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第820回:緊急事態宣言、全面解除へ
『ニュースオフサイド』は、「緊急事態宣言、きょう全面解除へ」。
政府はきょう、東京、神奈川、埼玉、千葉の1都3県と北海道で継続している緊急事態宣言について、今月末を待たずに全面解除を発表する予定です。
まずは、取材をしている石森則和記者が国会・総理官邸から最新情報です。午前9時半から行われた諮問会議で全都道府県の緊急事態宣言の解除が了承、その後安倍総理大臣が解除宣言をする流れとなっています。
しかし、緊急事態宣言は解除されますがまだ油断はなりません。今後は新型コロナウイルス感染症対策の基本的対処方針が変更され、3週間ごとに感染者数を確認しつつ徐々にイベント開催などが緩和されていく予定となっています。
そして、今回の解除を受けて、感染症の専門家で国際医療福祉大学教授の和田耕治さんにお話を伺いました。
現在、日本は世界に比べ感染数の抑え込みに成功した国としてその要因を各国から注目されているそうです。また、和田さんから見ると今は第2波が来ている状況であり、第3波が予測される6月中旬に備えで準備をしている最中だといいます。
和田さんによると新型コロナウイルスが暖かいシンガポールでも感染者がいた原因はエアコンだそうで、日本でもエアコンを使用することから夏場も起きるのではと言われています。今後は新しい生活様式を浸透させることで人との接触8割減といかなくてもよくなると思うとし、今後は自分を守り、相手を守る、思いやりを持って明るい雰囲気で対策をしていってほしいとお話してくれました。
『きょうのナマチュウ』は、2つのニュース。
まずは、「改めて考える。WHOってどんな組織?」。
新型コロナウイルスの世界的感染拡大で注目を集めることとなったWHOについて、どんな組織なのかを考えます。
はじめに鈴木敏夫デスクがWHOを説明。国連の中にある専門機関で、加盟国は194の国と地域。
健康や医療、新型コロナウイルスのような感染症問題を扱います。また2年ごとに予算が決められていてビルゲイツの財団も資金を提供しているそうです。
そして、WHOの本部があるスイス・ジュネーブ駐在の共同通信社ジュネーブ支局長の出口朋弘さんにお話を伺いました。
テドロス事務局長が中国国内で感染が広がっているとき、対応について「よくやっている」とコメントしていたことなどからWHOが中国寄りだと言われていますが、これはWHOの基本姿勢である「敵を作らない」が影響しているそうです。また、資金面についてもアメリカの方が中国の5倍近い金額を拠出しているため、運営面で中国に依存しているという点も違うと指摘しました。
もう一つは、緊急事態宣言の全面解除の見通しを受け、箱根で酒屋「上総屋」を営む川久保一浩さんに今の気持ちを伺いました。
川久保さんは「やっとかという気持ちと同時に今後これまでのような生活が戻ってくるのか不安」だそうで、補助金などの申請や銀行の融資も受け、これからの営業に備えているといいます。
政府に対して、今後は観光業についてお客様が安全に来られるようなインフラの整備を整えてほしいと訴えました。
石川真紀キャスターが報道スポーツセンターからお送りする『SAKIDORIニュースパレード』。
今日は、賭け麻雀で辞任した黒川元検事長の訓告処分について。法務省は懲戒と判断したにもかかわらず、官邸が訓告と結論付けたのではないか野党が追及というニュースを取り上げました。森大臣のしどろもどろした受け答えに、板挟みになっている感が否めない様子ですが、まじめに働いている官僚たちのためにも上の無責任のために命を落とすことはあってほしくないと話す石川キャスター。
金子さんも安倍政権が長期政権になっている裏には今回のような犠牲があったのではと語りました。
前衆議院議員・金子恵美さんが語りおろす『今日のオピニオン』。
テーマは「ネット暴力の根絶に向けて」。
テラスハウスに出演していた女子プロレスラーの木村花さんのニュースを受け、金子さん自身もネットの書き込みなどで傷つけられた経験があると語ってくれました。議員時代のみならず、現在でもテレビ出演後などに厳しいコメントがくることもあるんだそうです。
日本人の特性で徹底的に敵だと判断されると攻撃されてしまうそうで、金子さん以外にも多くの方がネットの誹謗中傷に苦しんでいます。日本では匿名性のある書き込みであっても発信元を特定することが可能のため、我慢するのではなく法的措置を取って厳罰化することで今後抑止欲になるのではないか、木村さんの死をきっかけに放置されていたネット暴力が撲滅に進んで欲しいと語りました。
『SAKIDORIスポーツ』は、坂口愛美アナウンサーが、スポーツトピックスをお伝えしました。
そして、6月19日に開幕となったプロ野球について、文化放送野球解説者の仁志敏久さんにアスリートの目線でお話を伺いました。
19日に決まったことを受けて、仁志さんに率直な感想を伺うと「選手たちがどれくらい仕上がっているかわからないが微妙」と厳しいご意見。現在、自主トレがメインのため、19日にやるのであれば早急にオープン戦を組まないとローテーションもわからないだろうとのことです。
そして、初の無観客試合については、「致し方ないが、選手は可哀そうだと思う」と選手の気持ちを代弁してくれました。
今日の『ニュースパレードアネックス』は、2つの内容を取り上げました。
まずは、細木美知代記者が緊急事態宣言解除がされる中で行われた日本経団連・中西会長の定例記者会見の模様を伝えてくれました。
(写真は本番前で原稿をチェック中の細木記者! 「写真いいですか?」と聞いたら笑顔をくれました)
緊急事態宣言解除がされますが、すぐに戻るとはいかないというのが中西会長のご意見で、今後もしばらくは不要不急の外出やイベントなどは気を付ける必要があります。
今後については「行政サービスの向上」と「在宅勤務などの働き方・評価の仕方」の2つのポイントを挙げ、コロナ前に戻ってはいけないと語り、さらには観光業はインバウンド頼みで大きくマイナスになりましたが大事なことは外国人の訪日への熱意を失わないようにすることだと話していました。
そして、吉田涙子記者は、緊急事態宣言が解除される東京都の様子をレポート。
東京都は休業要請について独自の工程表を作っていますが、ステップ3のうち、明日からステップ1ということで飲食店の営業が夜10時までになるなど、少しずつ休業が緩和されていきます。そして、状況によってはステップ2への移行など臨機応変に対応していくということです。
明日以降の東京の街は一体どのように変わっていくのでしょうか、注目です。
今日の『世の中SAKIDORI』は、山田美保子さんの「芸能アラカルト」。
取り上げたのは、恋愛リアリティー番組テラスハウス に出演していた女子プロレスラー木村花さん死去のニュース。
ワイドショーでは緊急事態宣言解除よりも注目を集めていたというこちらのニュース、死因は遺族の意向により明らかになっていませんが、ネットの中傷があったと言われています。今回の件を受けて、恋愛ドラマではなくリアリティーショーの危うさと落とし穴が浮き彫りになったという美保子さん、現実と作り物の部分が一緒になっていたのではといいます。
近年は韓国アイドル界で誹謗中傷による自殺が大きく報道されてきましたが、今回のニュースできゃりーぱみゅぱみゅさんや藤田ニコルさんなど芸能人の方も声をあげていて、今後はスルーするだけではなくきちんと声を挙げる動きが進みそうだとお話してくれました。
【今日の一曲】 ノンフィクション / 平井堅