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落雷を抑制する避雷針
吉田愛梨です。
先週、埼玉県西部の広い範囲で落雷のために大規模な停電が起こりましたが。
気象庁が発表した「落雷害の報告数」によりますと
2017年までの12年間で発生した雷の被害のうち
3割が8月に集中しています。
8月に入りますます雷に注意が必要になる時期のため、
株式会社落雷抑制システムズ 代表 松本敏雄さんに
お電話で取材しました。「避雷針」と聞いて、私たちが思い浮かべる先が尖った形状のものは
今から270年も前(電気を使わないオイルランプ時代に)発明されたもの。
雷を避ける針と書くけれども、実は雷を呼ぶものなんです。
落雷のときに、棒の部分に稲妻を呼び込み接している場所に導くことで建築物などの被害を防ぎ、
落雷による被害が生じなくなる仕組みなのだそう。
松本さんは元々、電気通信関係のお仕事をされていて
落雷対策について真剣に取り組もうと2010年、
「落雷抑制システムズ」という会社を立ち上げました。
最近は建物の中で情報ネットワークが用いられる情報用ケーブルが電力ケーブルの長さ以上に用いられ、
避雷針に落雷した雷に誘導されて発生した電圧が
情報ネットワークに損害を与えることが多くなっています。そこで松本さんは、従来の避雷針とは違った原理で生まれた
雷を呼ばない、落雷の抑制を図る新しい避雷針「PDCE」を取り扱っています。
茨城県牛久市の牛久大仏には頭の上にPDCEが設置。
また今年4月にオープンしたロープウェイ
ヨコハマ エア キャビンにも、ケーブルを支える5本の柱のうち2本にPDCEが設置。
東京オリンピック・サッカーの会場となっている
横浜国際総合競技場にもPDCEが設置されていて、
現在までの設置台数は3千台を突破しています。
家庭にも設置する方もいるんだそうです。
今日ご紹介した、雷の通り道を作らない、落雷を抑制する避雷針、
気になった方は株式会社落雷抑制システムズの
ホームページをご覧ください。
松本さんの解説動画もあります★
YouTubeはこちらから。また、落雷の際は、高層ビルなどの角の部分のコンクリートが
落ちてくる可能性があるので、
なるべくオフィス街を歩かず、地下道があれば地下道に行ったり、
頑丈な建物の中で雷がおさまるまで待つことや、
公園などでは、木の付近に行かずに、
雷座り(両足を揃えてしゃがんで頭を低くする)をすることなど、
雷から自分の身を守ることが大切だと話してくださいました。
事前に知識を深めて、突然の雷の際にどうすれば良いのか考えておきたいですね。