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PART1 くにまる東京歴史探訪
ONAIR REPORT
9月20日(火)〜9月22日(木)今週のテーマは「都心のレトロな建築物」
長い歴史と味わいのある、都心の建築物をご紹介します。


9月19日(月)放送分 + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + +
コーナーはお休みしました。

9月20日(火)放送分 + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + +
今日は、中央区京橋にある「明治屋京橋ビル」をご紹介します。

高級食料品で知られる明治屋の創業は1885年(明治18年)。外国航路の船に食料品や水を提供する仕事から始まり、やがて質の高い食料品を国内販売するようになりました。ちなみに、明治屋の「治」の英文表示はJIではなく、DIになっています。海外生活が長かった創業者が考えたそうです。
銀座2丁目に東京支店が出来たのは1892年(明治25年)のこと。現在の建物は本社ビルとして、1933年(昭和8年)に完成しました。地上8階、地下2階、鉄骨鉄筋コンクリート造り、実に堂々とした建物です。完成当時、この建物は当時の地下鉄、現在の東京メトロ銀座線の京橋駅と地上を結ぶ連絡階段に敷地を提供した初めての例で、その名残りが今も残っています。

太平洋戦争末期の1945年(昭和20年)5月、京橋地区は空襲で大きな被害を受けました。明治屋ビルも被害を受けました。1階の店内は、ゆったりとした空間が広がっていて、壁や床には大理石が贅沢に使われています。戦前の建物に共通することですが、ここの床石も化石の宝庫。完成当時の状態が保たれていて、アンモナイトをはじめ大小の化石が見られます。面白いのは、カラフルな石がモザイクのように使われている床の模様が、そのまま本店の包装紙の柄になっているんです。

明治屋といえば、ここのクッキングスクールで料理を学ばれた方も多いのではないでしょうか?1965年(昭和40年)の開設以来40年、卒業生の総数はなんと2万人以上…とのことです。 1階の歩道近くには、小さなガラスが埋め込まれています。これは、地下部分の「あかりとり」で、都内でもこのタイプの明り取りがあるビルは少なくなりました。メンテナンスも行き届き、よき時代の名残りを伝えています。



9月21日(水)放送分 + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + +
今日は、中央区日本橋にある「日本橋高島屋」をご紹介します。

老舗百貨店高島屋は1831年(天保2年)、京都で創業しました。東京には1900年(明治33年)に進出し、関東大震災で全焼した店舗の跡に新築したのが、現在の建物です。完成は1933年(昭和8年)で、地上8階、地下2階。鉄筋コンクリート造りですが、その装飾は豪華で、すみずみまで丁寧な仕上がりになっていて、現在でも十分に楽しめます。外観で目立つのは、正面3階部分にあるバルコニーです。大きな紅白の旗も飾られていて、いかにも「夢のある生活」を演出しています。

昭和ひとケタ時代は、個性的な建物が続々と作られた時代でした。1階正面に近いエレベーターは、完成当時の面影を残していて、すべてオペレーターが付いて運転されています。
壁面を飾っているのは大理石で、京橋の明治屋京橋ビルと同じく、たくさんの化石が見られます。1階から地下に通じる階段部分に、さりげなく「アンモナイト」と表示されています。是非探してみてください。

数回にわたって行われたリニューアル工事は昨年4月に完了し、地震対策の工事も万全です。
日本橋界隈は、高層ビルへの建て替えが進行中ですが、味わいのある建物も残されています。東京の目抜き通り・中央通りの反対側から、昭和初期の名建築をじっくり眺めてみては、いかがでしょう。



9月22日(木)放送分 + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + +
今日は、中央区日本橋本石町(ほんごくちょう)にある「日本銀行本館」をご紹介します。

日本銀行が開業したのは、1882年(明治15年)、日本橋ではなく、永代橋のたもとの小さな借り店舗だったそうです。本店が移転することになり、現在の場所に決まりました。江戸時代に金貨の製造所、金座が置かれていたために、金融機関が集まっていたこと、そして交通の便が良かったためといわれています。
本館を設計したのは、東京駅でも知られる辰野金吾(たつの・きんご)。1890年(明治23年)に着工、1896年(明治29年)2月に完成しました。きわめて重厚、雄大な外観は、一見、石造りに見えますが、構造はレンガ造りです。その外側に、1階は花崗岩(かこうがん)、2階と3階は白丁場(しろちょうば)という安山岩(あんざんがん)を積んでいます。建物の重さを減らすために、表面だけに石を使っているのです。この建物は、1974年(昭和49年)には、重要文化財に指定されています。日本銀行本館は実は、内部の見学も可能です。人数や年齢制限はありますが、3ヶ月前から1週間前までに予約すれば、説明付きで見学することが出来ます。

1969年(昭和44年)まで使われていた営業場(えいぎょうじょう)では、拍子木の音が営業の始まりと終わりを告げていました。朝9時に3回、夕方3時に4回、毎日鳴らされていました。この拍子木も含め、貴重な資料を2階の展示スペースで見られます。
2階には、赤じゅうたんが敷かれた長い廊下があります。通称、松の廊下と呼ばれている廊下で、両側の壁には、歴代の日銀総裁の肖像画が掲げられていて、荘厳な雰囲気が漂っています。日本銀行本館の屋根には8角形のドームがありますが、あの真下が、地下金庫になっているのです。100年以上にわたって使われていた地下金庫は、当然ながら、実に頑丈に作られていて、見学も出来ます。完成当時の金庫扉もそのまま残っています。扉の厚さは100ミリ、はるか後、1932年(昭和7年)に拡張されたときに作られた金庫扉の厚さは、なんと900ミリ。重さは25トンもあります。辰野金吾の最高傑作といわれる日本銀行本館、是非外観も内部もゆっくりご覧ください。



9月23日(金)放送分 + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + +
コーナーはお休みしました。

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