残念ながら、今回の放送をもって、一旦、この番組はお休みすることになりました。お聴き頂いていた皆様に、お詫びと御礼を申し上げます。
なかにしさん不在でも番組を続けていくことで、少しでも治療中のなかにしさんの励みになればとも思ったのですが...残念です。
なかにし礼さんが元気になって、また『明日への風』を吹かせてくれること願って止みません。
ということで、最終回の今回は、2003年を訪れました。
今月、北陸新幹線が開通したばかりですが、なかにし礼さんも新幹線に因んだ歌を創っておられます。
それが、TOKIOの『AMBITIOUS JAPAN』!
なかにしさんがいたら、この曲ができるまでの秘話もたっぷり話してくれたことでしょう。
この年は、中国を中心に、SARSが大流行し、感染症が猛威を振るった年でした。
そして嬉しいニュースといえば、宮崎駿監督の「千と千尋の神隠し」が、アカデミー賞 長編アニメ映画賞を受賞。
日本のアニメの優秀さを感じました。
もうひとつ、北野武監督「座頭市」もヴェネツィア国際映画祭で銀獅子賞を受賞したのがこの年。演出の妙も発揮された作品でした。
取り上げた楽曲は...
①自由/女子十二楽坊
②最初から今まで/Ryu
③世界に一つだけの花/SMAP
④ AMBITIOUS JAPAN/TOKIO(作詩 なかにし礼)
⑤地上の星/中島みゆき
突然のなかにし礼さんからのボイスメッセージに、リスナーの皆様も驚かれたことと思います。
当日の夜のネットニュースや翌日の新聞各紙やワイド番組でも取り上げられていて、改めてなかにしさんの影響力を感じました。
私たちに今できることは、なかにしさんが少しでも早く、完治されることを願うことだけ。お元気ななかにしさんの声を皆さんに早く聞いていただければ良いですね。
さて、なかにし礼さん不在の中、今週はリスナーリクエストから、1973年を旅してみました。
ベトナム和平協定がパリで調印され、ニクソン大統領がベトナム戦争の終結を宣言したこの年。OPECに加盟する六か国が原油引き上げを決定したことで、日本にもオイルショックが起こりました。
経済成長を続けてきた日本にブレーキがかかり、庶民の暮らしにしわ寄せがきました。
一方、渋谷の街にパルコがオープンしたり、ニューミュージックという呼び名の若者音楽がヒットしたりと、新たな潮流が見られるようになったのがこの年からでした。
また、なかにしさんが著書でも話されているように、「歌謡曲」も勢いが衰えてはおらず、依然と「黄金時代」は続いています。
山口百恵さんがこの年、デビューしたことでもそれはわかりますね。
取り上げた楽曲は...
①トップ・オブ・ザ・ワールド/カーペンターズ
②ひこうき雲/荒井由実
③心の旅/チューリップ
④五月のバラ/塚田三喜夫(作詩 なかにし礼)
⑤危険なふたり/沢田研二
⑥情熱の嵐/西城秀樹
翌日の新聞各紙
番組の最後に、なかにし礼さんのボイスメッセージが流れて、驚かれたことでしょう。
以下、ボイスメッセージの内容です。
なかにし礼
「ボイスメッセージなどと言うと、驚きになるお方もいらっしゃるでしょうが、実は以前から恐れていたがんが再発しまして 詳しいことはともかくとして今回手術をいたしました。その手術の結果、またどうなるかは分かりませんがしばらく闘病生活を余儀なくされております。故に、番組にご迷惑をおかけすることになりアンファーの関係者の方々、そして何よりも視聴者のみなさんにご心配とご迷惑をおかけすることを心より申し訳なく思っております。ただし、手術はしましたけれど生きて帰ってまいりましたので少々休養させていただきながら番組に一日も早く復帰していきたいとそう思っております。これが私の今回の突然のご報告になりますが、がんが再発して闘病生活が始まるということを人様にお知らせする初めてのメッセージですので、何卒ご理解とそして驚きの方もいらっしゃるでしょうが、どうぞ私の健闘を見守ってください。みなさまと、またちゃんとした形でお仕事がご一緒できることを楽しみにしております。どうも有難うございました。」
そんな訳で、暫くの間、なかにし礼さんは、病気治療に専念いたします。
時々は、現状や本人からのメッセージを発信していければ良いな...と思っております。
どうか引き続き、「なかにし礼 明日への風」をお聴き頂けますよう、お願いいたします。
鈴木純子アナ、タイムくんともに、スタッフも全力を尽くしていきたいと思っております。
今週は、1965年、昭和40年を旅してみました。
エレキブームが起こり、アストロノーツとベンチャーズが来日し、合同公演が行われ、翌年来日するビートルズと共に、日本の音楽シーンに与えた影響の大きかったこの頃。
のちの、グループサウンズやJ-POPへと発展していくことになります。
そしてこの年は、なかにし礼にとっても忘れられない年。
三度目の正直の、立教大学文学部フランス文学科を無事に卒業できた年でもあります。
なぜ、大学卒業にこだわったのか...それは、大学と言うところで過ごす4年間は、"学んで成長して"過ごすことができる貴重な時間だから。
だからこそ、三度目の入学の時にはアルバイトでせっせと貯金したお金で一年間の学費を払い、大学生活を謳歌したようです。
幾多のアルバイトを重ね、辿りついたシャンソンの訳詞。
そんなアルバイトの色々が、なかにしの人生を大きく変えていったわけですが、本人も、『その時代のアルバイトが人生の扉を開けてくれた』と語っていました。
そして、『幸運は一瞬の事。それをどうつかむかが大切』なんだと言っています。
皆さんも、幸運をしっかりつかめるように...願っています。
取り上げた楽曲は...
①夢見るシャンソン人形/フランス・ギャル
②モナリザ/ナット・キング・コール
③新聞少年/山田太郎
④さよならはダンスの後に/倍賞千恵子
エレベーターホール前にて。
ブラック・コーディネートがお似合いです。
今週は、「なかにし礼と12人の女優たち」のアルバムを特集してお送りしました。
新聞各紙やテレビ、ラジオなどのメディアでこのところ、なかにし礼の名前を目にすることが多いと思います。
この番組でも何度も取り上げていますが、やはりなかにし礼の生の声を発する"明日への風"でもきちんと特集を組もうと、今回の企画になりました。
作家と言うのは、言葉だけで、自分一人で完結する仕事だが、「音楽づくり」と言うのは一人ではできない。
だからこそ、楽しい!となかにし礼は話します。
楽曲の創られた時代とそれぞれの女優さんたちとの秘話を織り交ぜながら、お送りしました。
中でも、黒柳徹子さんに「世界の子供たち」を歌ってもらいたいと早くから決めていたなかにしは、当時ヴァチカンに入っていた黒柳さんを電話で追いかけ、承諾を取り付けた、ということ。
勿論、他の女優さんたちにも自らが電話し、内諾を取っています。
「平和への愛」、「戦争反対」と言い続けている自身のメッセージを尚、多くの人に知ってもらうためにも、そしてこのアルバムの重要な役割を果たすためにも、「平和」のために活動を続けている黒柳さんに歌っていただくことは要だったわけです。
そう、なかにし礼の言う通り、「平和ってこんなにいいじゃないか!」なんですよね。
皆さんも、是非、このアルバムを聴いて、平和を噛みしめてください。
取り上げた楽曲は、全てアルバム「なかにし礼と12人の女優たち」より
①愛のさざなみ/浅丘ルリ子
②時には娼婦のように/水谷八重子
③世界の子供たち/黒柳徹子
④恋の奴隷/高島礼子
⑤石狩挽歌/泉ピン子
風邪予防にマスクを付けた姿で...。
皆さんは大丈夫ですか?
なかにし礼
1938年 満州国牡丹江省に生まれる。作詞家、小説家。
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鈴木純子
文化放送アナウンサー