新規事業立ち上げに向けてのステップ、フレームワーク『浜松町Innovation Culture Cafe』
フレームワーク、何度も聞いたことがあり、用いられていると思いますが、ここで一度フレームワークについて振り返り、再度検討してみたら見えていなかったものが見えてくるかもしれません。
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フレームワークとは
経営戦略や業務改善、問題解決などに役立つ分析ツールや思考の枠組みを指します。
ビジネスに必要とされるロジカルシンキングや発想法を、体系的に纏めたものです。
具体例で言いますと、SWOT分析と言うものがあります。
明確な強みや弱み、機会、脅威を具体的に提示する方法です。
内的要因として強みと弱みがあり、外的要因として機会と脅威があり、これらを挙げることで事業環境変化に対応した経営資源の最適活用を図ることができます。
このようなフレームワークは幾つも存在しており、適したフレームワークを用いることで、より明確に目標を定めることや、最善策を導いていくことが可能になります。
新規事業立ち上げにおいてのフレームワーク
上述したSWOT分析の他にも様々なフレームワークがあります。
VRIO分析は、「価値」「希少性」「模倣困難性」「組織」の観点から、新規事業のサービス・製品や自社の経営資源の強さを図るフレームワークです。
経済的価値があり、希少な経営資源やサービスであり、他社からは真似され辛く、組織として実行可能であれば、自社の収益源になる可能性がある新規事業と言えます。
ペルソナ分析は、新規の製品・サービスを提供する顧客のキャラクターを想定するフレームワークです。
仮の顧客像を想定し、顧客が必要または欲しがるサービス・製品を考えていき、ニーズに合致する魅力的なサービス・製品を導き出すのに用いられますが、緻密な調査・検証が必要とされます。
3C分析は、「顧客」「競合他社」「自社」の観点から新規事業の立ち上げを検討するフレームワークです。
ニーズや市場規模、競合他社と自社の強みと弱み、多面的な視点から事業性の高いビジネスプランを策定するのに用いられます。
ポジショニングマップは、新規事業へ参入する際のポジションを決定するためのフレームワークです。
縦軸と横軸に価格や製品・サービスの特徴などを定めた図表に、競合他社を置き、自社のポジショニングを置くことで他社との差別化を図った上で新規事業へ参入できるようになります。
これらを活用していくことで、新規事業を立ち上げるのに必要なプロセスを見つめ直すことができるかも知れません。
改めて確認することで、より良いビジネスに繋がるきっかけが見つかるかも知れません。
2020年2月18日に放送されたラジオ番組『浜松町Innovation Culture Cafe』では、DMM.com会長の亀山敬司さんと、プレジデントオンライン編集長の星野貴彦さんにお越しいただき、「新規事業を成功させるポイントとは」をテーマに熱いトークをしていただきました。
亀山さんは19歳でアクセサリーの販売を始め、その後プールバー、雀荘、喫茶店、レンタルビデオ店などさまざまな事業を展開。38歳の時に、のちのDMM.comとなるデジタルメディアマートを設立されました。現在はDMM.comグループの会長として、動画配信、オンラインゲーム、英会話、FX、ソーラーパネル、3Dプリンタなど、業界の垣根を越え、数多くの事業を展開しています。
入山 日本の大企業や中小企業が新規事業をやりたいけど、出来ないから困っているという声をよく聞きます。一方で、これだけの新規事業をやっているDMM.comは他と何が違うんですか。
亀山 とにかく、いろいろやってみることじゃないかな。成功しているのが今、残っているけど、その10倍は失敗してるからね。毎年、年間で1000ぐらいアイデアが出て、100ぐらいは調べてみて、そこから10個ぐらいにお金を入れて、成功するのは1個くらいだよ。それが10年くらい残ってくれるっていう流れだね。最近はサイクルが早いのもあって、数年で立ちあがったビジネスは数年でダメになってしまう。その繰り返しだね。
星野 その時の判断のポイントが、上場している会社とは違って、素直にこれは続けた方がいいと判断すれば続けていくという点ですよね。
入山 ということは、赤字があっても、粘ろうと思ったら続けていくということですね。
亀山 教育的なものとかものづくりとかは、時間がかかるからね。ゲームとかであれば半年ぐらいで辞めちゃう。人がどう育つかは数年経たないとわからないから、そこは時間かかるね。結果もふわっとしたものしか出ないというところは上場した会社は許してくれないからね。
入山 儲ける仕組みというよりは、新しいことをやって儲け続ける仕組みを作っていくってことなんですね。
亀山 そうそう。新しい仕組みを作っていけば、今のがダメになった時にまた次の仕組みってなっていくし、それが波に乗っていけば伸びていくしね。多くはダメになっていってから考えるから間に合わなくなってしまうんだよ。
入山 星野さんが若い人を抜擢するのがすごいという話がありましたけど、どういう風にして人を見ているんですか。
亀山 なんか良さげなやつだね。人を見る目ってそんなにないし、1時間面接したからってわからないよ。でも、仕事をやってもらえばできるかどうかわかるし、できる人にはポジションをあげて事業を任せればいい。失敗したら、出直して来いって、うまくやった人の下につけたりとかしてるよ。
星野 このやりかたをやってることで、DMM.comに華々しいキャリアの方も何人もきていて、一流コンサルとかの人がきて、残ってる人もいなくなった人もいます。でも、色々な人がくることで経営層の人たちって色んなキャリアの人がいて、学歴などだけでは人は測れないなって思いました。
亀山 だから、エリートもヤンキーもいるのよ。
入山 そうなんですか!昔はエリートではない人がいて、その中にエリートっぽいコンサルの人をいれていくっていうのがあると思うんですけど、DMM.comの場合はそれが混在しているってことですよね。
亀山 そうだね。東大のやつと高卒のやつが隣で仕事してたり、アフリカ人と中国人が一緒に仕事して時々、ケンカしたりとかね。そういった中で仕事に向き合っているんだと思うよ。
入山 起業家とか経営者の人って、一つの事業とかビジョンを突きつめる人と亀山さんみたいに色々な事業をして、トライアンドエラーを繰り返す人がいると思うんです。亀山さんから見たら、前者の考え方はどう思われますか。
亀山 自分のやりたいことがあるんだろうから、いいんじゃないかな。でも、僕は色んな事業をする起業家のプラットホームみたいになれたらいいかなって思ってる。
入山 亀山さんて、人を育てたいという思いが強いんですかね。
亀山 育てるというより、場所だけ与えて見守る感じ。公園で子どもをみてるジジイみたいな感じだよ。
みらいブンカvillage 浜松町Innovation Culture Cafe
放送日:火曜 19:00~21:00
出演者:入山章栄、砂山圭大郎アナウンサー、田ケ原恵美
過去回:Podcast
毎週火曜日、午後7時から生放送でお送りしている『みらいブンカvillage浜松町Innovation Culture Cafe』。パーソナリティは早稲田大学ビジネススクール教授の入山章栄さん、砂山圭大郎アナウンサー。アシスタントはVoicy広報の田ケ原恵美さんが担当します。
「みらいブンカvillage浜松町Innovation Culture Cafe」はさまざまなジャンルのクリエーターや専門家・起業家たちが社会問題や未来予想図などをテーマに話す番組です。自身の経験や考え、意見をぶつけて、問題解決や未来へのヒントを探ります。
毎週火曜、午後7時から絶賛生放送中!!