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今年の期待雛
東京・浅草橋の老舗人形メーカー「久月」本社で、
今年活躍が期待される人物をモチーフにしたひな人形
「今年の期待雛」が公開されました。2013年から毎年発表されている期待雛、
今年も二組のお雛様が披露されました。
一組目のタイトルは「幸せに満ちた国を」。
今年5月に新たに天皇皇后となられる
現在の皇太子さまと皇太子妃さまです。
特に目を引いたのが皇太子さまの衣装です。
平成元年に天皇陛下が即位の礼で着用された
黄櫨染御袍(こうろぜんのごほう)。
これは天皇にならなければ着られない
しかも特別な時に着る衣装。
おそらく5月の本番でも着られるとみられます。
ひな人形業界は、このほど協会として
宮内庁に現・皇太子ご夫妻の人形を作る許可をもらったとのこと。
もともと、ひな人形の衣装は、
近年では皇室の衣装をモデルに制作されることが多く
天皇陛下の衣装や、皇太子が着る衣装をまとった人形は
すでに販売されています。
そうしたこともあってか
今年は少子化にも拘わらず、例年に比べてひな人形の売れ行きは
好調とのことでした。
二組目は「未来に翔け(はばたけ)16歳」
浅田真央さん以来13年ぶりに
シニアデビュー1年目にしてグランプリファイナルを制覇した
フィギュアスケートの紀平梨花さんと
史上最年少のプロデビュー後、前人未到の29連勝で注目された藤井聡太さん。
それにしてもよく似ています。
3Dプリンターで再現したのかと思いきや、すべて熟練の職人の手作り。
3Dで作ると、なんだか怖い顔になってしまうのだそうです。
口角のつくりなど細かなところに気を配り、似せているとのことでした。
雛人形は平安時代、
人形に自分の厄を映して海や川へ流した「流しびな」がルーツ。
幸せな将来を生きられるようにとの、家族の願いが込められていました。
それは今も昔も変わらぬ願いですが、
年によって発売される雛人形に傾向はあるようです。
近年では、住居環境に合わせてか、7段飾りなどの大きなものよりも
3段など、コンパクトなものがよく売れるとのこと。
ただし、久月によれば、実際には3段も7段も置かれる場所の「幅」にはあまり違いがなく(高さの違いはあるけど)どちらを買っても、スペースの使われかたは変わらないとのことでした。
また、衣装の種類や色合い、顔つきの好みなどは多様化がかなりすすんでおり
作る側も大変とのこと。
これらの期待雛、久月本社で1月25金曜日まで一般向けに展示されるほか
横浜そごうで1月30日~2月5日に展示される予定です。石森則和