葉に意味を持たせちゃうんですよ。はっきり歌ってしまうんです。聴いた方の感想で、「すごく歌詞を大切にしていることが伝わってきますね」ということをよく言っていただきますが、逆にいうとおざなりに歌えないんです。音楽としてなかなか到達できなかった部分がある。自分が特にそうだったんですけど、今回やってみたらできちゃました(笑)。ボーカルとしての可能性を感じて、歌い手としては楽しかったし、初めてのスキルを使った感覚が嬉しかったです。

――英語詞もありますし、語感の気持ちよさとかもありますね。

小野 そうですね。音楽的な表現というか。スイングしている部分もありますし、歌ってて気持ちいい曲ですね

――神谷さんはいかがでしたか?

神谷 スキャットの部分に関してはその通りだなと思います。僕らが歌詞を大切にしたがるのは性質なので仕方ないのですが、今回、歌詞の方は難航しました。
いろんな方にお願いして、新しい才能も入ってきている中で、古屋真さんが2曲ともコンペを勝ち取るという偉業を成し遂げました。やっぱり頭一つ抜けてたんですよね。何が他の方と決定的に違ったかというと、ネガティブな歌詞が一個も入ってなかったんですよ。今こんなご時世ですし、悲しいことは忘れて、とか、辛いことは忘れて、とか、明日のことは忘れて、とか、辛い過去を捨てて、とか、なんかそういうちょっとネガティブな要素をはらみつつ、でも楽しいことしようよ、みたいな内容のものが多かったんです。
ところが古屋さんの書いてきた詞は、「土曜日の靴音」も「WE ARE OPEN」も、両方ともポジティブな単語で埋め尽くされていたんです。よくこんな詞が書けるなあって。特に「土曜日の靴音」は夜、帰る人の波をかき分けて、おしゃれして楽しいところに出かけようという内容にしてください、と伝えたんですね。そうなってくると当然テクニックとしてネガの要素が入りやすい。古屋さんの歌詞はいいなあと思っていたら、気づいたんですよ。古屋さんの歌詞だけ、1個もネガな要素がなかったんです。それが決め手になりましたね。

TVアニメ「ぼのぼの」主題歌「ぼのぼのロックンロール」について聞く

――3曲目はMASOCHISTIC BONO BAND(今回のタイアップ限定グループ名)のONO-D、HIRO-Cに伺いたいのですが、この曲もゼロからの制作ですか?

ONO-D
最初にTVアニメ「ぼのぼの」の主題歌を歌いませんかという話をいただいて、時間もねえし、作るの大変だし、元からある「Punishment is Reward」を替え歌にしたら、「ぼのぼの」の曲になるんじゃね?というところがスタートだったね。もちろんそれはないだろっつって(笑)。
HIRO-C
向こうが言ってくることがあまりも寛容すぎてね。ちょっと騙されているんじゃないかって思ったんですよ。「ぼのぼの」とタイアップしませんか、ひいては、MASOCHISTIC ONO BANDさんでお願いします。MASOCHISTIC ONO BANDさんの曲だったらなんでもいいですみたいなことを言ってるらしい。その辺の話をつけてきたのは3Mなんで、3Mが騙されているのか、3Mが俺たちのことを騙しているのか、どっちかだと思ったんです。MASOCHISTIC ONO BANDの曲だったらなんでもいいって言ってるんですって言うんだけど、そんなわけないだろって。 「Punishment is Reward」の曲で、最初の「おしおきだー!」を「ぼのぼのだー!」って変えて、それでもOKなのか?って聞いたら、それでもいいですって言ってます、みたいなこと言うから。そんなわけないだろって。流石に新しく作ろうぜって言ってできたのが「ぼのぼのロックンロール」です。
ONO-D
流石に俺たちもそこまで破天荒にはなれなかったね。アニメのタイアップってそういうもんじゃないだろ(笑)
HIRO-C
後付けでタイアップはできないだろってね。でも新しく作れてよかった。 この曲に関しては、オーダーとしては、俺たちはロックバンドなんで、ロックンロールをやろうと。あと、昭和のアニメって「◯◯ロックンロール」みたいなのがいっぱいある。「◯◯ロック」ではなくて「◯◯ロックンロール」っていう曲が結構あって。なので「ぼのぼのロック」ではなく、「ぼのぼのロックンロール」っていうニュアンスで作ったらどうなりますかっていう感じで作ってもらいました。そしたら関口(晶大)さんがいい感じの曲をあげてくれて。

――歌詞はどんなオーダーだったんですか?

HIRO-C
これが、関口さんが作ってきた曲の仮歌が、すでにサビのところが「ぼぼぼぼぼぼ ぼーのぼーの」だったんですよ。そのハマりから、俺らも抜け出せなくなっちゃったんです。あまりにもハマってたんで。 でもそれはあくまで仮歌じゃないですか。仮の歌詞なんで、そこからどこまでいろんな作家さんが抜け出せるのかっていうところが肝だったんですよね。それを唯一、裕野だけがアレンジしてきたんです。全く違うものに置き換えてしまうパターンと、そこから抜け出せずに「ぼぼぼぼぼぼ ぼーのぼーの」のままでくるパターンがあったんですけど、裕野だけ唯一アレンジして、より耳に残るものにしたんです。 こちらからの歌詞のオーダーとしては、子供がよくするような、「トンモロコシ」みたいな言い間違いってあるじゃないですか。そんな可愛らしい感じのちょっとしたミスみたいな歌詞の内容はどうですか、ということを提案して、それを一番うまく拾って、なおかつ、サビのところの一番耳に残ってしまうところをアレンジしたのは裕野だけだったんですよ。
ONO-D
確かに結構いろんな人に書いてもらったけど、裕野だけだったね。
HIRO-C
よくもまあ上手にアレンジしてきたなあ、と。

――ちゃんと作品にも寄り添いつつ、広い意味もある。

ONO-D
MBBやHIRO-CとONO-Dのキャラクター性とかも考えて作るともっとゴリゴリのどぎついロックになりそうなもんなのに、ちゃんと「ぼのぼの」の世界観に寄って、とにかく平和なんだよね。ほのぼのしているという。
HIRO-C
「Merry XXXmas」の歌詞を書いた人とは思えないね。
ONO-D
あの最低の最高傑作ね。あれいまだに歌詞のヤバさに気づいてない人いるからね。

「Merry XXXmas」は、MASOCHISTIC ONO BANDデビュー6.9周年記念ミニアルバム「6.9」に収録!

(TVアニメ「ぼのぼの」主題歌候補だった「Punishment is Reward」」も)

MOB6.9

DGS番組15年目の番組主題歌「土曜日の靴音」「WE ARE OPEN」そして、TVアニメ「ぼのぼの」主題歌「ぼのぼのロックンロール」は全国のアニメイト、文化放送インターネット通販サイトA&Gショップでの取り扱いとなります。ぜひ、購入して聴き込んでください。

 

なお、「土曜日の靴音」ジャケット撮影メイキング映像を、DGSのニコニコチャンネル「DGSチャンネル」にて期間限定公開中です。月額550円の会員制サイトですが是非こちらもご覧ください。

 

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