自然界の音でリラックスできるというのは聞いたことがあるかと思います。こういった音が心を落ち着かせるというのは、人間の耳には聞こえない超音波(1/fのゆらぎ)が含まれているためです。
その中でも波の音というのは、母親の胎内音に似ており、安心感からリラックス効果を得られ、効果が高いと言われています。
【こちらもおすすめ】
日本の食文化は奥が深い
1/fゆらぎとは具体的に何か
これは科学的に説明できる理由です。1/fゆらぎとは、「パワー(スペクトル密度)が周波数fに反比例するゆらぎのこと。ただしfは0より大きい有限な範囲のものとする」とされています。
規則性と不規則性が程よくミックスされた音が良いとされており、例えば葉っぱ同士がこすれる音や、ロウソクの炎が微かに揺らめくような音です。これは音だけに限る話ではなく、視覚から得られる情報でも発生します。心地良いと感じるものには、この揺らぎが関係しており、人の癒しとなっています。
疲れた時に波の音を聞く
思考停止に至ってしまった場合、疲れが溜まっていると感じた時には、波の音を聞いてみてください。少しの間で劇的に変わるわけでは無いですが、作業効率などが改善されたりするかもしれません。寝る前に癒しの音を聞くことで質の良い睡眠を取れ、ストレス緩和に繋がります。また、波の音は躁状態やパニック状態にも良いとされており不安な時などにはぴったりの癒しの音です。実際に波の音だけが入ったC Dが発売されていたり、音にこだわりを持つ方も多く存在しています。生活の中で絶えない音は、マイナスな効果だけではなく、プラスに作用することもあり、音から得られるインスピレーション等もあります。
実際に癒し効果のある音を聞いてみる
波の音ではありませんが、ノルウェーでは焚き火が燃えている映像と音を流すだけの放送で高視聴率を獲得しており、日本でも様々な癒し効果がある映像や音を放送しています。文化放送では焚き火の燃えている音をラジオで放送したことがありますので、この際に試しに聞いてみるというのは如何でしょうか。普段とは違う視点から何か得られるかもしれません。
これまでの中で音声サービスについても取り上げご紹介させて頂きましたが、音というのは我々の生活と密接に関係があり切っても切れないものです。音が我々の生活をより豊かなものへと導いてくれる可能性を秘めているかもしれません。
ただの音だと思うかも知れませんが、こういったものから発展していくのは、興味深いものですね。そんな音の表現について2020年4月11日に放送されたラジオ番組『浜松町Innovation Culture Cafe』では、声のアーティストの山崎阿弥さんと連続起業家の菊池紳さんをお招きして、「声のアーティストとは」という話から「音の表現の可能性」について議論しました。
声のアーティストとは
声をつかって音を表現することです。歌うこともありますが、メインは声帯と身体を使って、あらゆる声を出し、自分をとりまいている世界を表現することです。美術の面ではインスタレーションという空間を使った作品を製作し、空間の響き方を変えるというものを紙を使って表現しました。
漢字を音で表現!?
山崎さんは、「漢字」と「音(声)」をテーマにした表現にも挑戦したことがあるそうです。最初は漢字を息と声の間ぐらいの音で筆を使って書いているように表現しました。そこから試行錯誤し、線を書くドローイングと声を録音したものを展示して表現することになりました。その展示では、すべての線が二本線で出来ており、一本目は歌いながら線を引き、二本目は声を出さずに引き、声と身体を写し取るという表現をしました。最後に、定規を使って自分の身体性を排除し「無音」を表現した線を引きました。また、その出来上がった線を楽譜に見立ててひとつひとつ歌い、その歌声を録音したものも会場で流すということをしました。
音の表現の可能性について
声によって、空間認識ができるような気がしています。真っ暗闇でも認識ができるようになるのかもしれないし、さらには音を使って心地よい空間設定もできるようになるのではないかと考えています。物件を探す時も間取りなどではなく、音の響き方や作用の仕方で選ぶような時がくるかもしれません。
浜松町Innovation Culture Cafe
放送日:土曜 18:00~18:57
出演者:入山章栄
過去回:Podcast
毎週土曜日、午後6時から放送している『浜松町Innovation Culture Cafe』。パーソナリティは早稲田大学ビジネススクール教授の入山章栄さんが担当します。
当番組はさまざまなジャンルのクリエーターや専門家・起業家たちが社会問題や未来予想図などをテーマに話す番組です。自身の経験や考え、意見をぶつけて、問題解決や未来へのヒントを探ります。