ブランドの立ち上げ方と強いブランドにするための育て方『浜松町Innovation Culture Cafe』
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ブランドは簡単に立ち上げられる?
近頃、自身のブランドを立ち上げる方々が多くおられます。
どうやって自分のブランドを立ち上げるのか調べてみると、今では色々なサービスがあることに気付くでしょう。
数年前まで、ECはとても高価なサービスでなかなか個人の方では始めることができませんでした。しかし現在は、自分のネットショップを無料で開設できる「BASE」や、「STORES」等といったサービスがあります。
こういったECを活用することで、リアル店舗を持たずとも自社ブランド商品を販売することが可能となりました。
またインスタグラムやYoutubeといったSNSの普及、メルカリやラクマなどのフリマアプリなどを使用する方法も考えられ、様々な販売方法、プロモーション方法がありますので、マーケティング(認知)活動のハードルもかなり低くなったように思われます。
そのため販売したいものが決まっている方は、以前に比べ自身のブランドを立ち上げることが簡単になりました。
実際に、インフルエンサーと呼ばれる方々の多くも自身のブランドを立ち上げ、ECサイトなどを通じて販売を行っています。
プロモーションとブランディングの違い
ECの立ち上げ、SNSアカウントの開設などを通してブランドを立ち上げることは出来ますが、開設しただけでは認知度が高くなるわけではありません。
自社ブランドをみんなに知ってもらう必要があり、そして商品を手に取ってもらう必要があります。
プロモーションとは、広告などを通じて「商品がある」と言うことを認知してもらい、認知した方へ向けて購買意欲を喚起するための活動を指します。
それに対してブランディングとは、ブランドに対する共感や信頼などを通じて顧客にとっての価値を高めていくことを指します。
値段だけの価値ではなく、何故このブランドを選択するのか、明確にユーザーに伝え、それがユーザー間に広まることで、力強いブランドが出来ていきます。
強いブランドを育てるには、どのように考え行動していくべきなのか。2020年2月4日に放送されたラジオ番組『浜松町Innovation Culture Cafe』では、オンデーズ代表取締役社長の田中修治さんとクックパッド ブランディング・編集部担当本部長の小竹貴子さんをお迎えし、「強いブランドを育てるには」をテーマに熱いトークを交わしました。
田中さんは10代の頃より起業家としてさまざまなビジネスの経営に携わり、2008年30歳で倒産寸前だったメガネ製造販売チェーンオンデーズを買収し、筆頭株主になり、代表取締役社長に就任します。事業の立て直しに尽力し、現在は国内に加えてシンガポール、台湾、香港など海外を含めておよそ330店舗でアイウェアブランド「オンデーズ」を展開しています。
入山 ブランドってどういう風にお考えですか?
小竹 クックパッドに15年務めていますが、ブランドで一番誰を大事にしているかっていうところですね。クックパッドは料理のレシピを投稿して下さる方が大事なんですよ。ブックオフも買ってくれる人より売ってくれる人を一番に置いてるのを知った時に「レシピを載せるならクックパッド」ってなるように突きつめてきました。投稿してくれる人、一人ひとりを大切しようと取り組んできました。
田中 これからの時代は一方的に与えられたものを買うだけでなくて、自分も与える側に回るっていう参加型の消費がブランド力を強くしていくのではないかと思いました。たとえば、従業員もウチのメガネを買ってくれてる人に働いてもらいたいんです。お客さんであって、未来の僕らの仲間であって、また結婚とかで仕事を離れてもお客さんになってもらえたらなって考えていますね。お店の中でお客とスタッフという線引きをするのは今の時代に合ってないのではないかなって思います。
入山 今、ZoffやJINSに並ぶ会社になっていますが、こういうことをやってるとかやってみたいとか具体的なものはありますか。
田中 ファンミーティングをやってます。去年3回やりましたね。社長が出てきたりとかね。もちろん、僕が書いた本の中の人も出てきますよ。ここでしか聞けない話やそこでしか買えない限定のTシャツがあったりとかですね。メガネ屋なのに、そんなことやってます。
小竹 クックパッドでもユーザーを集めたイベントをやるんですけど、近いなって感じがしました。
田中 今力入れているのが、社員のSNSはノーチェックでやってます。信頼してますからね。インフルエンサー採用とかで、たとえばTwitterのフォロワーが1万とか2万とかいる人は間の面接飛ばしていきなり社長面接っていうのはありますけどね。
入山 ブランドって、ルイ・ヴィトンとか老舗のイメージがありますよね。学者もブランドって時間を経ないと歴史の積み重ねだから新興の会社には難しいということを考えることが多いんです。クックパッドもオンデーズもスタートアップみたいな企業だからこそ、新しいブランドの作り方をしていることを知りました。ファンイベントなどの他にやっていることってありますか。
田中 僕らは管理職を選挙で決めています。辞令がないので、エリアマネージャー、店長など全て選挙で決めています。上司にゴマをする文化がないので、休みの日にゴルフに行くとかもないんです。自分がいいと思った人が本当に良いとは限らないので、みんなで決めようってなりました。エリアマネージャーの任期は1年なので毎年選挙をするんです。予選を勝ち抜いた人が最終投票の場に集まり、お客さんもお金を払って観に来るんです。下剋上もあるし、お客さんも応援団を組んだりと面白いですよ。今やるべきことはコミュニティとして、オンデーズをブランド化していくかってことですね。
みらいブンカvillage 浜松町Innovation Culture Cafe
放送日:火曜 19:00~21:00
出演者:入山章栄、砂山圭大郎アナウンサー、田ケ原恵美
過去回:Podcast
毎週火曜日、午後7時から生放送でお送りしている『みらいブンカvillage浜松町Innovation Culture Cafe』。パーソナリティは早稲田大学ビジネススクール教授の入山章栄さん、砂山圭大郎アナウンサー。アシスタントはVoicy広報の田ケ原恵美さんが担当します。
「みらいブンカvillage浜松町Innovation Culture Cafe」はさまざまなジャンルのクリエーターや専門家・起業家たちが社会問題や未来予想図などをテーマに話す番組です。自身の経験や考え、意見をぶつけて、問題解決や未来へのヒントを探ります。
毎週火曜、午後7時から絶賛生放送中!!