左上から...光が丘 石碑、旧飛行場滑走路(現・光が丘公園)、川口送信所、陸軍中野学校跡、陸軍中野学校 石碑、相模女子大 茜館前(2枚)
文化放送は、8月28日(水)午後7時00分より、報道特別番組『戦争はあった』を放送します。
この特番では、東京都内を中心に首都圏各地に存在する戦争の跡地を、アメリカ生まれの詩人アーサー・ビナード氏が訪ね歩き、それぞれの実態を探っていきます。短編作品『戦争はなかった』(小松左京著/1974年発表)に出会ったアーサー氏が、「戦争は本当にあったのか?」「東京のどこに戦争は隠れているのか?」という自身の疑問を解き明かすために、今はビル影に隠れてしまった戦争の痕跡を辿ります。放送では、以下の5つの場所を訪れ、取材した模様をお届けします。
1.東京・巣鴨プリズン「絞首台はあった」
冤罪も含む数多くの戦犯達が絞首台の露と消えたこの場所は、今では多くの人が行き交うレジャースポット・池袋サンシャインのお膝下。雑踏の中に、74年前の東京裁判の残滓を探す。
2.東京・成増飛行場「掩体壕(えんたいごう)はあった」
特攻隊員が出撃へ向けて里心を捨てる場所と呼ばれた成増陸軍飛行場は、戦後米軍に接収され「グラントハイツ」という華やかな場所に姿を変えた。さらには返還に伴い「光が丘」と再び名を変え、東京を代表する住宅地として存在する。家と家、路地と路地の隙間に悲しみの遺構は残っているのか?
3.神奈川・相模原陸軍施設「将校の集会場所は今もあった」
戦前・戦中に軍都と呼ばれた相模原は、戦後、女子大の学舎として生まれ変わった。現在のキャンパスには、軍都の中枢とも言うべきものが実に意外な形で守られていた。
4.埼玉・文化放送川口送信所「隠ぺい放送局はあった」
かつてはNHKの送信所として、太平洋戦争における大本営発表の一翼を担っていた川口送信所。戦中は米軍からの通信を妨害することも役割だったと言われている。それはどういうことだったのか?
5.東京・陸軍中野学校「スパイの巣窟はあった」
現代はもちろんのこと、戦時中でも隠れるように存在した都市伝説とも言うべき精鋭のスパイ養成所・陸軍中野学校。現在はサブカルの街として賑わうこの街で、一体どこに戦争はあったのか?
◆アーサー・ビナード
詩人、俳人、随筆家、翻訳家。1967年生まれ。1990年に来日し、日本語での詩作を始める。2012年に出版した写真絵本『さがしています』(童心社)で、第33回広島文化賞、講談社出版文化賞、産経児童出版文化賞を受賞。詩集『釣り上げては』(思潮社)で中原中也賞、エッセイ『日本語ぽこりぽこり』(小学館)で講談社エッセイ賞、絵本『ここが家だ ベンシャーンの第五福竜丸』(集英社)で日本絵本賞、詩集『左右の安全』(集英社)で山本健吉文学賞、2017年坪内逍遥賞奨励賞受賞など。
特番概要
■正式タイトル
『文化放送報道スペシャル 戦争はあった』
■放送日時
2019年8月28日(水) 午後7時00分~8時00分
■出演
アーサー・ビナード(詩人)
栗原俊雄(毎日新聞記者)
山本武利(一橋大学名誉教授)
ほか