(かまた みのる)
医師・作家。1948 年東京生まれ。
東京医科歯科大学医学部卒業。
37年間、医師として地域医療に携わり、チェルノブイリ、イラク、
東日本の被災地支援に取り組む。2009 年ベスト・ファーザー
イエローリボン賞(学術・文化部門)受賞。2011年日本放送協会
放送文化賞受賞。
ベストセラー「がんばらない」をはじめ、「なさけないけどあきらめ
ない」「ウェットな資本主義」「アハメドくんのいのちのリレー」
「希望」(東京書籍) など著書多数。
現在、諏訪中央病院名誉院長。
(むらかみ のぶお)
1953年、京都生まれ。
元NHKエグゼクティブアナウンサー。
2001年から11年に渡り、『ラジオビタミン』や
『鎌田實いのちの対話』など、
NHKラジオの「声」として活躍。
現在は、全国を講演で回り「嬉しい言葉の種まき」を
しながら、文化放送『日曜はがんばらない』
月刊『清流』連載対談などで、新たな境地を開いている。
各地で『ことば磨き塾』主宰。
http://murakaminobuo.com
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2024年11月15日
11月10日 第644回放送
「読書」は知識を拡大し視野を広げる効果的な方法の一つです。一冊の本を開くことは
新しい世界への扉を開くことに等しいとも言えます。また「読書」は娯楽や情報収集の
手段だけでなく、読者の内なる世界を広げ、新たな可能性を開く鍵のようなものです。
本は読者の人生の方向性さえも変えてしまう力を持っています。鎌田さんの心に火をと
もした「青春の書」やリスナー投稿を紹介する『ボクたちおススメの本』の特集です。
◆英国の医師で作家のアーチボルド・ジョーゼフ・クローニン著『城砦』が鎌田さんの
「青春の書」です。高校生の時に本書を読んで医者になることを決意しますが、家計が
苦しく大学進学を認められず、最終的には「弱者を守る医者になる」で養父を説得でき
ました。本書の主人公・アンドルーは、大学医学部を卒業後、奨学金返済の為に都会を
離れて地方の鉱山の町に赴任し、文化や慣習の違いに戸惑いながら地域医療に奔走して
日々患者と向き合う青年医師の成長を描いた物語ですが鎌田さんと経歴と重なります。
90年前に書かれた本書は「絶版」となっていましたが、今年『神様のカルテ』などの
著者として知られる医師で作家の夏川草介さんが翻訳した「新版」が出来て好評です。
◆村上さんの推薦は加藤登紀子著『さ・か・さの学校』です。実に面白い生き方論です
挫折、屈折、曲折、数々の曲がり角を潜った加藤さんの年季が入っている81年の人生
だが、社会から押さえつけられて窮屈な思いをしたことがない「さかさ思考」の賜物。
◆塩田武士著『存在のすべてを』は鎌田さんの推薦。30年前の「幼児同時誘拐事件」
当時取材した新聞記者が「時効」となったあとに「未解決誘拐事件」の足跡を辿りつつ
真相が明らかにされていきます。家族とは?真実とは何か?考えさせられる作品です。