【7時台】
火曜日7時台のニュースマスターは、作家・ジャーナリストの佐々木俊尚さんです。
●7時は、「大震災8年、5万8000人なお」にフォーカス。震災関連死を含めた死者・行方不明者数が2万人を超えた東日本大震災から8年が過ぎました。国が多額の予算を投じる「復興・創生期間」が残り2年と迫る一方、津波や東京電力福島第1原発事故の影響で、岩手、宮城、福島3県の被災者ら、およそ5万2000人が今もなお避難生活を続けています。
避難生活にスポットを当てるとこれまでは、体育館で雑魚寝する風景が見られましたが、人に常に見られることは心身に影響があるため区切ってブースにすることの大切さが指摘されています。
意外に知られていないのは、情報がうまく回っていないこと。例えば土地柄的に宮城は開かれているため情報は入りやすいのですが、三陸は入り組んでいる点や若者が少ないためネットも使いこなせず情報が入ってきません。そのため、震災当時はそうした被災地の情報を集める情報ボランティアが活躍しました。
●7時30分は、「人工透析、相談当日に中止同意」にフォーカス。東京都の公立福生病院で人工透析治療をやめる選択肢を示された腎臓病患者の女性が死亡した問題を受けて、患者側の「自己決定」の判断をめぐる議論が巻き起こっています。福生病院の腎臓総合医療センターでは2013年4月以降の4年間に受診した149人のうち20人が透析を受けない選択肢を選んで死亡しています。
これに関して、報道自体が変な方向に向かっており、この病院が、まるで殺人者であるかのような報道もあることを佐々木さんは指摘。「透析をやめれば亡くなるのは当たり前」として、延命治療をどこまでするか、事前に本人と何度も確認して、それにどこまでの有効性があるかが重要であり、「透析をやめのはイカン」と単純に報道することを危惧しました。
【8時台】
8時台のニュースマスターは、経済学者の柳川範之さんです。
●8時台は、東日本大震災を受けて、BCP策定企業の話題にフォーカス。東日本大震災や西日本豪雨のような大規模な災害は企業のサプライチェーンなどに大きな影響をもたらします。それに備えるために、企業は巨大地震や津波に対応したBCP(事業継続計画)を策定し対策を進めようとしていますが、現時点でBCPを策定している企業は15%にとどまっています。
災害がきっかけで企業はBCPの策定や見直しを急いでいる状況です。多種多様な災害で、あらゆる状況を想定した対策が必要ですが、柳川さんは、いくつかBCP策定をうまくやっている会社を例にあげながら、「バックアップを考えておくだけで、いざという時に差が出てくる」と注意を呼びかけました。
●8時30分は、『G7、消費者保護へ指針 SNSなど対象』の話題にフォーカス。G7(主要7か国)はSNSなど、デジタルビジネスを対象にした消費者保護のルール作りを提言します。サービス契約前の情報開示を徹底させて、消費者が不利な条件でサービスを使うことを防ぎます。アリババ集団など中国勢も含むIT企業が世界で成長を続ける中、日本とアメリカ、そしてヨーロッパの先進国がルール作りを主導します。
「使う側は何が危険ですか?」とタケさん。これに対して柳川さんは、「企業側は利用者のデータを集めて活用します。自分たちが使った情報が伝わり、企業側にプライバシーが持っていかれる可能性がることを理解したうえで利用しましょう」と呼びかけました。また、利便性をうまく享受できるような形でどうやって規制していくかが課題で、例えばGoogleマップのような無料のサービスと対抗しないといけない日本の銀行はどうやって太刀打ちするのか、という問題も出てきているようです。
【トレンドマスターズTOKYO】
東日本大震災から8年経った今、新たな取り組みが始まっています。文化放送の柳下ディレクターが取材した現地の様子を紹介しました。
震災遺構として保存が決まった気仙沼向洋高校。12mの津波が4階部分まで襲った校舎は震災遺構として保存され、被害を伝える「伝承館」として公開されました。
残していくことへの想いを取材しました。取材した柳下ディレクターは、「現物として残し、伝える意義は強い。研修や修学旅行で活用するなどの工夫が必要」と話しました。
【マスターズインタビュー】
今週のお相手は、発酵学者・食文化論者で文筆家の小泉武夫さんです。最近「食の欧米化」が言われていますが、日本人には一番和食が一番だと小泉さんは話します。まずは「和食が成立するために必要なこと」から伺いました。
今日の楽曲
1曲目 One Vision / Queen
2曲目 明日へ / 広末涼子