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こまつ座連続上演
吉田愛梨です。
今年1月、核兵器の開発、保有、使用が全面的に禁止された
「核兵器禁止条約」が発効されました。
今日は平和の尊さを考える、「こまつ座」の二人芝居をご紹介しました。作家、井上ひさしさんが1983年に立ち上げた劇団「こまつ座」
設立当時から演劇を通して平和を考えるということを理念にしています。21日金曜日から舞台「父と暮せば」の上演が始まり、
7月からは「母と暮せば」の公演が行われます。
今回、井上ひさしさんの三女で、こまつ座代表の井上麻矢さんに取材しました。
井上ひさしさんは
「オキナワで尊い命の犠牲があったにもかかわらず
なぜ戦争が続き、原爆が投下されたのか。
昭和を生きた作家としてこれは書かなければならない。」との思いで、
オキナワ、ナガサキ、ヒロシマとすべてを書こうとしていたそうです。
ヒロシマは3作あるもののオキナワ、ナガサキについては
タイミングがあわず書くことができないいまま亡くなってしまった。
麻矢さんは、この気持ちを成就させてあげたいとの思いで、
構想があった「母と暮せば」について話を書いてもらい、
こまつ座での上演に至りました。
そして、連続上演はこまつ座の大きな夢だっということです。
『父と暮せば』公式舞台写真 左から、山崎一、伊勢佳世
「父と暮せば」は
原子爆弾投下から3年後の広島。
図書館で働くひとり暮らしの美津江のもとに、
原爆で亡くなった父、竹造が幽霊になってあらわれます。
竹造は美津江の「恋の応援団長」として優しく美津江に語ります。
初演は1994年。
こまつ座を代表する作品で
今まで様々なコンビで500回以上上演されてきましたが、
6組目のコンビは
父・竹造役を演じているのが山﨑一さん。
娘・美津江に伊勢佳世さん。
2018年以来の再演になります。
『父と暮せば』公式舞台写真 左から、山崎一、伊勢佳世
7月3日から紀伊國屋ホールで開幕するのが「母と暮せば」
「父と暮せば」の対になる作品として、山田洋次監督が映画を手がけ、
その作品をこまつ座が舞台化しました。
原爆投下後、3年後の長崎を舞台に、今度はお母さん、伸子が生き残り、
医大生の息子、浩二が幽霊になって出てくるという物語。
舞台での親子役は、富田靖子さん、松下洸平さんが演じます。こちらも2018年以来の再演です。
井上麻矢さんは、もしも井上ひさしさんが今生きていたら
この時代をなんというかとよく聞かれるそうですが、
「人間って不安の虫をみんな頭で飼っている。
その不安の虫をどう抑えていくかが大切なんだよとよく父が言っていた。
今色んなことが不安になってしまう世の中で、
自分ができることをたんたんと継続してやっていくしかない。
大切な人があるとき突然いなくなってしまうかもしれない。
大切な人から何を受け取るべきか、何を大切な人に伝えていくべきか。
もうちょっと考えて生きていこうね。と言われている気がします。」と話してくださいました。
今日ご紹介したこまつ座の舞台「父と暮せば」、
東京・新宿にあります、紀伊國屋サザンシアターで
30日 日曜日まで上演されます。
26日(水)は絵本作家の西村繁男さん
29日(土)は演出家の鵜山仁さんの
公演後のスペシャルトークショーも行われます。チケットは全席指定 税込み5800円
ペアチケットは11000円
30歳以下は3300円
詳しくは、こまつ座のホームページを是非ご覧ください。チケットについてのお問い合わせは03-3862-5941までお願いします。