【7時台】
7時台のニュースマスターは、三菱UFJ国際投信チーフエコノミスト・荒武秀至さんです。
●7時台は、『景気変調、安倍政権に逆風も』の話題にフォーカス。国内景気が後退局面に入った可能性が浮上し、与党からは4月の統一地方選や夏の参院選で逆風になるとの懸念が出ています。政府は景気が回復基調にあるとの現状認識を変えず、10月に消費税率を10%に引き上げる方針ですが、増税反対の野党は勢いづいています。今後、与党内にも増税慎重論が拡大し、政府の判断に影響するかが焦点です。
約6年の間、日本では景気拡大が行われ、最近はお祝いモードでした。今は、内閣府の発表も「下方への局面変化」と伝えています。しかし荒武さんは、「海外からの要因を受けて日本が弱くなっているだけで、なんとか堪えられるのでは」と話します。なぜなら国内の現状は、失業率が2.5%と少なく、GWの10連休では人々がお金を落とすことが予測され、オリンピックに向けてテレビの買い替え事業が始まるなど、様々な変動が起こっているからです。一方で、「金融業界については逆風だ」と指摘しました。
●7時30分は『今後の世界経済』の話題にフォーカス。アメリカのトランプ政権は、2020会計年度の予算教書を発表し、高い成長が続くとの見通しのうえで、予算編成権をもつ連邦議会に国防費を中心とした歳出の増額を求めています。その中で、今年の実質成長率は3.2%とし、来年以降も3%台の高い成長が続くとの見通しを示しました。このうえで、今年10月からの2020会計年度では不法移民対策の壁の建設費用86億ドルを求めるなど、国防費を中心に歳出増を要求しています。
イタリア、ドイツ、中国、トルコ、南アフリカなど、景気後退になっている国が多いようです。荒武さんは、「米日が意外と粘り腰で世界を牽引しているので、アメリカは踏ん張りどころだ」と話します。また、自動車業界については、今後、「アメリカから為替条項と輸出制限を突きつけられる可能性があり、様子を見る必要がありそう」と予測しました。
【8時台】
8時台のニュースマスターは、早稲田大学ビジネススクール准教授の入山章栄さんです。
●8時は、『日産など3社連合、新機関を設立』の話題にフォーカス。日産自動車、フランス自動車大手ルノー、三菱自動車の企業連合3社のトップは記者会見し、共同開発や部品調達などの協業を推進するための意思決定機関「アライアンスオペレーティングボード」を新たに設立すると発表しました。ルノー会長が議長を務め、3社それぞれのCEOをメンバーとした合計4人から構成。3社トップがそろって記者会見するのは初めてのことです。
横同士で提携することをアライアンスと言います。「新機関」とは、提携をうまく運営するための会議を作ろうという話です。入山さんは、「激変をむかえている中、もめてる場合じゃない。意思決定を迅速にするために作られた」と解説しました。また、「ルノーと日産、三菱と日産は縦の関係なのに『アライアンスの関係』と言い張るのは無理がある。この微妙な関係を取り持っていたのがカルロス・ゴーン氏。今回の騒動でその役割の人がいなくなり、あえてアライアンスを強調している状況だ」とは話しました。
●8時30分は、『ネットフリックス、日本でアニメ制作』の話題にフォーカス。動画配信大手のネットフリックスが、日本で独自アニメ作品の制作に本格的に乗り出します。国内の制作会社3社と業務提携し、数年間にわたり複数作品を世界に配信する体制を確立。2019年後半に動画配信サービスを始める予定のウォルト・ディズニーなど、有力コンテンツを持つライバルとの競争が激しくなります。世界的に定評のある日本のアニメをラインナップに加え、会員獲得につなげる戦略です。
アメリカではネットフリックスが盛んで、テレビは観ないそうです。ネットフリックスの影響力は絶大で、例えば、片づけブームの火付け役・近藤麻理恵こと、こんまりさんが、リアリティ番組『KonMari~人生がときめく片づけの魔法』でアメリカで大ブーム。アメリカでは掃除をすることを「コンマリする」とまで言うそうです。今回の話題は、そんなネットフリックスが日本のアニメを作り直してグローバル化しようというニュースです。スタジオではどのアニメがネットフリックスで放送したいかで盛り上がりました。
【トレンドマスターズTOKYO】
毎週水曜日のテーマは『Company』。今週11日で、東日本大震災から、8年となりました。「The News Masters TOKYO」ではきのうから金曜日までの4日間、岩手・宮城・福島の3県で始まっている取り組みについて紹介します。
柳下ディレクターが紹介したのは、ITを活用したイチゴ栽培で町を再興しているベンチャー。山元町は、宮城県沿岸の最南端に位置し、福島県との境に接しています。隣の亘理町とともにイチゴ栽培が盛んな場所です。宮城県山元町は海岸線から平坦な土地が広がっており、町の総面積の37%が津波の被害を受け、関連死含めて637名が亡くなりました。イチゴ農地の95%が津波で流されました。
町出身で、震災当時は東京でIT企業を経営していた岩佐大輝さんがイチゴを作ろうと2012年に法人、GRAを設立しました。ITを活用したイチゴのハウス栽培を実践。適切な状態に保つよう、ミストを発する装置などがあり、スマホで管理することができます。今ではミガキイチゴのブランド化に成功し、価格競争にならずにしっかり稼げるようになったそうです。
【マスターズインタビュー】
今週のお相手は、発酵学者・食文化論者で文筆家の小泉武夫さんです。美食家としても知られている小泉さん、3日目の今日は「これまで食べた中で忘れられない味」について伺いました。
今日の楽曲ラインナップ
1曲目 Who’s Crying Now / Journey
2曲目 ガッチャマンの歌 / 子門正人