(かまた みのる)
医師・作家。1948 年東京生まれ。
東京医科歯科大学医学部卒業。
37年間、医師として地域医療に携わり、チェルノブイリ、イラク、
東日本の被災地支援に取り組む。2009 年ベスト・ファーザー
イエローリボン賞(学術・文化部門)受賞。2011年日本放送協会
放送文化賞受賞。
ベストセラー「がんばらない」をはじめ、「なさけないけどあきらめ
ない」「ウェットな資本主義」「アハメドくんのいのちのリレー」
「希望」(東京書籍) など著書多数。
現在、諏訪中央病院名誉院長。
(むらかみ のぶお)
1953年、京都生まれ。
元NHKエグゼクティブアナウンサー。
2001年から11年に渡り、『ラジオビタミン』や
『鎌田實いのちの対話』など、
NHKラジオの「声」として活躍。
現在は、全国を講演で回り「嬉しい言葉の種まき」を
しながら、文化放送『日曜はがんばらない』
月刊『清流』連載対談などで、新たな境地を開いている。
各地で『ことば磨き塾』主宰。
http://murakaminobuo.com
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2024年10月 4日
9月29日 第638回放送
人気絵本作家ヨシタケシンスケさんが「軽度のうつ」を公表しました。40代の終わり
から体力は落ちるし、集中力が続かず「しんどいなぁ」という症状が続いたそうです。
人生が上り坂から下り坂に変わるこの時期は、心と体の問題を抱えやすく、程度の差は
ありますが8割の人が『ミッドライフ・クライシス』中年の危機を経験するそうです。
その経験から鎌田さんは3年前に同名の本を上梓。今週のテーマ『おススメの本特集』
『ミッドライフ・クライシス』は「人生の成長痛」あるいは「第二の思春期」と考えれ
ばいいという鎌田さんの助言。ヨシタケさんは「起伏は心の成長」と捉えるそうです。
ヨシタケシンスケさんの3作品『あんなにあんなに』と『メメンとモリ』と『おしごと
そうだんセンター』を紹介。生きることの意味、働く事の意義を考えさせられる絵本。
鎌田さんの推薦は太田愛著『幻夏』です。主人公の刑事には「23年前の友人の失踪」
と、現在担当している「少女失踪事件」の2つの事件に隠された共通点が次々と明らか
になっていきます。冤罪によって引き起こされる悲しみの連鎖。少年時代の友情の記憶
があるからその分、切なさが募ります。巨悪を追い詰めていく司法の壁は重い。小説は
「法は正しく罪を裁いてくれるのか?」といった「司法制度への疑問」がテーマです。
藤岡陽子著『リラの花咲くけものみち』を推薦した村上さん。主人公は聡里(さとり)
10歳で母親を亡くし、継母に疎まれ不登校になった少女が獣医師になるまでの物語。
聡里を支える祖母のチドリは「不幸中の幸いを見つけるのが得意な人」で、脳出血で倒
れた時も、外で倒れたこと、手術が成功したこと、麻痺が左手だったので運がよかった
と言える人。そんな祖母だから、落ち込む聡里を陰になり日向になり励まし応援する。