【7時台】
木曜日の7時台のニュースマスターは教育改革実践家・元リクルート社フェローの藤原和博さん。
●7時は「特別養子対象15歳未満に」というお話。虐待や貧困などが原因で実の親と暮らせない子どものための特別養子縁組制度の対象年齢について、現在の「原則6歳未満」から「原則15歳未満」に引き上げる方向で見直しの議論が進んでいます。対象を未就学児から小・中学生にまで拡大することでより多くの子どもの救済につなげることを目指します。
特別養子制度とは1988年に導入された養親希望者による6ヶ月以上の試験養育期間を経て家裁が可否を判断。実父との法的な親子関係が消滅し、戸籍上「実子」扱いとなるという制度です。藤原さんは「良いことだが、遅い」とコメント。今回の「6歳→15歳」の引き上げで救えるのは300人くらいではないかとしていますが、潜在的な対象者はこの10倍はいるのではないかと話します。
貧困も虐待も増えていて、その影響が子どもの行動に現れる現場はもっぱら学校。先生たちも四苦八苦しているといいます。もっと画期的に縁組を促進するためにはとても強い「親権」そのものにメスを入れる必要があるのではないか。今回の見直し案では実親の「同意の撤回」ができる期間を短くする方向です。
また、今後はゲイセクシャルなどLGBTの同棲カップルで職業や収入がしっかりしている世帯は特別養子を迎えられるのか?議論になりそうということです。
●7時30分は「橋本治さんを偲ぶ」というお話。小説「桃尻娘」や古典の現代語訳「桃尻語訳 枕草子」をはじめ、独特の社会批評など多彩な活動で知られた作家の橋本治さんが今月29日、肺炎のため亡くなりました。70歳でした。
藤原さんは橋下さんと生前、共著の本『情報編集力をつける国語』を執筆されています。こちらは重松清さんと書いた本ですが、著者の一人として
加わっていただいたそうです。また、渋谷のパルコの演出などを手がけるエンジンルームというクリエイティブな集団のお話をしていただきました。
【8時台】
木曜日の8時台のニュースマスターはみずほ証券・チーフクレジットストラテジストの大橋英敏さん。
●8時は「米中の閣僚級協議どうなる、貿易摩擦」のニュースにフォーカス。アメリカと中国による閣僚級協議が昨日から始まりました。今回の議論の主なテーマは「貿易問題」で、中国側はエネルギーや農産品など12分野の輸入拡大を提示済み、次回は新たに知的財産権の保護など構造改革の工程表を示すと見られます。「合意は遠い」と互いに牽制しあってきましたが、両国経済には下振れの懸念もあり、貿易戦争の打開への期待が高まっています。
アメリカが中国に対して貿易摩擦を起こしたのは中長期的に、中国による「覇権」を阻止するため。米中とも足元の経済環境は悪化しています。このままズルズルと戦い続ける余裕がなくなりつつあるのです。今後の注目はアメリカ。大統領選の「前の年」のため、「何が何でも景気拡大」が基本です。このことから米中合意の日は近いのではないかと大橋さんは話します。合理的に考えると「両国は妥協したがっている」のではないかとのことでした。
●8時30分は「景気拡大74ヶ月 実感なき戦後最長」について。政府は今月29日に公表した1月の月例経済報告で、国内景気は「緩やかに回復している」との判断を維持し、2012年12月に始まった景気拡大が「戦後最長になったとみられる」との認識を示しました。
このニュースを聞いて「え?景気拡大?」と思った人もいるのではないでしょうか。なぜ実感がわかないのでしょうか。大橋さんはそれは「低成長だから」と話します。そもそも資本主義の仕組みは「所得格差の拡大」です。高成長の時期ならお金持ちは一層お金持ちになり、低所得者層も少し所得が増えるため、多くの人が景気拡大を実感できます。しかし経済が低成長の場合、お金持ちは一層お金持ちになりますが、低所得者層の所得は増えないため、多くの人が景気拡大を実感できないのです。
ではなぜ低成長なのでしょうか。これについて大橋さんは「潜在成長率の低下が大きい」と話します。潜在成長率はざっくりというと「人口」と「生産性」で決まりますが日本にはその両方に力がありません。これを補うために諸外国では移民を受け入れたりしているとのことです。
そして、この状況にもかかわらず、「最長の景気拡大」なのはなぜなのかというと低所得者層の不満を解消するために政府が策を講じていて、実際に景気が過度に悪くなる前に経済が下支えされるから。世界の景気は、財政政策や金融緩和抜きでは自律的に成長しにくくなっています。大橋さんはこのまま低成長がダラダラと続きそうだと話しておりました。
【トレンドマスターズTOKYO】
木曜日はユニークな視点で生まれた商品や今、注目されつつあるモノ・コト・サービスなどを紹介する「ヒットの芽」ご紹介したのは利用者がここ一年で約3倍に増えているというお花の定期便「Bloomee LIFE」をご紹介。お花が定期的に郵送されるというサービス、詳細をCrunch Styleの矢口大希さんに教えていただきました。
「Bloomee LIFE」は500円、800円、1200円の3つのコースと毎週か隔週かを選択すると専用ボックスに入ったお花が週末に届きます。不在でも、ポストに入る専用ボックスでのお届けなので受け取れます。このサービス、全国約60店舗のお花屋さんと提携し、アレンジはお花屋さんがやってくれます。
利用者は90%が女性で、ママさんが多いとのこと。こちらは個人だけでなく、法人向けのサービスもあるため、ギフトとしても利用ができます。放送では初回のお届けが無料になるクーポンコード「take」をプレゼント。(2/8まで有効)ぜひご活用ください。
【マスターズインタビュー】
今週は昨年創業90年を迎えた広島の家具メーカー、株式会社マルニ木工の代表取締役社長 山中武さんです。プロダクトデザイナーの深澤直人さんと開発したマルニ木工の「HIROSHIMA」チェア。今では世界的な評価を得ていますが、こうしたことをマルニ木工の職人たちはどのように感じているのでしょうか?
4日目は現場の職人・技術者たちの反応についてのお話から。
今日の楽曲ラインナップ
1曲目 Waiting On the World to Change / John Mayer
2曲目 Rhythm Nation / Janet Jackson
3曲目 日曜日よりの使者 / ザ・ハイローズ