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キッズのみんな、こんばんは。今日のテーマは花の不思議。花って「きれいだなぁ」と思うかも知れないけど、「不思議だなぁ」と思ったことある?結構、花って不思議だらけなんだって。じっくり話を伺っていきましょう。今週のサイエンスコーチャー(サイコー)は、国立科学博物館の岩科司(イワシナツカサ)さんです。こんばんは。 |
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こんばんは。 |
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岩科さんは『花はふしぎ』という本を書いてらっしゃるんですよね。楽しく読ませていただきました。 |
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ありがとうございます。 |
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今日は、この花の不思議についてお話を伺いたいと思うんですけれど、実はこの番組2年以上やっているんですが、お花の話は何気にほとんどしたことがないんです。 |
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それはちょっと寂しいですねぇ(笑)。 |
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すみません。岩科さんは、やっぱりお花はずっと好きなんですか? |
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僕は大学時代から花というものを研究テーマにしてきたのでもう40年近く。花とは長い付き合いです。 |
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そうですか。じゃあ、花のことなら何でもご存知で。 |
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いえ、そんなことはなくて、やはり自然のものは分からないことがまだいっぱいある。花という私たちの身近にあるものでも、謎はたくさんあります。 |
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『花はふしぎ』というタイトルの本ですが、僕は「花はきれい!」というイメージしかなくて、唯一、花というか植物で不思議だと思うのがオジギソウです。「何でオジギソウ、こんなになるの?」って思うんですけど、花にも不思議があるんですね。ちなみに花は何種類ぐらいあるんですか? |
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いわゆる花の咲く植物というのは、顕花植物というんですけれど。 |
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ケンカ植物? |
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別にケンカしているわけでも何でもないんですが(笑)。花の咲く植物は、現在分かっているだけで地球上に25万、人によっては27万種と言う方もいます。 |
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25から27万種類かぁ。花の咲く植物は顕花植物。キュウリやスイカも植物に入るんですね? |
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もちろん。これは顕花植物という、花の咲く植物に立派に入ります。 |
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木は植物に入るんですよね? |
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もちろん木も入りますよ。 |
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じゃあ、スギの木はスギ花粉というぐらいですから、スギの花があるんですか? |
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あります。同じ植物でも、チューリップやバラは被子植物といいます。ところが、スギやヒノキやソテツは裸子植物といいまして、花らしいところはもちろんあるんですが、一般に花の咲く植物といわれるのは被子植物のほうで、裸子植物の花は意外と目立たないものが多い。 |
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ヒシは漢字でどういう字を書くんですか? |
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ころも偏に皮。「被る(カブル)」という字に子どもの「子」で、被子。 |
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被子植物は美しい花を咲かせる? |
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一般的にですけれど、きれいな花と言われているのは被子植物の花ですね。 |
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花というと色とりどりで、『チューリップの歌』だと「咲いた咲いた赤、白、黄色」。 |
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チューリップの場合は赤、白、黄色だけではなくて、最近は黒もあれば青もあるし紫もある。色とりどりで、赤、白、黄色だけではないですね。 |
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ラジオの前のキッズは、日本で一番よく見られる花の色って何色かをイメージしてみて。今、花ってあまり咲いてないかも知れないけれど、何だろうなぁ?黄色でしょ。白とか赤、あとは黒。黒チューリップがちょっとニュースになりましたけど、黒は少ないですよね? |
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そうですね。ただ、花の色というのは私たちだと赤、白、黄色、緑とか。まぁ緑は意外と多くないですけど。 |
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緑あります? |
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緑もあるにはあるんですよ。ですけど、ほとんどは中間的な色のものが多いので、実はどこからどこまでが何色と切ることはできないんですが。それでは、私たちのような花の色を研究している者にとっては少しも仕事が進まないので、一応、赤、白、黄色、青、緑、黒、青から紫というふうな分け方をしています。 |
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虹みたいな感じですかねぇ? |
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そうですね。要するに、虹の色を考えればいいのかと思います。 |
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一番多いのは何色ですか? |
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さっきも言ったように、地球上には25万から27万もの花が咲く植物があるわけですから、これだけの花の色を観察した人は当然いません。本当のところは分からないんですけど、一番多いのは黄色か白のどちらかだろうといわれています。 |
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ヒマワリとかタンポポとか。白はいっぱいありますよねぇ。 |
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タンポポはそうじゃないですね。タンポポは普通、子どもたちが絵を描くと黄色を描くと思いますが。 |
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そう、黄色。黄色ですよ。 |
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じゃあ白いタンポポがないかというと、白いタンポポは、あるにはあるんですよ。でも、それは私たちが普通タンポポと言っているセイヨウタンポポやカントウタンポポと違って、シロバナタンポポという白い花のタンポポで別の種類です。 |
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へぇ〜。黄色い花は多いですよね。タンポポ、ヒマワリでしょ。白はユリ、キク。バラって白はあるんですか? |
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バラも白はあります。世界中の花を調べたわけではないですけれど、日本の花だけに絞りますとちゃんと調べた人がいまして、大きく分けると白い花が一番多くて32パーセント。それから二番目は、ちょっと少なくて黄色が30パーセントという報告はあります。 |
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3本に1本は黄色あるいは白。 |
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そういうことですね。 |
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大体、世界の花の60パーセント以上は黄色と白ということですね? |
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単純に計算するとそうなります。 |
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それ以外で次に多いのは? |
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三番目が紫から青系統の花ですね。大体23パーセントぐらい。 |
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へぇ〜。赤じゃないんですか。ちなみに赤はどれぐらいですか? |
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その次が赤で10パーセントぐらい。意外と少ないです。 |
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えっ!少ない。赤ってバラやチューリップ、カーネーション、まさにキッズたちはカーネーションをお母さんに贈るのが…。 |
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カーネーションだったら赤が当たり前だと思うんですが、実は赤色って目立つもんですから、私たちにとってたくさんあるように感じちゃうんですね。ところが、日本のような温帯、春夏秋冬がはっきりしているような所で数えますと、赤い花は意外と少なくて、大体10パーセントぐらいしかない。 |
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何でだろう? もっともっとあるかと思いましたけどねぇ。 |
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色の問題は、何で花に色があるのかということと大きな関係があるんですよね。 |
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われわれを楽しませるために色がついているのではない? |
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もちろんそんなことではなくて。意外と私たちの身近にありすぎて気がつかないかも知れませんけれど、花は観賞用にあるわけではなくて、自然の中では子孫を増やすためにあるのが花です。すなわち、生殖器官といわれる場所なんです。 |
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子どものために花は美しく咲くんですか? |
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いえ、そんなことはなくて、それを私たちが美しいと思うだけであって、自然の中では種を残す、子孫を残すという重要な役割を持っているわけですね。 |
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花の色とどう関係があるんですか? |
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今から1億3000万年ほど前に最初の花ができたと言われてますが、おそらくその頃は色がなくて、風に花粉を運ばせていたと思います。その中で、少しだけ色がついたのができていて、そっちの方が目立ったと思うんです。それで、たぶん昆虫だと思うんですが、目立つ花に集まるようになりますから、その植物は子孫を効率的に残せるようになる。 |
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昆虫が花に来ると、昆虫がその子孫を運んでくれるというイメージですか? |
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ええ、花粉を運んでくれる。そうすると種ができますから、その子孫はより繁栄するわけで、そうしてその子孫がまた色々なものをつくり出す。おそらく、その内に様々な色のものが出てきたと思うんですよ。それに、寄って来る動物、特に昆虫などはそうですが、好き嫌いで――人間でも花の色に好き嫌いがあるように動物、昆虫も好き嫌いがあったらしくて、赤や青、黄色や白など、様々な色の花ができたのであろうと考えられています。 |
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へぇ〜。あっという間に時間が来てしまいました。岩科さん、来週もお花の話を聞かせていただけますか? |
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はい。分かりました。 |
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今週のサイコーは、国立科学博物館の岩科司さんでした。ありがとうございました。 |
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ありがとうございました。 |
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そうなんだよ、花がなぜその色かというと、その花が生きていく過程で今の環境がちょうどいいから、ということなんだよねぇ。だから、これから地球温暖化が進んでものすごく暖かくなると、花の色もこれまでと想像できないふうに変わるかも知れない。それを見たいんじゃなくて、今の、その花にぴったりの色であってもらうために、地球のことを考えるのも大事なんじゃないかと思いました。みんなはどう思ったでしょうか? |
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