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斉藤一美です。
台風19号による被害が日本各地で
瞬く間に広がってしまいました。
被災された皆様へ
心よりお見舞い申し上げます。
この番組を通して私も
出来ることをやっていく所存です。
過日、香港を取材してきました。
帰国から2週間が経ちますが
自分がいかに
平和な世界に生きているのか
思い知らされたこの経験を
生涯忘れることはないと
確信しています。この辺りはデモ隊の後方付近です。
前に行くほど
警察と対峙するため危険なので
ヘルメットにゴーグル&マスクをつけて
最前線に進むと、やはり
催涙弾を浴びてしまいました。
それでも若者は
咳き込みながらひるむことなく
警察が働いたとされる
不可解な取り締まりを糾弾し
民主化を叫び続けるのです。話を訊くと皆、異口同音に
「怖い」と明かします。
にもかかわらず行動を起こすのは
未来を憂えているからです。
彼らは間違いなく
命を懸けていました。大埔墟(タイポーマーケット)。
ここの地下道には
香港の民主化を渇望するメッセージが
壁中に張られていて
レノンウォールと呼ばれています。その他、香港の至る所が
メッセージ性の強いビラで
埋め尽くされているのです。
中国とのボーダーラインに近い
新界地区の上水(シャオスイ)でも。一人一票を投じる
行政長官選挙を実現させてくれ!
···という香港人の主張が
無視され続ける世の中は
やはり普通ではありません。民主的な選挙の実現だけではなく
その先にある
「香港基本法(=憲法)の改正」を
強く訴えるこちらの男性が
現役の立法会(=国会)議員である
鄭松泰(チェン・チュンタイ)氏です。
北京大学への在籍経験から
今の中国がいかに
様変わりしてしまったか、ということを
無念そうに語る姿が心に残りました。
彼の肉声を番組で
お聴き頂く機会があれば幸いです。10/1・国慶節の夜に
私が日本へ戻ってからは
目に見えて香港の施政方針が
厳しさを増しています。
一国二制度の行く末は
この先、中国と台湾との関係にも
影響を及ぼすだけに
これからも香港情勢から
目を離してはいけない、と
強く感じました。
キャスター 斉藤一美