今日のゲストは、先月のロンドン世界パラ陸上の走り幅跳びで銀メダルを獲得した高田千明さんと、高田さんのガイド役「コーラー」でコーチの大森盛一さんにお越し頂きました。
高田千明さんは、1984年生まれ。
18歳で視力を失い、その後、本格的に陸上競技をスタート。
ほけんの窓口グループに所属し、去年のリオデジャネイロ・
パラリンピックでは、日本新記録で8位入賞。先月のロンドン世界パラ陸上では、日本新記録の4m49で銀メダルを獲得しました。ご主人の裕士さんは400mハードルと4×400mリレーの選手で聴覚障害者のオリンピック「デフリンピック」の日本代表です。
大森盛一さんは、1972年生まれ。
現役時代は400mの選手として活躍しました。
1992年のバルセロナオリンピック、1996年のアトランタオリンピックに出場し、アトランタでは、4×400mリレーで5位入賞。この4×400mリレーのアジア記録保持者です。
引退後はコーチとなり、少年時代のサニブラウン・ハキーム選手も指導しました。
現在、飛ぶたびに自己記録を更新しているという高田さんに、まずは視力のない中でどのようにまっすぐ走って飛ぶのか解説して頂きました。
通常の細い踏切版を見てピンポイントで飛ぶことは出来ないので、砂場の手前、1m幅の部分から飛んで、踏み切った足形から砂場までの距離を計測。
声と手ばたきでガイド役の「コーラー」が砂場の位置を選手に伝え、その声の方向に向かって走り、飛ぶのだそうです。「コーラー」から「止まれ」などのかけ声がない場合は、自分の中で決めてある歩数で踏み切るということで、時折、歩数を間違えてしまうこともあるのだとか。
コーチの大森さん「見えないところに走って行って、砂場があるとはいえ、飛んで落ちるというのは、慣れていても怖いと思う。恐怖をなくすというのではなく、いかにして慣れさせるかというのを意識して指導した。」
そして、先月のロンドン世界パラ陸上という大舞台で、日本記録を更新し銀メダルを獲得した時のお話も伺いました。
高田さん「リオの時は、観客の応援や歓声で大森さんのコーラーの声がまったく聞こえなくてパニックになった。ロンドン世界パラ陸上でも同じような状況になったらどうしようと思っていたけれど、本番始まったところで観客の方たちがちゃんと選手の邪魔をしないようにシラーッと静かになった。大森さんの声が響いていて、感動しました!」
来週も、高田さんと大森さんにお話して頂きます。お楽しみに!