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お電話:パラ水泳「タッパー」第一人者 寺西真人 さん
今日は、パラ水泳「タッパー」の第一人者、寺西真人さんにお電話を繋ぎました。
寺西さんは1959年、東京生まれ。日本体育大学卒業後、筑波大学付属視覚特別支援学校で水泳部を立ち上げ、教え子には河合純一さん、酒井喜和さん、秋山里奈さんといったパラリンピックの金メダリストがいらっしゃいます。
開幕まであと14日に迫った東京パラリンピックでは、悲願の金メダル獲得を目指す木村敬一選手の「タッパー」として、大一番に臨む寺西さん。
そもそもこの「タッパー」とは、釣り竿の先にビート板の素材を丸く切って装着した「タッピングバー」を持ってプールサイドに待機し、ターンやゴールの直前に、視覚に障害のある選手の頭や身体の一部を叩いて合図するという重要な役割です。50mの種目以外、基本、ターンサイドとスタート・ゴールサイドの2名体制になります。タッピングバーで叩く体の位置は、同じ選手でも種目によって合図を出すタイミングから、ターン時とゴール時ひとつとっても異なり、非常にテクニカル!
東京大会の木村選手の100mバタフライで、寺西さんはゴールを担当されます。
木村選手が中学生・高校生の時から"生徒"と"教員"という関係で厳しく指導してきたそうですが、ロンドン大会でメダルを獲得してからは「何か困ったり、相談したいことがあれば、木村君から言ってくれるだろう」と、余計なことは言わず、本人の考えを尊重。お互いの信頼関係があるからこその、今では"親子"のような関係だと言えますね。
1992年のバルセロナパラリンピックからおよそ30年。寺西さんにとって8回目のパラリンピック、日本選手団のコーチとしては5回目となり、東京大会はまさに集大成。
「今回も選手たちの実力を100%引き出したい。ハンディキャップがあるから出来ないと決めつけず、こうすれば出来るということを多くの人に知ってもらえたら。」と、意気込みを語ってくださいました。