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未来志向?
きょうは徴用工の問題を取り上げた。年間、何度か韓国に行く私から見て、あからさまに反日感情をぶつけられたことはないが、一枚めくってみると、複雑な事情が見えてくる。たとえば慰安婦問題。
慰安婦像・・・いつの間にか韓国全土に120体もある。日本大使館前だけにテントが張られていて、若い男女が24時間泊まり込んでいる。彼らは「反安倍、反日団体」と「慰安婦を通じて平和を考える団体」にそれぞれ所属。高校を辞め、大学にも行かず定職にも就かず、親の理解を得た人間だけが交代で泊まり込んでいるのだ。
どちらも日本人に対しては特別な感情はない。前者は日本政府嫌い。後者は「戦争が起きれば慰安婦問題はどこでも生じる問題なので」と語る。120体もあるからといって急速に反日が広がっているわけではない。
ただ、ソウルの主だった大学では、慰安婦問題を考えるサークルが存在し、授業も韓国の立場で「日本は間違っている」教育が施されている。そんな中、徴用工問題や慰安婦問題の出口はあるのか、と考えさせられる。
サッカーではゴールポストがあり、ラグビーにもゴールラインがあるが、ゴールやトライを決めても、その位置が韓国側の都合で動かされてしまう現状は、普通に韓国人の友人と仲良く付き合わせていただいている私としては不可思議でしかない。
徴用工や慰安婦問題で譲歩すれば、中国でも火がつきかねない。日本政府としては、「解決済」を繰り返すしかない立場だが、それだけでは永遠に「未来志向」にはなれないのが難しいところだ。 番組責任者 清水克彦