文化放送の平日朝ワイド番組『くにまるジャパン 極』。パーソナリティはフリーアナウンサーの野村邦丸さん、木曜日のパートナーは水谷加奈アナウンサーです。

6月25日（木）の「くにまるレポーターズ」では、落語家の鈴々舎馬るこさんが、いろいろな業界のニューノーマルについてのレポ―トをお届けしました。

●目次
寄席の心づけは電子マネーで!?
立ち飲み屋「煮込みや富士山」のニューノーマルはクレープ？

寄席の心づけは電子マネーで!?

寄席のニューノーマルについて、6月より興業を再開した新宿末廣亭の席亭に、馬るこさんがお話を伺ってきました。

放送日時点では劇場での感染症対策として、「受付に消毒液の設置」、「客席は50％以下」、「最前列は空席」、「中入り休憩を1時間毎に取り換気」、「売店の閉店」などの措置が取られているそうです。

さらに、お客さんに対しては、「出待ち入待ち、差し入れなどを控えてもらう」「ハイタッチ、握手、ハグ、ステージに上げる等の行為は控える」「飛沫が飛ぶのを防ぐために、コール＆レスポンスのようなお客さんの発声を促す発言は控える」といったアナウンスも行うよう指示を受けたそうです。

野村　寄席ではコール＆レスポンスないでしょうあんまり。
馬るこ　寄席ではないんですけど、でも発声をさせることを控えてもらうっていう観点からいうと、「待ってました！」の掛け声も禁止でございます。
水谷　あーそうなんだ。
馬るこ　言いたい気持ちはわかるんです。出囃子にのって落語家が出てくると、「待ってました！」って言いたいわけです。今までずっと自粛してきたわけですから「あー出てきた出てきた待ってました！」って言いたいですけど、これはちょっとしばらくの間お控えくださいますようお願いします。
野村　噺家さんだって、高座に上がって演目によっては盛り上がってくると結構唾がとんじゃうのもあるんじゃない？ そういうのはどうするの？
馬るこ　ですから、噺家のほうもなるべく唾を飛ばさないようなおとなしめの演目を心がけなくてはいけないという。
野村　へぇ～。

そして、馬るこさん含む演者さんの生活の糧でもある、心づけ、祝儀といった類も、接触を防ぐといった観点から今は受け取ることができないそうです。

馬るこ　でも「どうしても芸人に渡したい！」っていう方は、電子マネーでお願いします。
水谷　え～!?（笑）
馬るこ　もう粋な世界とはかけ離れた話しなんですけど、電子マネーでお願いします。私投げ銭アプリの「pring（プリン）」、あるいはネットショッピングカート「BASE（ベイス）」というのを開設していますので、そこで手拭いやCDの他に「投げ銭」というのを売ってますので、こちらをクレジットカードでお買い求めくださいお願いします。これが寄席の世界のニューノーマルでございます。

野村さんは、「なんだか風情はないけど、感染が絶対にないとは言えないからという理由からなんだね」と話しました。

立ち飲み屋「煮込みや富士山」のニューノーマルはクレープ？

西荻窪にある立ち飲み屋「煮込みや富士山」では、売り上げ回復のために、お昼の新メニューとしてクレープの販売を始めたそうです。なぜ煮込み料理とは全く違うクレープを販売し始めたのか、馬るこさんが直接お店にインタビューに伺いました。

馬るこ　このお店、突然クレープの販売を始めましたよね。
店員　はい。営業時間が短くなって売り上げが激減したので、なんとかテイクアウトでもできる形ということで、生き残るためにクレープの販売を始めました。
馬るこ　テイクアウトっていろいろあると思うんですけど、なぜあえてクレープだったんでしょうか。
店員　もともと居酒屋で煮込みやなんですけど、「煮込みや富士山」から「クレープ富士山」に変わったらおもしろいし、味もおいしいから（お客さんも）嬉しいかなと思って。
馬るこ　「煮込みクレープ」など、いろいろ挑戦的なメニューもやってますよね。
店員　だったんですけど、実は全然クレープが売れなくて、平日のクレープの売り上げほぼ0です。
馬るこ　そのクレープ用の丸い鉄板で、今度は鉄板焼きを始めたそうですね。
店員　そうなんです。クレープがダメなんで、「クレープ富士山」から今度はイカを焼くようになって、「イカ焼き富士山」にいまちょっと変わってしまいました（笑）。だから今のところ週末の土日は「クレープ富士山」で、夕方5、6時以降は「イカ焼き富士山」ということでやらせてもらってます。

新たにイカ焼きを始めたことでクレープ用の鉄板が焦げつくようになり、さらにクレープ用の鉄板を購入したそうです。そのため、クレープの注文が入ると、2つの内どっちがイカの鉄板か嗅ぎ分けるという作業が増えたそうです。「煮込み」「クレープ」「イカ焼き」と、工夫を凝らす「煮込みや富士山」のニューノーマルを聞いて野村さんは、「『煮込みや富士山』には悪いけど、クレープは諦めた方がいいんじゃないのかな（笑）。でもその意気込みは素晴らしいね」と、お店の取り組みに感心しました。