日本と欧州連合(EU)の経済連携協定(EPA)が1日発効し、国内総生産(GDP)合計で世界の約28%、域内人口が6億人を超える世界最大級の自由貿易圏が誕生した。相互に撤廃する関税の品目は9割超に上る。欧州産食品の値下がりが見込まれ、消費者は恩恵を受けるが、国内の農家には大きな打撃となる。経済界は自動車などの輸出増に期待する。
日欧EPAは昨年末に発効した環太平洋連携協定(TPP)を上回る規模の経済圏となる。日欧EPAとTPPの参加国のGDP合計は日本の重複分を除いて世界の約35%を占め、人口は10億人を超える。
日欧EPA、6億人の経済圏に きょう発効、関税9割撤廃
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輸入に関してはEU産のワインには昨日時点で15%または1リットルあたり125円の関税が課せられていますが、即時ゼロになったり、1kgあたり30円の関税があったパスタは28年にゼロになります。一方、輸出に関してはEUが日本の乗用車にかけている10%の関税は26年2月にゼロになり、乗用車用タイヤやエンジン関連部品などの自動車部品は発効後、9割以上の関税が即時撤廃となります。また、牛肉、お茶、水産物といった農林水産品のほとんどのEU側の関税も即時撤廃。酒やタバコ、塩など様々な日本産品への関税も無くなります。
関税がなくなれば、日本企業や農家が輸出する車や農産品の販売価格が安くなり、5億人を超えるEU市場でシェアを一気に拡大する好機となります。また、デフレ政策なのではないかという意見も出ましたが、食品などでお金を使わなくなった分、他での消費に回る可能性もあるので、一概には言えません。
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