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2020.06.08

こどもたちの未来のために私たちができること『浜松町Innovation Culture Cafe』


様々な問題に苦しまされているこどもたちは、どのように対処すべきなのかがわからず、殻に篭りがちとなってしまう事が多いです。大人である我々がこどもたちに寄り添い、正しい道を示していくことが重要だと感じます。現在では、コロナウィルスによる影響で在宅時間が多くなったことにより家族間の問題から逃げることができなくなってしまっているケースなどもあるようです。私たちはこどもたちに対して何が出来るのか、改めて考え行動する必要があるのでは無いかと思います。


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児童養護施設の現状

児童養護施設には、虐待や経済的問題の理由により両親と暮らすことができないこどもたちが多く暮らしています。原則として18歳の自立まで所属することができます。日本では「里親制度」というものがあるにも関わらず、里親と出会えるこどもたちは非常に少ないとのことです。国がサポートしていますが、児童養護施設内にもこどもたちにとっての悩みは存在します。


日用品や施設の改修などによる資金不足問題や閉鎖された空間ではイジメや体罰といったものが発生しやすく逃げ込んだ先でも、悩みを抱えてしまうこどもたちは居るようです。


普及しない里親制度

現在、親と共に暮らすことのできない状況にあるこどもたちは約4万5千人居ると言われているようですが、そのうち里親に出会えているこどもは、約6千人程度のようです。


外国では、里親に出会えているこどもたちの数は40%以上のケースもありますが、日本では悲しいことに、この程度であると言わざるを得ない状況です。様々な要因はあるかと思いますが、裕福で無いと里親になることは難しいといったイメージや、やはりこどもも人間ですので、その対人関係が大変といったイメージ、そして何よりも大きいのは「里親制度についてよく知らない」ということだと考えられます。これらのことは社会にも大きく関わることであるために、他人事であると切り捨てて欲しくは無いと思います。


何が起きているのか現状を把握し、何が出来るのかを模索し、分かち合っていくことで、こどもたちの未来のために、そして私たちの未来のために、より良い社会が待っているのでは無いかと思えます。




文化放送のラジオ番組『浜松町Innovation Culture Cafe』2020年5月23日の放送では「今こどもたちに必要なことは」というテーマでお送りし、女優のサヘル・ローズさんとヒューマン・ライツ・ウォッチ日本代表の土井香苗さんをお招きして、「児童養護施設の実状」の話から「わたしたちが出来ること」について議論しました。


里親が少ない理由について

サヘル 今、日本では家庭の貧困や性的虐待などさまざまな理由で施設に入っている子どもたちが国内で数多くいる中で、里親に出会える子はほんとうにごくわずかしかいないんです。


入山  里親に出会えるのが低い理由はなんですか。


サヘル まず、里親というものが難しいと思っている人が多いことと、里親になるための条件の厳しさにあると思います。収入など条件も多く、厳しい審査に通らない人や途中で諦めてしまう人も多くいます。ほかには、まだ施設のことについて知らない人が多くいます。まずは一人でも多くの人に施設のことを知ってもらうために、あらゆることを発信する活動をしています。


こどもたちに起こっていることとは

土井 ヒューマン・ライツ・ウォッチの活動としては、戦争においての人々の保護や女性、子ども、障害者、LGBTなどマイノリティの差別や人権侵害などの問題解決について取り組んでいます。子供たちについて言うと、世界から見ると日本は里親や養子縁組が少なく、子供の家庭を持つ権利が軽視されていると捉えられています。


入山 なるほど。こどもたちに関しては今どういった悩みが届いていますか。


土井 コロナの影響で学校が閉まっており、公立と私立や地域によって、授業を受けられる環境が異なり、教育格差が生まれているという悩みです。また、学校給食も止まってしまい、貧困家庭の子どもたちには栄養を取ることが難しくなるなど、さまざまな問題が出ています。現在増えている虐待や育児放棄なども、学校が無いことで気付かれにくいという問題もあります。


私たち個人でもできることは

サヘル 今は、施設を卒園した子どもたちと連絡を取るようにしています。一人暮らしやシェアハウスで生活していたりなどさまざまですが、共通して言えることが明日を生きるためのお金がなく、頼れる大人もいないという状況だということです。あなたはひとりじゃないよ、と互いに確認しあうことが大切だと思います。


入山 今、自分たちができることは、近隣の人に目を配るということですね。


土井 サヘルさんと同じ意見です。コロナは性別や国も関係なく広がっています。つまり、自分が安全であるためには他人も安全でないといけないということがわかってきました。人を思いやる社会になることが大切だと思います。また、家にいることが多いと思うので、里親になるにはどうするかをネットで調べてもらえたら嬉しいです。


浜松町Innovation Culture Cafe

放送日:土曜 18:00~18:57

出演者:入山章栄

メール:innovation@joqr.net

過去回:Podcast


毎週土曜日、午後6時から放送している『浜松町Innovation Culture Cafe』。パーソナリティは早稲田大学ビジネススクール教授の入山章栄さんが担当します。

当番組はさまざまなジャンルのクリエーターや専門家・起業家たちが社会問題や未来予想図などをテーマに話す番組です。自身の経験や考え、意見をぶつけて、問題解決や未来へのヒントを探ります。

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