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第880回:モーリシャス沖の重油流出事故
今週は、先週リモートだった斉藤キャスターがスタジオからお送りします!
気になるニュースを先取りする『ニュースオフサイド』は、モーリシャス沖で起こった日本の貨物船座礁による重油流出事故について。
商船三井が運行する「わかしお」がインド洋の島国・モーリシャス沖で座礁し、燃料が大量に漏れ出している問題で、モーリシャス政府は補償に関し、船の所有者や保険会社にも求めていくと表明しています。
今回は、環境問題と補償問題の2点について専門家からお話を伺いました。
まずは、共同通信社編集委員の井田徹治さんに自然環境に与える影響を聞きました。
今回、重油が洩れた海域は、この地域にしか生息しない生物がいるなどホットスポットと言われている重要な地域で、自然豊かで絶滅危惧種も数多く生息しているといいます。
モーリシャスで暮らす人々は、観光業、漁業で生活している方が非常に多いため、ようやくコロナが下火になってきてこれからという時期に今回の問題が起きたことでその影響は計り知れません。除去作業もとても難しく、化学物質をまいて回収する方法もありますが、豊かな生態系に影響が出るからとできないとされています。手作業で回収、清掃となると時間も手間も甚大で、気化したオイルを吸い込むことで健康被害も出ているため、マスクや防護服も必要になるそう。時間が経つにつれて、水質汚染だけでなく、大気汚染の問題にもなると話してくれました。
そして、賠償については田川総合法律事務所の竹谷光成弁護士が解説。
基本的に賠償責任は船の所有者が追うことになりますが、PI保険と呼ばれる保険に加入しているため今回もその対象になるそう。
今回、モーリシャスの観光業、漁業に甚大な影響が出ていますが、損害額の支払いについては責任制限法という法律により船の大きさによって支払いの上限が決められているそうです。
今を切り取る『きょうのナマチュウ』は、UAE(アラブ首長国連邦)とイスラエルの国交正常化について。
トランプ大統領が13日、UAEとイスラエルが国交を樹立することで合意したと発表しました。これにより、イスラエルは占領地ヨルダン川西岸の一部併合を凍結。イスラエルとUAEは数週間以内に投資や直行便、大使館開設などに完遂合意に署名します。
この国交樹立について、現代イスラム研究センターの理事長・宮田律さんにお話を伺うと、トランプ大統領の11月の大統領選に向けた外交上のポイント稼ぎだろうと今回のタイミングを解説。しかし、双方の国から見てみると、国交正常化することでイスラエルはUAEの持つ石油資源が、UAEはイスラエルの持つ安全保障関連のテクノロジーが欲しいという点でメリットがあるのではと語りました。
また、気になるイスラエルが占領地ヨルダン川西岸の一部併合を凍結する件については、「これまでも国際法をやぶってきたイスラエルだから停止はしないのでは」とのことでした。
続いて、エルサレム在住のフリーアナウンサー、新田朝子さんと繋ぎました。
新田さんがエルサレムに到着したのは3週間前で、最初の2週間はコロナのため隔離生活を送っていたため、外に出られるようになってまだ1週間だそうです。
地元メディアの報道では、保守系メディアではネタニヤフ首相の勝利と報道。リベラル系メディアはヨルダン川西岸の一部併合の停止に焦点を当てて報道し、アメリカを拠点にしたユダヤ人の団体は和平プロセスに大きな前進と報じるなど様々な意見があります。一方、パレスチナ人は正常化に反対し、トランプ大統領やネタニヤフ首相の写真を燃やすなど反対の態度を示しているそうです。
今週は、鈴木純子キャスターがお送りする『SAKIDORIニュースパレード』。
今日は珍しくスタジオからお届け! そして、気象予報士でもある鈴木キャスターがまだまだ暑さが続くお盆明けの熱中症対策について紹介しました。
マスクをつけていると体感は3℃上がると言われているので、今日のように40℃超えがある日は無理をしないことが大切です。まずは、ソーシャルディスタンスが取れる場合はマスクを外してもOK。熱中症リスクを回避しましょう。
また、夜、寝ている間に熱中症になる方も多いため、寝る前に1杯の水を飲んでから寝るといいそうです。
前衆議院議員の金子恵美さんが語りおろす『今日のオピニオン』。
テーマは「モーリシャスの貨物船座礁事故。環境大臣の対応は」。
ナマチュウでも取り上げたモーリシャス沖の貨物船座礁事故で、金子さんが気になったのが環境大臣・小泉進次郎氏の発言と行動です。
正直、遅すぎるとし、「もしも自分の子どもが他の家のものを汚したら、まずは現場に行ってどういう状況かを知った上で謝る。その後、具体的な対応をしていく」と身近な出来事で例えました。「事件を起こしたのは民間の企業だとしても環境省が先頭に立ってやるべき」と訴え、当事者意識の低さに驚いたと小泉大臣を批判。
今回の海洋汚染は重要な危機なのだから誠意をもって対応するというメッセージを具体的な対応の前に出してほしかったと、いつにも増して声を荒らげた金子さんでした。
今日の『SAKIDORIスポーツ』は、斉藤一美キャスターがここまでに入っているスポーツニュースを紹介。
そして、錦織圭選手の新型コロナウイルス感染を受けて、国際テニスライターの神仁司さんにお話を伺いました。
22日に出場予定だったウエスタン・アンド・サザン・オープンは欠場に。そして31日から始まる全米オープンについては「会場のニューヨーク州が移動で来る際、全員に14日間の隔離を勧告している。逆算して考えると厳しいのではないか」ということです。
1日でも早い回復が待たれます。
伝えきれなかったニュースを掘り下げる『ニュースパレードアネックス』。
去年8月、茨城県の常磐自動車道で起きたあおり運転、暴行事件。加害者の同乗者だとデマを流されたとして女性が損害賠償を求めた裁判で、きょうデマを拡散した元愛知県市議に33万円の支払いを命じる判決が言い渡されました。
元々は110万円の支払いを求めるものでしたが、実質は3分1の額の支払いに。これについて原告側の弁護士は女性の気持ちを代弁。かなりの期間がかかってる労力とこれまでの精神的負担を考えたら納得のいくものではなく、今後は被害者側の負担を減らす制度作りをしてほしいとコメントしました。
今日の『世の中SAKIDORI』は、吉田愛梨さんによる「SAKIDORI最前線!」。
取り上げたのは日本初のサービス、オンライン家庭教師「ゲムトレ」です。
代表は以前ニュースオフサイドにも出演して頂いた小幡和輝さん。プロゲーマーを育てるためではなく、ゲームを使って脳を鍛えたり、コミュニケーション能力を高める教育プログラムで、小学生を中心に利用者が多くいらっしゃいます。
全国大会や世界大会を経験しているプロゲーマーがゲームをトレーニングしてくれるだけでなく、ゲーム仲間のコミュニティーを作りたい方にはもってこいなサービスです。体験会もやっているそうなので、気になった方はぜひチェックしてみてください。
【今日の一曲】 Tokyo Joe / ブライアン・フェリー