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8月29日(月)〜9月2日(金)今週のテーマは「東京のミュージアム」 都内の博物館や資料館をご紹介します。
8月29日(月)放送分 + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + +
初日の今日は、「江東区・深川江戸資料館」をご紹介します。
江戸を舞台にした時代小説が根強い人気です。
とりわけ人気の高いのが深川。池波正太郎や山本一力などの作品の舞台になっています。こまやかな人情が感じられる深川は、江戸の香りが残る街、ガイドブックを手に街歩きをする姿がよく見られます。
本当の江戸の下町を体感できる場所として、地元・江東区が作ったのが、江東区深川江戸資料館です。
1986年(昭和61年)に完成。来年、20周年を迎えます。年間の入館者は、およそ11万人。九州や北海道など、遠くからの見学者も多いそうです。この資料館のみどころは、徹底して本物に近いものを作っている点です。
建物3階分の吹き抜け空間の中に、江戸時代末の深川の街が再現されています。商店や船宿、そして、白壁の土蔵や生活観あふれる長屋の様子まで、リアルに作られています。映画製作のスタッフが丹念に作り上げただけに、すみずみまで神経が行き届き、実に見事な出来ばえです。八百屋の店先には季節に合った野菜が並べられ、長屋の内部も、当時の資料をもとに正確に作られています。なんと、住人ひとりひとりの名前や職業も考えられていて、衣類や道具にいたるまで再現されています。
感心するのが、音の照明の演出。
下町・深川の一日の様子を25分にまとめ、館内に流しています。季節にあった内容で、現在は夏バージョンです。ニワトリが夜明けを告げ、物売りの声がして一日が始まります。セミの鳴き声、そして夕立。雨がやむと、見事な夕焼け。やがて月が出て、江戸の一日が終わります。水運の便が良かった深川らしく、掘割があって猪牙舟(ちょきぶね)が浮かんでいます。この舟も正確に再現されているんです。
最寄り駅は地下鉄の清澄白河駅。近くには清澄庭園、少し歩くと富岡八幡や深川不動がある深川の中心、活気のある街、門前仲町。江戸情緒を満喫するには絶好の施設です。なお、第2月曜日と第4月曜日は休館です。
8月30(火)放送分 + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + +
今日は、「文京区・野球体育博物館」をご紹介します。
プロ野球の巨人戦や、スーパースターのライブでお馴染みの東京ドーム。でも、ここに野球専門の博物館があることは案外知られていないようです。
財団法人・野球体育博物館。入り口は、21番ゲートの右側にあります。1959年(昭和34年)に、当時の後楽園球場の隣に作られました。1988年(昭和63年)、東京ドームの完成とともに、現在の場所に移転しました。移転前に比べ、広さは倍の大きさになりました。
日本に野球が伝わったのは、1872年(明治5年)のこと。また、6年後の1878年(明治11年)には、早くも、わが国最初の本格的な野球チームが結成されました。歴史を感じさせる昔の野球の用具や、古い写真も飾られています。
野球体育博物館の展示は、プロ野球、アマチュア野球、野球の歴史、そして野球殿堂の4つのゾーンに分かれています。ぜひご覧いただきたいのが「野球殿堂」。野球の発展に貢献した人々をたたえる目的で1959年(昭和34年)に作られました。
2005年までに殿堂したのは154名。今年は、マサカリ投法で知られた村田兆治(むらた・ちょうじ)、巨人V9の功労者で西武の監督も努めた森祇晶(もり・まさあき)、臨場感のある実況放送で知られた志村正順(しむら・まさより)の3名が加わりました。プロ野球ファンなら誰でも知っている、伝説的な名選手や監督の肖像レリーフが並んでいます。
子供たちに人気のあるのは、バッターボックス体験コーナー。
プロのピッチャーと映像で対戦できるんです。まさに、気分はプロ選手。野球殿堂の顔ぶれは知らない・・・という方には、現在の12球団のユニフォームや主力選手のサイン入りの用具も展示されています。
子供たちが将来なりたい職業の第1位にプロ野球選手が返り咲きました。野球は楽しい、プロ野球選手になりたい。そんな気持ちにさせてくれるのが、ここ野球体育博物館なんです。現在、いちばん人気のあるのは、入り口近くに展示されている日の丸。昨年のアテネオリンピック、野球競技の日本チームのベンチに飾られていた、あの日の丸です。 野球体育博物館は月曜日が休館。最寄り駅はJR中央線の水道橋、地下鉄の後楽園駅と、都営地下鉄の水道橋駅そして春日駅です。
8月31日(水)放送分 + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + +
本日は、「千代田区神田須田町・交通博物館」をご紹介します。
蒸気機関車に限らず、大人も子供も乗り物が好きです。
日本だけでなく、世界中に「乗り物ファン」は多いものです。海外からも高く評価されているのが、この交通博物館です。
1821年(大正10年)に東京駅の近くに作られた鉄道博物館が前身で、現在の場所に移ったのは、1936年(昭和11年)。来年は開館85周年を迎えます。
この博物館には、日本に最初に登場した機関車と、最後に走った機関車が展示されています。最初の機関車は、1872年(明治5年)、新橋、現在の汐留と、横浜、現在の桜木町の間を走ったイギリス製の機関車、1号機関車。そして1975年(昭和50年)、最後に旅客列車を引いた、C57形機関車です。
機関車だけでなく、電気機関車や客車の本物と模型、信号までフロアいっぱいに展示されています。また、本物と同じ運転台で新幹線や山手線の運転を体験できるシミュレーションには、順番待ちの列が絶えません。
博物館中で、一番の人気は・・・模型の鉄道パノラマ。
運転上のサイズは、幅約20メートル、奥行き約6メートル。通勤電車や寝台列車、新幹線まで、実物のおよそ80分の1の模型がズラリと並んでいます。1日に3回〜6回、係員の説明と共に実物そのままの模型が運転されます。
見物席から歓声があがります。子供たちばかりでなく、お父さん、おかあさんも見入っているようです。みんなのお目当て、新幹線が動き出すときは、毎回、盛り上がりもピークを迎えます。
さて、交通縛物館というだけあって、展示は鉄道だけではありません。
2階には船と自動車、3階には飛行機関係の資料がされています。年間の入館者はおよそ35万人。残念ながら、交通博物館は、2006年の春に閉館することになりました。そして、2007年秋には、さいたま市に移転、「鉄道博物館」として生まれ変わります。
懐かしさと長い歴史の交通博物館、ぜひ、訪ねてみてください。
最寄り駅は、JR秋葉原駅、地下鉄淡路町と小川町駅です。
9月1日(木)放送分 + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + +
コーナーはお休みしました。
9月2日(金)放送分 + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + +
最終日の今日は、「信州・上山田温泉鈴ケ森刑場跡」をご紹介します。
1896年(明治29年)に建てられた日銀本館。
その向かい側に日本銀行分館の中に、貨幣博物館があります。正式の呼び名は、日本銀行金融研究所 貨幣博物館といいます。よく知られているように、日本銀行本館が建っている場所は、江戸時代には小判や一分金など、金貨を作る金座が置かれていました。
日本有数の貨幣コレクションが公開されたのは、1985年(昭和60年)。ここに展示されているのは、「複製」と表示されているごく少数を除いて、すべて本物。約4,000点が展示されていますが、コイン・コレクターならずとも、一度は見ておきたいものばかりです。
火曜日と水曜日には、係員による説明付きのツアーがあります。古代の貨幣、江戸時代の各種通貨、そして明治以降の貨幣や紙幣など、順路に沿って説明を受けられます。よそでは見られない充実した展示品が、よく理解できます。 ところで、時代劇でお馴染の小判は、江戸時代を通じて10種類発行されました。ズラリと並んだ小判を見比べてみると、初期のものは金の含有量が多く、次第に品質が落ちて、幕末近くになると粗悪なものになってしまったことがわかります。鎖国をしていた日本が開国したのが、1859年(安政6年)。その結果、物価が大幅に上がってしまったのですが、通貨の質の変化からも理解できます。
他にも、なかなか実物は見られない天正大判や、明治初期の貨幣など貴重なものがたくさんあります。
豊臣秀吉がつくった天正大判は、長さが17センチ、重さは165グラムあります。なお、日本銀行の開業は1882年(明治15年)。最初の日本銀行券は3年後の1885年に発行されました。展示をゆっくり見ていくと、日本の貨幣の移り変わりが、よく分かります。東京の中心に、こんなに充実した博物館があるのです。
ぜひ一度、ご覧ください。入場は無料、月曜日および祝日は休館です。
なお、20人以上の団体の場合は、事前にご連絡をお願いします。
最寄り駅は地下鉄銀座線と半蔵門線の三越前駅、JRの東京駅です。
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