November 22, 2010 11:50 AM
スタッフ日記~102、103~
どうも、番組スタッフの剣持です。
第102・103回のゲストは、
退職後の団塊世代の孤独を描いた小説『弧舟』が話題の作家の渡辺淳一さん!
【プロフィール】
1933年 北海道のお生まれ
札幌医科大学をご卒業され、
札幌医科大学の整形外科講師として勤務しながら小説を書き始め、
1970年 『光と影』で第63回直木賞を受賞。
小説に『失楽園』『愛の流刑地』、エッセイに『鈍感力』『欲望の作法』など、
数々のベストセラーをお書きになっています。
最近では、9月に発売された『孤舟』が団塊世代を中心に大きな反響を呼んでいます。
Q.渡辺淳一さんは、もともとは医者のお仕事をされていたわけですが、
なぜ小説を書こうと思われたのですか?
札幌医科大学で、胸外科の和田教授が心臓移植手術を実施して、
これが日本で最初の心臓移植だったんだけど、僕は当時学内に居て、
いろいろと調べた結果、〝脳死の判定が早すぎる〟と思ったんですよね。
そして、その言葉が週刊誌に載ってね…、
『学内の画期的な手術を批判するとは何事だ!?』と、
大学に居づらくなってしまった。それが医者を辞めたキッカケですね。
まぁ、その前から同人雑誌や何かでは書いていて、
芥川賞・直木賞の候補にはなっていたんですけど、その時に
〝もういっそ医者を辞めて、小説一本でやってみようかな〟と思ったんですよ。
Q.医師をされていたことは、作品を書く上でどのように反映されているのでしょう?
これは医学部にいた頃からずっと思っていたんだけど、医学というものは、
単純に〝医学は医学〟というだけではなくて、
ものすごく文学的な刺激を感じることが出来るんですよ。
というのも、人間の人体というのは、解剖学によって全て細かく
(どこに血管があって動脈があって…など)分からない所が無いくらい
見事に解明されているわけじゃないですか?
それなのに、人によって個体差がある…
脳1つ取っても、すごく頭の良い人と悪い人がいたり、
非常にユニークで面白い人と全然面白くない人がいたり…
薬にしても、凄く効く人とあまり効かない人がいたり…
どうしてこんなにも個体差が出るんだろう??解剖すると皆同じなのに…??
これは凄く不思議で、解剖を見ているだけで文学をする以上に
刺激を受けましたねぇ。
ある時、僕が担当した遺体…五十歳くらいの男性だったんだけど、
胃袋を開けたら葡萄の袋が出てきた…。
〝どうしてこの人の中に葡萄が入ったのか?〟と、考え出したら止まらず、
その人の生前の姿を想像し…それで『葡萄』という短編小説を書いたんです。
…というお話でした。『絶対に〝体験〟がベースに無いと小説は書けない!!
今の作家は、実体験が弱すぎる。というかね、頭で書きすぎだね。
だからリアリティーが薄いんだ』とのことでした。
その他、『大人の恋愛』についても伺いました!
そしてリクエスト曲は、渡辺さん原作のドラマ『愛の流刑地』の主題歌。そして…
担当編集者にカラオケで歌わせ、
それをバックにチークを踊られるという1曲。ということでコチラ…
渡辺淳一さんのリクエスト曲♪哀歌(エレジー)/平井堅
♪赤いハンカチ/石原裕次郎
投稿者 newsclub : 11:50 AM