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名物のタテカンが消える...
学生数(院生含む)およそ16万人、実に人口の10人に1人が学生という学都・京都。その代表格、京都大学の名物が、正門付近や百万遍の裏門近くの構外にズラリと並ぶタテカン。
これがきょうから強制撤去されることに。景観や道路の安全性を重んじる京都市が条例違反だとして大学に改善を求めてきたため。
しかし、実際は、昔の思想系のタテカンとは違い、サークル系のものが大半。むしろ学生の街にはなじむ光景で通行にも支障はない。学生や教職員から「名物を消すな」と反発の声が上がるのもうなづける。
もともと京大は「自由の学風」が売り。私自身、「なんじゃこりゃ?」とびっくりしたのだけど、卒業式なんてコスプレ大会だからねー。
大学が市の要請で決断したのは、構外のタテカンは撤去、立てるなら構内に総長の許可を得たものだけ、という内容。
私などは、あまりに自由すぎてろくに勉強もせず、3年で終わらせるはずの大学院を4年目に入っているんだけど、今回の措置は「自由」の名が泣くぜ。
タテカン強制撤去は、ひとつの大学の問題ではなく、大げさに言えば、「学の独立」や「表現の自由」にも関わってくる問題。
どちらの言い分が正しいかと言われれば、そりゃあ条例を錦の御旗に掲げる京都市の言い分が正しいに決まっている。ただ、世の中が杓子定規で、何をするにも行政の言いなりというのでは、あまりに生きにくい。(こんなこと書いてる間に研究のひとつもしないと5年生になっちまうか...)
チーフプロデューサー 清水克彦