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2020.02.13

宇宙ビジネスはなぜここまで注目されているのか?『浜松町Innovation Culture Cafe』


イーロン・マスクやAmazonの創業者であるジェフ・ベゾス、日本の民間単独で初めてロケットの打ち上げを成功させたホリエモンなど、世界でも名だたる起業家が今宇宙ビジネスに注目しております。


なぜ世界のトップ起業家たちが宇宙ビジネスに注目しているのか?


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宇宙ビジネスの市場規模は?

宇宙ビジネスの世界の市場規模は年々大きくなっていっていると言われています。


2010年......約27兆円

2017年......約38兆円

2030年......約70兆円(見込)


出典

State of the Satellite Industry Report(2018年6月)


宇宙ビジネスの市場規模の内訳を見る前に、宇宙ビジネスで大きな割合を占めているビジネスはなんだと思いますか?


宇宙へのロケットの打ち上げなど、それらに関連するビジネスが大きな割合を占めると思う方が多いかもしれませんが、実はロケットや人工衛星の製造に関わる市場は全体の6%弱(約2兆円)。


実際に宇宙ビジネスで一番大きな割合を占めているのは衛星サービスです。


宇宙ビジネス市場規模内訳

衛星サービス    :約35%

ロケットや衛星の製造:約6%

地上設備      :約34%

その他非衛星産業  :約23%


出典

State of the Satellite Industry Report(2018年6月)


既存の人工衛星を、自社事業に利用している企業も宇宙ビジネスに該当します。


文化放送で放送中のラジオ番組『浜松町Innovation Culture Cafe』2020年1月7日の放送では「宇宙ビジネスをさらに成長するには」というテーマで、日本最大規模の宇宙ビジネスカンファレンスを主催する団体「一般社団法人SPACETIDE」代表理事兼CEOを務める石田真康さん、ならびにプロトスター株式会社CCOの栗島祐介さんをお招きして、熱いトークが交わしました。



宇宙ビジネスがさらに成長するには?

入山 今の宇宙ビジネスってどうなっていて、これからどうなっていくのかを教えていただきたいです。

石田 去年、自社でカンファレンスをやった時のテーマが「構想が形になる」でした。宇宙旅行とか月面探査とか構想が色々ありましたけど、今までは夢だと言われていましたが、ちょっとずつ形になり始めてきました。アメリカでは人が乗った状態で高度80kmに到達していたりとかもあるんです。ただの夢から現実になりつつある時が今ですね。

入山 栗島さんは宇宙ビジネス支援にも携わっていると思いますが、これからどの辺が現実になるかもってありますか?

栗島 たとえば、衛星のデータを使って海洋における水産の養殖に活かす話とかですね。衛星系のデータを活用したものが今、求められています。

入山 地球上でビジネスに活かすということですか。

栗島 そうですね。たとえば、石油ってタンクに入っていて、その残量によって影のでき方が変わるんですよ。その影の長さを衛星の画像から計ると、高さが推計できるんです。

入山 どのくらい備蓄タンクに石油があるのか、世界中の情報を取ることができるってことですね。

石田 リアルタイムになればなるほど、地球上のことってすべて監視されちゃうんですよ。


入山 上空100kmより上が宇宙と言われてますよね。それをさらに超えた宇宙でのビジネスも出てくるんですか?

石田 宇宙ステーションは400kmにあります。でも、東京からみたら大阪の方が遠いんですよ。大阪は500kmですからね。なので、大阪までの定規を縦にすれば宇宙ステーションに届くということです。でも、まず宇宙旅行というのであれば100km行って帰ってくるというところからですね。

入山 何年後ぐらいになりそうなんですか?

石田 毎年毎年、翌年って言われてますけど、2020年、2021年くらいに商用サービスが始まるのでは?と業界で言われています。ちなみに、宇宙ステーションも民間の人7人ぐらいだと思いますが、すでに行っているんですよ。

入山 へぇ!そうなんですか!!


入山 今、栗島さんが「月に行きたいっすよね」って言ってましたけど、やっぱり行きたいですか?

栗島 行きたいですね。どうすればいいですかね??

石田 チケット代をはらって行くのがいいんじゃないですかね。

入山 地球から月ってどれくらい距離ありましたっけ?

石田 38万kmですね。でも、宇宙に行ったことがある人類って500何人って言われてるんですね。だけど、月に行ったアポロ計画の宇宙飛行士さんたちって超絶にすごいですよ。去年ってアポロで月面着陸して50周年だったんです。50年前のCPUって今のスマホより処理能力は全然低いわけですよ。それで38万kmも離れたところに人が行って帰ってくるってすごいことですよ。

入山 なるほどね。逆に言うと、イーロン・マスクもZOZOの前澤社長も月に行くと言っていますけど、石田さんからするとかなり途方もないことなんですか?

石田 そうですね。物を運ぶのと命ある人を運ぶのだと技術的に安全性や難しさに雲泥の違いがありますからね。イーロン・マスクさんって有名で宇宙ベンチャーの世界一と言われてますけど、まだ物しか運んだことがないんですよ。今、人を運ぶための技術開発をNASAとかと一緒にやってるんですけど、人を安全に運ぶ技術って本当に難しいことなんです。



入山 なるほどね。日本の宇宙ビジネスについて聞いてみたいです。日本のベンチャーと関わっていて、日本が強いところと課題だと思うところを教えてください。

栗島 課題としてはそもそもの挑戦者がまだまだ少ないということですね。あと、そこに対する支援者が全然現れないですね。支援する金額のケタが半端ないのでね。

石田 投資って意味では日本は非常に環境はいいんですよ。日本の宇宙ベンチャーって自社で調べて約40社いるんですけど、過去5年間で500億円の資金を調達しています。その中で1社で100億超、調達した会社が3社あります。これって世界的にみても、生まれて数年の会社で100億資金できる宇宙ベンチャー企業って、そんなにないんです。なので、数で言ったらアメリカで1000社あると言われてますけど、1社1社の資金調達力とか、メンバーは日本の方が強いですよ。

入山 日本の方がより優れた会社があるかもしれないってことですね。

石田 人口で流れ星を作ろうと考えるベンチャーは世界でみてもALEくらいしかないですよ。そして世界で数社しか取り組んでいないのですが、アストロスケールでは宇宙のゴミ(デブリ)を除去しようと考えています。ispaceでは月に輸送サービスをしようとしてますけど、この取り組みも世界で10社くらいしかないです。日本はユニークな会社が多いですね。

入山 日本は独特な視点でおもしろいベンチャーがでてくるってことですね。

栗島 ロボットベンチャーのGITAIでは、月に都市を作るとか、何かを作ろうとしたときに地球を超えて行った先に遠隔でロボットを操作するとか。人間が行くより安全だし、いいと思うんですよ。

石田 人を輸送するって難しいし、コストがかかるんですよ。なので、ロボットがやってくれたらいいよねってことなんですね。

入山 今日の話を聞いてものすごいワクワクしてきましたね。

砂山 成長の話がテーマでしたが、現状把握だけで終わってしまいました。

入山 本当に未来が見えてよかったですね。



みらいブンカvillage 浜松町Innovation Culture Cafe

放送日:火曜 19:00~21:00

出演者:入山章栄、砂山圭大郎アナウンサー、田ケ原恵美

メール:innovation@joqr.net

過去回:Podcast


毎週火曜日、午後7時から生放送でお送りしている『みらいブンカvillage浜松町Innovation Culture Cafe』。パーソナリティは早稲田大学ビジネススクール教授の入山章栄さん、砂山圭大郎アナウンサー。アシスタントはVoicy広報の田ケ原恵美さんが担当します。

「みらいブンカvillage浜松町Innovation Culture Cafe」はさまざまなジャンルのクリエーターや専門家・起業家たちが社会問題や未来予想図などをテーマに話す番組です。自身の経験や考え、意見をぶつけて、問題解決や未来へのヒントを探ります。

毎週火曜、午後7時から絶賛生放送中!!

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