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映画『ファーザー』
吉田愛梨です。
先月開催された第93回アカデミー賞
主演男優賞でオスカーを手にしたのは83歳のアンソニー・ホプキンスでした。
史上最高齢で受賞しています。アンソニー・ホプキンスは1991年公開の
『羊たちの沈黙』でレクター博士役でわずか20分ほどの出演時間のなか、主演男優賞を受賞しています。
今回は30年ぶり、2度目の主演男優賞受賞を記念して
宣伝担当のロングライド村中梨衣さんのお話をまじえて
映画『ファーザー』をご紹介しました。
2012年、パリでの初演で大成功を収めて以来、
ロンドンのウエストエンドやニューヨークのブロードウェイなど
世界30か国以上で上演され、
日本でも「Le Père 父」のタイトルで橋爪功が主役を務め、大絶賛された舞台の映画化です。
監督はこの舞台のオリジナル戯曲を手掛け、フランス最高位のモリエール賞最優秀作品賞を受賞したフロリアン・ゼレール。
現代において最も心躍る劇作家として知られるフロリアン・ゼレールが初となる長編映画の監督に挑んだ作品です。
フランス語の戯曲を英語に翻訳して、脚本を名前と年齢、誕生日まで
アンソニー・ホプキンスと同じ設定にし、あて書きされた作品です。
なので、ホプキンスが演じるのは、81歳のアンソニー役。
年齢もそのままなので、長いセリフを覚えること以外、
難しいことは何もなかったと本人も語っています。
その父を支える娘のアンを演じたのは、
オリヴィア・コールマン。
2年前に『女王陛下のお気に入り』という作品で
アカデミー主演女優賞を受賞している実力派です!
今回、助演女優賞にノミネートされています。
認知症の父親と介護をする娘の物語ですが、
見ている私たちも、認知症の父アンソニー自身の視点になって、
目の前にいる人が一体だれなのか、
夢と現実の狭間に戸惑い、どの記憶が正しいのか、苦悩する気持ちを味わうことができます。
父親を愛しているからこそ、父の認知症の状態が悪化するほど
胸が引き裂かれるような思いになるオリヴィア・コールマンのリアルな表情にも注目です。
上映時間が97分という比較的短い作品ですが、
終始、自分の立ち位置がわからなくなる不思議な感覚になりつつも
そこには親子の絆、愛があります。
ぜひスクリーンでご覧ください。
『ファーザー』
5月14日(金)、TOHOシネマズシャンテ他
全国ロードショー
監督:フロリアン・ゼレール
脚本:クリストファー・ハンプトン、フロリアン・ゼレール
原作:フロリアン・ゼレール(『Le Père』)
出演:アンソニー・ホプキンス、オリヴィア・コールマン、マーク・ゲイティス、イモージェン・プーツ、ルーファス・シーウェル、オリヴィア・ウィリアムズ
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