インターネットで今すぐ聴くradiko.jp
2020.02.19

VRを使って旅行体験?超高齢社会でも利用されるVR旅行『浜松町Innovation Culture Cafe』


記事リンク

【こちらもおすすめ】
宇宙ビジネスはなぜここまで注目されているのか?


VRとは!?

VRとは、バーチャル・リアリティーの略称で、日本語では「仮想現実」と訳されます。

現在はVRゴーグルなどで視界を360度覆い、限りなく実体験に近い体験を得ることができます。また近年、VRの特徴を活用して「VR旅行」というサービスもリリースされています。


VR旅行のサービス事例

ANA VIRTUAL TRIP

「ANA VIRTUAL TRIP」は、旅行中に360度のVR画像を共有しながらビデオ通話も同時に実現したサービスとなります。

360度のVR画像と共にビデオ通話も実装しているので、一緒に旅行に行けなかった方とも擬似的に一緒に旅行体験が可能です。


First Airlines

東京の池袋にできたVRエンターテイメント施設で、地上にいながら航空・世界旅行を体験できる世界初のバーチャル航空施設になります。


実際に旅行先として選べる選択肢は9つ。


・ニュージーランド

・日本一周

・アメリカ(カリフォルニア)

・アメリカ(ハワイ)

・アメリカ(NY)

・フランス

・イタリア

・フィンランド

・タイムスリップ(現代から過去へタイムスリップ)


実際に選択された旅先に対して、旅先に沿ったご飯を楽しめるのも本サービスの特徴の1つです。



高齢者にもVRが浸透!VRを使った生きがいの創出

VRは最先端の技術ですが、実は高齢者の方にも浸透しつつあります。


東京大学先端科学技術研究センターで学術支援、専門職員として勤務している登嶋健太さんはVRの技術を活用して、なかなか旅行に行けない高齢者に対してVR旅行を提供しています。

すでに紹介した2つのサービスは、プロのVR映像制作者が制作したものを楽しむ一方、登嶋さんが取り組んでいるVR旅行の映像は、高齢者が撮影した映像になります。


文化放送のラジオ番組『浜松町Innovation Culture Cafe』2020年1月14日放送では、登嶋健太さんとyahooメディアプロデューサーの宮内俊樹さんをお招きして、VR旅行について熱いトークが交わされました。


入山 高齢者向けのバーチャルエンターテイメントをやってきて、発見や気付きはありますか?

登嶋 見る楽しみと撮る楽しみがあるのはもちろん、自分が聞いたことがない話を聞けることですね。ちなみに、今は東京オリンピックを題材に1964年と2020年で、360度の映像を作っています。たとえば、渋谷。シニアの方々の間では「変わっている所ではあるけど、意外と変わらないところもあるよね」って、こういうところで近郊に住んでた人たちの中でコミュニケーションが生まれるんですよ。高齢者って暇な時間が多いところをどうやって埋めるかを考えた時に、社会の中に入れるっていうのがいいのではないかと思ったんですよね。

入山 なるほど。人手不足の問題を打破するのに、時間のある高齢者に参加してもらうことで、コンテンツに深みが出てくるってことなんですね。

登嶋 若い人が作るものとは違ったものが生まれてくるんですよね。シニアにとって、社会に入ることが元気につながってくるのかもしれません。

宮内 時間が出来てくる中で、どう人生の楽しみを見出すかって、あまり暗く考えるよりも楽しく考えるべきですしね。こういう楽しみが人生の先にあるって思うといいですよね。行ったことがないところにも仮想ですけど、行けるのはいいですね。

登嶋 ほかにもVRには可能性はあると思っていて、よく子どもが「ここ行ってきたよ」って写真を見せることありますよね。それもいずれは360度の動画になってくると思うんです。なかなか旅行に行くのが難しくなっても、VRで楽しめますよね。

入山 確かに。たとえば、お孫さんが「おじいちゃん、ここ行ってきたよ」って今までは写真だったのに、それがVRってなると楽しいですね!

登嶋 今、研究室ではVRが高齢者の心や身体にどういった影響を与えるのかを検証しています。私としてラジオとVRは近いと感じているんですよ。テレビと違って、自分が動いて上や下を見るので、自分ごとになりやすいと思うんです。ラジオもパーソナリティが自分に話しかけてくれてるみたいなところもありますしね。今は自分が過去に頑張ったものが、のちに生きてきて、癒しとかに結び付けられる仕組みができたらいいなって思ってます。

入山 VR旅行が出来ることで、その人の自立性があがったり、認知症予防になったり、昔を思い出して意識があがったりがあるかもしれないってことですね。

田ケ原 VR旅行先として、人気なところってどこなんですか?

登嶋 80代後半の人には国内海外問わずありますね。熱海とかパリ、ハワイとかですかね。

入山 自分たちが60代に経験したことを今、思い出したいって人が多いんですね。

登嶋 特に過去に行ったところが気になる人が多いですね。なので、"場所"というところから「登嶋くん、どこ行ってきたの?」って人に対象が移っていくんです。

入山 自分は行ってないけど、登嶋さんが行ったところに私も行ってみたいってなってくるんですね。

登嶋 場所から人に変わって、それを表現できるものが360度カメラだったんです。風景も見れるし、撮ってる人の顔とかも見れるのがいいんですよね。

入山 キーワードが「共感」ですよね。自分が共感している人のところに行って共感したいっていう考え方なんですね。

登嶋 そうですね。なので、苦労して撮影しに行ったところも僕の顔しか見てないってこともあります。

砂山 まさに孫が行った場所の映像を見ても、場所より孫の顔を見てそうですね。ちなみに、今抱えている課題ってあるんですか?

登嶋 ビジネス的な面ですね。

VRを介護現場に取り入れてほしいってなっても、難しいんですよね。最終的には、ビジネスがまわるようにしたい。でも、現場が好きなので、自分はそこに戻りたいですね。そのために、今は仕事をしています。

宮内 究極のコンテンツとして「パーソナルコンテンツ」が出来そうですよね。個人個人で一番思いが強いものになりますもんね。

砂山 エンターテイメントって多くの人にって思っていたけど、個々にってことなんですね。

入山 これってテクノロジーがあるからですね。


みらいブンカvillage 浜松町Innovation Culture Cafe

放送日:火曜 19:00~21:00

出演者:入山章栄、砂山圭大郎アナウンサー、田ケ原恵美

メール:innovation@joqr.net

過去回:Podcast


毎週火曜日、午後7時から生放送でお送りしている『みらいブンカvillage浜松町Innovation Culture Cafe』。パーソナリティは早稲田大学ビジネススクール教授の入山章栄さん、砂山圭大郎アナウンサー。アシスタントはVoicy広報の田ケ原恵美さんが担当します。

「みらいブンカvillage浜松町Innovation Culture Cafe」はさまざまなジャンルのクリエーターや専門家・起業家たちが社会問題や未来予想図などをテーマに話す番組です。自身の経験や考え、意見をぶつけて、問題解決や未来へのヒントを探ります。

毎週火曜、午後7時から絶賛生放送中!!

twitter ツイート facebook シェア LINEで送る