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2020.02.29

モビリティサービス普及に向けての戦略『浜松町Innovation Culture Cafe』


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モビリティサービス とは?

近頃、よく耳にするモビリティーサービス とは、何かご存知でしょうか?


簡潔に述べると、自動車を活用する手段を円滑にするためのサービスのことを指しています。


これまでの自動車の価値は、個人が所有する財産としてみることが強かったのですが、昨今では移動や輸送をするための手段としての価値が強まってきています。


「車をもっと活用しやすいようにしたサービス」というものが、モビリティサービスです。


具体的な内容としては、インターネットによるカーシェアリングや、Uberのようなライドシェアといったものがあります。


「MaaS(Mobility as a Service)」の実現に向けて

車を含めて移動手段は「所有」から「利用」と、在り方が変容してきているため、業界にとって大きな転換期が来ていると言えます。


「MaaS」とは、鉄道・航空機・フェリーなどと言った公共機関のみならず、タクシーやUberといったライドシェアバスなどの乗り物も全て纏めて、ユーザーニーズに応じて検索・予約・決済まで統合する仕組みを指します。


各交通機関が連携し、どの機関を選択しても目的地までの料金が統一されており、所要時間・予約状況など、移動に関する情報が統合されていれば、利用者は移動がしやすくなります。


この実現には若者から高齢者まで、誰もが導入でき、使いやすく理解しやすいシステムが必要なため、簡単にはいかないのが実状です。


そのような中、最大手「トヨタ」では様々なモビリティサービスに向けて、各企業との連携を図るためのMSPF(モビリティサービス・プラットフォーム)を構築し推進しています。

モビリティサービスの普及を見据え、どのようにアプローチを行っていくか、というのも鍵になるかもしれません。


https://global.toyota/jp/detail/14096246



文化放送のラジオ番組『浜松町Innovation Culture Cafe』2020年1月28日放送では、モビリティサービスの可能性について、社内ベンチャー「みんなでうごこう!」統括責任者の高橋さんと、様々な分野のAI関連事業を展開されているエクサウィザーズ社長の石山さんをお迎えして、熱いトークが交わされました!


高橋さんは大学卒業後、コンサルティング会社ローランド・ベルガーに入社。自動車、商社、鉄道など幅広い分野において事業戦略やブランド戦略の立案から営業、マーケティングまで豊富な経験をされているほか、社内ベンチャー「みんなでうごこう!」統括責任者も担当されています。


※ローランド・ベルガーはドイツを拠点とするヨーロッパ最大のコンサルティングファーム。日本にも進出。


入山 モビリティサービスとは?

高橋 モビリティサービスって車業界の人だけが慌てているのではって思っているんです。というのも、JRや東急、阪急も昔からやっているんですよ。モビリティサービスって乗り物を運転することではなくて、どうやって人を動かすか、移動の需要をあげるかというところだと思うんです。いわゆる街づくりですね。ただ、自動になるとかデジタルとかで色々な可能性が出てきますよねっていうところなんですよ。

入山 面白いですね。モビリティが多様になってくるということですね。移動する目的も多様化してきているんですね。

石山 たとえば車でセンスのいい音楽をかけて、目的地に連れて行くデートプランが出来たりとかね。モビリティのサービスがハードなスペックとしてあるんですけど、人によって上側のソフトを個別に工夫していた世界だったのが、これからはデータが取れたりとかして工夫の仕方が発見され、実現するテクノロジーが増えていくと思います。つまり、新しいサービスはセンスの良さを競うことなのかなって思います。

入山 おもしろいですね。ちなみに今はお二人でどういったことをされているのですか

石山 色々なAIをやっているのですが、今までできなかったことをやっています。あまり話せないですけどね。一つにロボットが動くAIですね。液体や部品を混ぜるというのがAIでは今まで出来なかったんです。これまで製造業にあまり詳しくなかったんですが、ローランド・ベルガーさんがそういったところもめちゃめちゃ詳しいということで、一から色々と教えてもらいながら一緒に開発しています。

入山 これまで色々な話をしてきましたけど、色々な機能があるからこそ制限を与えるとモビリティが広まって、地方のコミュニケーションの場になるのではないかとか、AIとか色々な会社がはいることでモビリティサービスをやっているのではないかといった話を伺ってきました。

田ケ原 電動キックボードなど新しいモビリティサービスについてどう思っているのか気になります。どう感じていますか。

高橋 個人的にはすごい可能性があるものだと思っています。でも、日本には法律の壁があって、免許が取りづらかったりするんですよ。電動キックボードも法律の問題があって、そこがクリアになると変わっていくと思います。今ある技術をうまく使うことが求められてくるんじゃないですかね。

入山 なるほどね。モビリティサービスが入ってくることで、日本の社会や私たちの生活がこれからどうなっていくと思いますか。

高橋 こうなっていくと言う考え方よりは、こうしたいっていう考え方の方が良いと思うんですよね。地方ってモビリティサービスが充実するとまた活性化するものだと思います。みんな東京に住まなくてもいいじゃん、て。地方ってコンビニがなくたって、自然とか人との関係とか魅力がたくさんあるからね。

入山 モビリティサービスって地方から入ってくることが多いと日本では言われてますよね。私の認識だと、地方のタクシー会社の課題って運転手さんの高齢化なんですよね。それに代わるモビリティサービスが出てくると地方が活性化するかもしれないってことですよね。

石山 佐渡の地方創政に関わることがあったんですけど、超高齢化が進んでいて、もう高齢化がピークアウトしていて高齢者の人が減ってきているんです。車を運転しても前後の人が認知症なのか判断しながら運転しないと怖いそうなんです。実は佐渡って道が単純なので、自動走行入れればいいのにってなっても、実際はなかなか決定に至るまで時間がかかるということもあるんです。

高橋 新しいものを取り入れることでプラスになりますってことを伝えないとダメですよね。

入山 そうなんですね。ほかに課題ってありますか。あるいは展望でもいいのですが。

高橋 市長さんとかってすぐ自動運転のバスを入れたいとか言うんですよ。そうすると、人が乗ってくれるって思うのかもしれないけど、結局は手段でしかないんです。乗ってる人にとってみれば普通のバスですからね。乗ってどうするんだってことを考えないといけない。今あるものと組み合わせて、新しい何かをやるってほうがコストもかからずにできる最善の方法だと思うんです。デジタルすぎないように、たとえばスマホが使えないおじいちゃんでもケーブルテレビはうまく使えるからそこにタクシーを呼ぶボタンをつけるとかね。

入山 そっか。たしかに、既存のものにタクシーのボタンをつけるみたいなことでいいんだね。

高橋 コストをかけ過ぎず、今あるものとうまく組み合わせることでいいんですよ。

入山 今回話を聞いて思ったのが、技術から先に入りすぎてしまっているけど、どうすれば人生楽しくなるかを考えることが大事なんですね。


みらいブンカvillage 浜松町Innovation Culture Cafe

放送日:火曜 19:00~21:00

出演者:入山章栄、砂山圭大郎アナウンサー、田ケ原恵美

メール:innovation@joqr.net

過去回:Podcast


毎週火曜日、午後7時から生放送でお送りしている『みらいブンカvillage浜松町Innovation Culture Cafe』。パーソナリティは早稲田大学ビジネススクール教授の入山章栄さん、砂山圭大郎アナウンサー。アシスタントはVoicy広報の田ケ原恵美さんが担当します。

「みらいブンカvillage浜松町Innovation Culture Cafe」はさまざまなジャンルのクリエーターや専門家・起業家たちが社会問題や未来予想図などをテーマに話す番組です。自身の経験や考え、意見をぶつけて、問題解決や未来へのヒントを探ります。

毎週火曜、午後7時から絶賛生放送中!!

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