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こんにちは、デスクの鈴木です。
瀬戸内寂聴さんのインタビューのため、4月8日、京都まで行って参りました。
嫁からも姉からも会社の同僚からも「うらやましい、なぜオヤジのアンタがインタビューするのさ」と言われての取材行脚。やって来ました京都・嵐山。
桜は満開!観光客は世界の国からコンニチワ状態で、まるで万国博覧会(古い)
空も快晴で、しかも、お釈迦様の誕生日である「花祭り」でした! 京都三昧のトリプルスリーです。様々な人生経験を経て、流行作家から仏門へ。波乱万丈の生涯を歩んできた寂聴さん、悩める有名人たちが最後にたどり着く場所というイメージもあります。私も中間管理職としての悩みを聞いてもらおうと考えていたのですが、
「それを聞かされてもまったく面白くない」と皆に叱られて変更。では何を伺おうかと思案しながら嵐山から山を登り、嵯峨野へ向かいました。到着しました「寂庵」!
正式には曼陀羅山 寂庵と言い、1974年に寂聴さんが開いたお寺です。
ちなみにインタビュー録音を聴いた構成作家・山田さんによると私の第一声がいつもより1オクターブくらい高かったそうで、心なしか身構えていたのですね。
何せ相手が寂聴さんですから、きちんとしたことを尋ね、きちんとしたお言葉を頂かないとダメなのではと考えていたのかも。「宜しくお願いします」
おなじみのハイトーンボイスとともに寂聴さんが登場。
私も起立してお出迎えです。初対面なのになぜか昔の恩師に再会したような気分。
真摯な気持ちでインタビューに臨みます。「今日の嵐山は桜が満開ですね。この季節は寂聴さんにとっていかがですか」
「人が多くて疲れますね(笑)」いきなり返ってきた返事がこれです、しかも茶目っ気たっぷりに。
「だから私は人の少ない真夏と真冬が好きなのよ」とも。この答えを「気楽に世間話でもしましょうよというメッセージなのでは?」と勝手に受けとめた私の肩の力も抜けました。
鈴木
寂聴さんはケータイ小説やインスタグラムにも挑戦し、若者たちとの対話も続けるなど常に新しいことに正面から向かっていらっしゃる印象があります。寂聴
浮気っぽいんですよ。エッヘッヘッヘ。何か新しいことをいつもしたいんです。
それがしやすくなりました。この時代はね。鈴木
新しいツールがたくさんあって、私の年齢でもついていけないことがあるんですが、寂聴さんは微塵も感じさせないですね。寂聴
微塵も感じていないわけじゃないけれども、やっぱり超えていかなきゃならないと思うんです。鈴木
先日行われた若者たちとの対話でも未来を感じたとおっしゃっていましたね。寂聴
私が考えられないようなことを今の若い人たちが考えていますし経験もしてますから。年寄りが「今の若者はなんだ」と悪口を言うのは馬鹿ですよね。自分の若い時のことを忘れているんです。
鈴木
その若者がこれから令和という時代に臨んでいくわけですが?寂聴
どういう時代だったかは、その時代を過ぎてみないと言えないですよね。ただ若者が世の中を動かしていくのですから彼らのやり方で時代を活き活きさせてほしいと思います。
新しい時代は国境がなくなる。だから、日本の国だけがよければいいという時代はなくなって、世界中が良くならないと本当の平和はないです。日本は今まで外国人を(数多くは)入れていないでしょ。そのままで行けばいいと思っているかもしれないけれど、そういう時代はもう過ぎるでしょうね。外国人がどんどん入ってくる時代になると思います。
寂聴さんの考えは終始柔軟で前向きでした。その寂聴さんが14日(日)にチャレンジするのが、法話として自身初の試みとなるライブビューイング。
毎月第3日曜日に寂庵で行われる法話の会は幅広い世代の方に人気ですが、お話を聞く機会を持つ事も難しいので
4月14日日曜日、京都で行われる寂聴さんの特別講演会を全国の33の映画館でライブ・ビューイングにて同時中継するという試みです。鈴木
寂聴さんにとっても初の試み、どう感じているのでしょうか?寂聴
私がしゃべることが日本中の映画館で聴けるなんて、
そういう時代に自分が生きていることが非常に不思議な気がしますね。
100年近くも生きるとこういうことがあるんだなと思います。
私は新しいことをするのがちっとも怖くないんですよ。最後にこう言いながら寂聴さんは、また茶目っ気たっぷりに笑ったのでした。
仏教では、笑顔を見せることもお布施のひとつで、和顔施と言うそうです。
中間管理職の悩みは、寂聴さんの和顔施で少し解消した気がします。
私もこれからはいつも笑顔で人に接することにします。
何、やめてくれ?逆に不気味だって? ふむふむ。( ˘ω˘ )