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PART1 くにまる東京歴史探訪
ONAIR REPORT
11月6日(月)〜11月10日(金)
今週のテーマは、「学生街の 味の名物店」
青春時代の思い出が詰まっている学生街のお馴染みの名物店をご紹介します。

11月6日(月)放送分 + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + +
今日は、「神保町」をご紹介します。

日本大学をはじめ、多くの大学や専門学校がある神保町界隈。たくさんの飲食店がありますが、学生の好物といえば、カレーライス。いえ、ライスカレー。この界隈は、30店以上のカレー店がある、全国有数のカレー激戦区なんです。その中でも、学生たちに圧倒的な人気があるのが、お馴染み「まんてん」です。400円の並カレーから、メニューには載っていない、その名も恐ろしい「カレー大盛り全部のせ」950円まで、いろいろなタイプがあります。念のために申し上げておきますと、大盛りカレーに、カツ・コロッケ・ウインナ・そしてシュウマイがのっているんですね。50円増しの大盛り、100円増しのジャンボもありますが、ジャンボともなりますと、ご飯もルーも並みの倍ほどの量になるんです。コロッケやカツは、注文を受けてから揚げてくれて、手際よく切ってくれます。作りおきのカツなど使わないんです。うれしいのはカツカレーです。カレーの上にカツを置いて、さらにその上にカレーをかけてくれる…まさに無上の喜びであります。当然、「まんてん」ファンは多いんです。昼どきともなれば、行列が出来ます。そんなことは皆さん、よ〜くご存知。学生もOBも、サラリーマンものんびりと待っています。女性のお客様も案外多いんです。さて、「まんてん」という店の名前の由来ですが、学生の街・神田らしく、テストに満点が取れるようにということから付けられたそうです。マスターの江澤昭夫(えざわ・あきお)さんにお話を伺いました。

今年で開店25周年を迎えましたが、変わらぬ人気があります。営業時間は午前11時から夜8時まで、お客さんが絶えることはありません。場所は、神保町の交差点を白山通りの右側を北、水道橋方向に向かった中ほど、「ライスカレー まんてん」の看板が目印。横丁に入ってすぐのところです。昼時ならば、行列が目印になることでしょう。



11月7日(火)放送分 + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + +
今日は、「早稲田」をご紹介します。

早稲田大学のキャンパスから都電早稲田駅に向かう通り、大隈通りに、「ランチハウス・ときわ」があります。このお店の名前は、校歌の歌詞からつけられているんですね。ご主人の濱岡治彦(はまおか・はるひこ)さんは、1936年生まれ、21歳の時、昭和32年に「ときわ」を開店しました。開店当時は、「軽食 ときわ」。しばらくしてから、洒落た感覚の呼び名としてランチハウスと名づけたんだそうです。学生や先生方、近所の方々にも愛されて、来年、創業50周年を迎えます。現在は夜5時には閉店になりますが、以前は、夜間部があったため、夜10時半まで開いていたそうです。最近の学生は、夜まで大学の近くで遊ぶことが少なくなったことも、営業時間が短くなった一因のようです。

さて、どんなメニューがあるのかと申しますと、数あるメニューの中で注文の多いのは6種類ほど、常に一番人気が高いのが「ときわランチ」。魚のフライ・コロッケ・卵のフライ・ロースハム・生野菜。それに、ライスとスープが付いています。ボリュームたっぷりで、730円。かなりの量なんですが、さすがに現役の学生は大盛りの注文が多いそうです。メニューのほとんどが700円台で、ご主人が二つのフライパンを魔法のように鮮やかに使って、たちまち作り上げます。U字型のカウンター席は29。昼休みをピークに、その前後は学生が多く、授業が始まると、近所の方々やサラリーマンの姿が増えます。毎月のように顔を見せる卒業生が多いのも、学生街の店ならではの光景なのでしょう。ご主人に、最近の早稲田の学生さんについて伺ってみました。

来年、創立125周年を迎える早稲田大学。半世紀にわたって学生に愛されてきた濱岡さんの店は、いつも賑わっているんです。



11月8日(水)放送分 + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + +
今日は、「池袋」をご紹介します。

池袋西口から立教大学に向かって歩くと、賑やかなネオンの商店街が途切れて、落ち着いた学生街の雰囲気に変わります。立教大学通り商店街です。その一角にあるのが、レストラン「セントポールの隣り」。名前の通り、立教大学のキャンパスの隣にあるんです。オーナーの宮坂さんは、立教大学OBで、水泳部で活躍しました。あの大沢親分こと野球評論家の大沢啓二さんと同期で、昭和31年卒業なんですね。後輩たちに、安くてウマいものを腹いっぱい食べさせようと考えて、母校の近くに店を開いたそうです。開店は、1978年(昭和53年)。

オーナーの想いは今も続いていまして、どのメニューもボリュームの多さは有名なんだそうです。ボート部・剣道部・野球部など運動部や、英語研究会や各文化部のメンバーが常連になっています。お店のサービス側にも立教の学生が多いんですね。現在のアルバイトは、剣道部の学生が多いそうですよ。

今回取り上げた5つの店の中でも学生の利用が多い店なんですが、なかでも縁が深いのはテニスサークル。毎年、立教大学のテニスサークルのオープントーナメントが開かれる11月には、夜の営業は休んで、テニスサークルの運営本部として使ってもらうんだそうです。
コーヒー(350円)や、ケーキセット(580円)もありますが、日替わりランチも学生の利用が多いんですね。そうそう、この店が開発して人気になっているメニューがあるんですよ。それは「白いカツ丼」! 開発した店長の榎本武(えのもと・たけし)さんにお話を伺いました。 以前は、あの長嶋茂雄さんが学生時代に足繁く通ったトンカツ屋さんなど、多くの店があったんですが、最近になってずいぶん減ってしまいました。でも、このレストランのように、相変わらず学生たちに親しまれている店は、まだまだ頑張っているんです。すっかり池袋の暮れの行事として定着した立教大学のイルミネーションですが、今年は12月4日から1月6日まで行われることが決まりました。学生街・池袋の魅力を味わえる季節は、もうすぐです。



11月9日(木)放送分 + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + +
今日は、「神楽坂」をご紹介します。

神楽坂は、法政大学や東京理科大などが近く、学生に愛されている店が多いんですが、その代表として「神楽坂飯店」をご紹介しましょう。JR飯田橋駅のすぐ近く、外堀通りに面して神楽坂飯店があります。道行く人が必ず目をとめるのが、この店のウインドー。ごらんになった方もいらっしゃるでしょう、巨大な餃子が置かれているんです。開店はおよそ40年前の1967年。500円のマーボ丼をはじめ、いろいろな一品料理はありますし、50席ほどある2階のイス席などは、学生のコンパによく利用されているんです。ごく普通の中華料理店に思えるんですが、麺が二玉入っているジャンボラーメン、630円などなどお腹をすかせた学生が大喜びしそうなメニューがズラリと揃っているんです。

さらに驚くことに、この店にはチャレンジメニューというものがあるんです。餃子100個、あるいは、さきほどのジャンボラーメンを3杯、つまり、麺六玉を60分以内に食べたら無料、さらに中国酒が1本もらえるというシステム。もし食べられない時は、餃子ならば9600円、ラーメンならば1890円を支払う、となっております。一口に餃子100個と申しますが、具の重さが1.5キロ、皮も入れると、何と2.5キロもあるそうで、とても無理だと思いますよね。ところが、なかには軽々とクリアする方もいらっしゃるようで、栄光の勝利者の氏名が壁にズラリと並んでいるんです。果たして、どんな方々だったんでしょう。お店のスタッフ・首藤(しゅどう)さんに伺いました。

そっと伺ったところでは、男性の成功率は10%。そして、女性の成功率は…90%!だそうです。失敗した方の再チャレンジは受けていますが、クリアした方の再チャレンジはご遠慮願っているそうです、念のため。大食いの話題で取り上げられることが多いのですが、この店が長く人気店として続いていたのは、おいしい一品料理を、安く提供してきたからなんですね。

法政大学の学生20名ほどで活動しているサークルに、アクティブ・コミュニケーション・イイダバシ、略称A.C.I というものがあります。これは学生が、地域住民、ビジネスマンと協力して、飯田橋界隈の活性化に一役買いたい、として6年ほど前から活動しているんですね。飲食店が減っている学生街が多い中、ユニークな活動として注目されています。今日取り上げました神楽坂飯店も、このACIのメンバーの代表から教えていただきました。



11月10日(金)放送分 + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + +
今日は、「御茶ノ水」をご紹介します。

日本一の学生街、神田。JR御茶ノ水駅から明治大学前の通りを下り右に曲がったビルの地下に、ロシア料理の名店「サラファン」があります。開店は1965年(昭和40年)。ロシア人女性・エカチェリーナさんが、「本物のロシア料理を安く食べてもらいたい」という考えから始めたそうです。その後、現在のオーナー戸田さんが引き継ぎました。
40年間、変わらぬ味を保っています。ロシア料理といえば、ボルシチやピロシキを思い浮かべますが、このお店では本場のロシア料理の味が味わえるんです。開店したころは、近くの明治大学や、中央大学をはじめ、神田界隈の大学から、教授や学生が食事に訪れていました。当時学生だった方が、卒業し、教員となり、現在では名誉教授になっていて、サラファンを訪れる…40年間のご常連も多いそうです。そういえば、1970年代までは、都内のあちらこちらにロシア料理の店がありましたよね。では、なぜ御茶ノ水にロシア料理が多かったんでしょうか?オーナーに伺いました。

落ち着いた造りの店内、19席だけの小さな店なんですが、料理の魅力とサービスの良さで定評があるんです。ランチは1000円から、そして、ディナーは3500円からです。初めてのお客さんが驚くのは、ボルシチの味だといいます。ボルシチといえば、こってり味というのが常識ですが、サラファンは、さっぱりした味付けになっていて、やみつきになります。ピロシキも、パンも、実に美味しいんですね。このお店のメニューにある、ハンバーグにも、ビーフストロガノフにも年季の入ったファンがいるんです。10年ぶり、20年ぶり、30年ぶりに来店されるお客様も多く、それぞれがお仲間と昔話に花を咲かせることも多いと伺いました。

最近の大学生は、コンビニで買った弁当を教室で食べて済ませたり、大学の中の食堂やカフェテリアが整備されてきたこともあって、学生街の食べ物屋さんも寂しそうです。しかし、気軽に利用できる食堂や、いかにも学生街ならではの雰囲気がある店は健在です。久しぶりに、学生街の名物店を訪ねてみてはいかがでしょうか?



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