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第1027回:東日本大震災10年
東日本大震災が発生した2011年から、今日で10年です。
今日のSAKIDORI!は、コメンテーターに作家の重松清さんをお迎えし、あの日のこと、そのあと体験した様々なこと、そして、未来に向けての課題について、被災者の方々の声とともにお伝えしました。
まず最初のコーナー『ニュースサキドリ』この10年で被災地の復興はどのぐらい進み、どのようなことが課題とされているのか?
被災した自治体の復興計画の策定に携わった、東北大学大学院 経済学研究科の教授で、震災復興研究センター増田聡センター長に、インフラ整備など「ハード面」と、被災者の支援など「ソフト面」の復興についてや、来年度からの5年間「第2期復興・創生期間」解説していただきました。
16時台『後半』 復興のため、被災地ではどのような取り組みが行われているのか?
東日本大震災によって、世帯数が9世帯から3世帯まで減った、宮城県石巻市の蛤浜地区。お話を伺ったのはこの地区を再生するため、力を尽くされている一般社団法人「はまのね」の代表理事、亀山貴一さんです。
亀山さんは、蛤浜地区で生まれ育ち、結婚後も蛤浜で暮らす中、被災。妊娠中の奥さまとおなかの赤ちゃん、そして親族3人を亡くされました。
震災後、一旦は蛤浜を離れましたが、2012年に「蛤浜再生プロジェクト」を立ち上げるなど、蛤浜の魅力を活かした事業づくりに取り組み、Cafeはまぐり堂もオープン。
「全力で突っ走ってきたから、あっという間に感じる。」と語る亀山さん、地元のために良かれと思ってやったことが地元の方々にはあまり喜ばれない形になってしまったことなども含め、この10年の様々なことを振り返ってくださいました。
▼「実は取材した当時、僕は糖質制限ダイエットをしていたんだけれど、シチューとパンと大きなおにぎりを食べないではいられなかった(笑)とっても美味しかった!今でも覚えている。」と重松さん。
報道スポーツセンターの石川真紀キャスターがお送りする『SAKIDORIニュースパレード』
このあと17時から始まる全国ネットニュース番組『ニュースパレード』の主な項目をご紹介。
本日のコメンテーター 重松清さんの『今日のオピニオン』
「ジャーナリズムの意味、報道することの意義」と題して、東日本大震災の取材を続けている重松さんが忘れがたいお話をしてくださいました。
2014年2月11日、いわゆる月命日に、陸前高田市を取材で訪れた重松さん。ちょうどその前の日に雪が降り、街は雪景色。流された家の土台に、缶コーヒーが1本供えてあるのを見つけたといいます。道路から土台までの道筋には、しっかりと足跡が。
その瞬間、「たまたま雪が降っていたから足跡が分かった。でも、雪がなかったら気付けなかったかもしれない。取材してそれを伝える僕たちの仕事は、この雪にあたるんじゃないか。僕たちが伝えることで、見逃していたものが見えるようになるんだ。」と感じられたそう。
「僕たちはよく、毎年8月になると戦争や平和のことを伝えて"8月ジャーナリズム"なんて言われる。それと同じように3月になると東日本大震災。だけどね、3月じゃなくても震災はずっと続いている。僕は毎年、雪の役割をできたらいいなと、それがジャーナリズムの原点なんじゃないかなと思っているんです。」と語ってくださいました。
『ニュースフカボリ』のこの時間は、先週から2週にわたり、「あの時、私は、そして今」というテーマで、被災地の方の声をお届けしています。
今日は、福島県浪江町に行っている佐々木瞳記者に繋ぎ、ご実家が今も帰還困難区域に指定されている浪江町役場の及川里美さんにお話を伺いました。
「浪江町では2017年に一部地域で避難解除され、人が住めるようにインフラや産業にどんどん挑戦している。ワクワクがいっぱいの町だよ、新しく動き始めているんだよということを伝えたい。実際に暗かった部分も明るくなっていっているのを感じている。」と"浪江町の今"を伝える広報としての目線でお話してくださいました。
『ニュースアトオイ』
表回りの細木美知代記者は、2017年3月9日にSAKIDORI!が生中継をさせていただいた、浅草にある「K's cafe」へ。
お話を伺ったのは、宮城県・気仙沼市出身のパティシエ、金野敬さん・洋子さんです。
「10年一区切りとよく聞くけれど、全然区切りじゃない。1年目も10年目も感じるものは同じ。」
実は、息子さんの卒園式が今日だったということで、「喜びたいのに、なんで今日なんだろう...」と、ものすごく複雑な思いをかかえていらっしゃいました。
新型コロナウイルスの影響で「K's cafe」も売り上げが激減してしまいましたが、テイクアウトやインターネット販売をスタートさせ、昨年11月にはクラウドファンディングで資金を募り、お店をリニューアル。
以前は日替わりメニューやパスタなど店内で食べるものが多かったのですが、今はクレープなどのテイクアウトメニューがメインだそうです。
こだわりの素材で作られた焼き菓子も絶品です!
放送作家でコラムニストの山田美保子さんの『芸能アラカルト』
美保子さんも募金活動のお手伝いで、すでに会場に到着していましたが、今夜、港区のサントリーホールで開催される「第8回 全音楽界による音楽会 3.11 チャリティコンサート」についてご紹介くださいました。入場は無料(入場時にお一人様1万円以上の寄付を。)<SAKIDORI OverTime>も引き続き、作家の重松清さんと一緒に。
『ブリーフィングルーム』では、重松さんが震災の被災地を巡ることになった経緯、最初の震災取材で感じた「写真」というものの意味、そして、早稲田大学・重松ゼミでのコロナ禍における若者のことなども語っていただきました。
日頃、授業での重松先生は、学生たちに「"歩け"と教えている。何でも検索して予測変換まで出てくる時代だからこそ、一期一会、自分で何かに出くわすことを大事にしてほしい。」
今日は、短い時間でしたが、私たちも重松先生に色々なことを教わったように感じました。
木曜日の『もっとフカボリ』永田町、霞が関、兜町に巣くう魔物たちの動きを解説する、山本カオリ記者の「ニュース百鬼夜行」
10年前は菅直人総理、今は菅義偉総理。同じ漢字の「菅」ということもあり、災害と感染症で質も状況も違えど、比較されるということで、今日取り上げたのは「菅と菅の危機管理」でした。▼コロナ禍で追悼式典は大幅な人数制限がされたため、国会に式典のパブリックビューイングが。
『サキドリスポーツ』担当は、高橋将市アナウンサー。埼玉西武ライオンズを追いかける「ライオンズエクスプレス」
今日と明日、プロ3年目の渡邉勇太朗選手のインタビューをお届け!
耳で旅する『SAKIDORI音探訪』
今週のテーマは「東北の祭りの音」です。
今日は、福島県「相馬野馬追」。原発事故の前に浪江町や双葉町、大熊町で生活していた参加者は避難生活を続けながら、毎年このお祭りに参加しているそう。
新型コロナウイルスの影響で去年は規模を縮小しての開催となりましたが、今年はできる限り通常の形で行いたいということです。
【今日の1曲目】 道なき道、反骨の。feat. Ken Yokoyama / 東京スカパラダイスオーケストラ【今日の2曲目】 パプリカ / 米津玄師
【今日の3曲目 重松清さん選曲】卒業写真 / 荒井由実
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震災『から』
こんにちは。 永野景子です。
東日本大震災の発生から10年の今日、
ゲストに作家の重松清さんをお迎えしました。
オーバータイムも含めておよそ3時間、ご出演いただきました。
とても優しいお声とお話の内容が、心に沁みていく感じでした。
中でも特に心に残ったことが2つあります。
「『東日本大震災から10年』とよく言われますが、10年というのは
大地震が起きてから、津波が押し寄せてから、
福島第1原発の事故が起きた日から10年なんです。
震災は、今もまだ続いているんです」。
ハッとしました。
そうですよね、被災者の方々にとっては、まだ今も続いているんですよね。
そしてもう1つは、
「我々、伝える立場の人間は、雪にならないといけない」というお話です。
雪が降った後、重松さんが被災地の取材に行かれた時のこと。
缶コーヒーが供えられていて、その場所まで足跡がついていた、
あぁ、震災から時が経ってもこうしてお供えをしにくる人がいるんだなと思った、
でも、雪による足跡がなければそのことに気づけなかったかもしれない、
自分たちはそうした雪のような役目を果たさないといけないのではないか
~という内容のお話でした。
何だかジワッときました。
今日お聴きいただけなかった方、是非ラジコのタイムフリーで聴いて下さい。
明日のサブキャスターは、
若手アナウンサーを代表する雪になってね、西川文野アナです!