文化放送

鎌田實×村上信夫 日曜は頑張らない

鎌田 實
鎌田 實
(かまた みのる)

医師・作家。1948 年東京生まれ。
東京医科歯科大学医学部卒業。
37年間、医師として地域医療に携わり、チェルノブイリ、イラク、 東日本の被災地支援に取り組む。2009 年ベスト・ファーザー イエローリボン賞(学術・文化部門)受賞。2011年日本放送協会 放送文化賞受賞。
ベストセラー「がんばらない」をはじめ、「なさけないけどあきらめ ない」「ウェットな資本主義」「アハメドくんのいのちのリレー」 「希望」(東京書籍) など著書多数。
現在、諏訪中央病院名誉院長。

村上 信夫
村上 信夫
(むらかみ のぶお)

1953年、京都生まれ。
元NHKエグゼクティブアナウンサー。
2001年から11年に渡り、『ラジオビタミン』や
『鎌田實いのちの対話』など、
NHKラジオの「声」として活躍。
現在は、全国を講演で回り「嬉しい言葉の種まき」を
しながら、文化放送『日曜はがんばらない』
月刊『清流』連載対談などで、新たな境地を開いている。
各地で『ことば磨き塾』主宰。
http://murakaminobuo.com

過去の記事

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2024年8月 2日

7月28日 第629回放送 

立川市の男性から「先日『アハメドくんのいのちのリレー』を読み、いのちのリレーで
思い出したのは、1990年にサハリンから大やけどを負った3歳のコースチャ君来日
の出来事です。いのちを救うという目的に立場を超えて協力しあい、素晴らしいことが
できたのに、今のウクライナやガザ地区はどうした事でしょうか」という投稿を紹介。
テーマは、世界中が望んでいるはずの「平和」と「大切ないのち」について考えます。

2005年、パレスチナ自治区の「ジェニン難民キャンプ」に住む12歳のアハメド君
はイスラエル兵の誤射で命を落としました。脳死状態の時に父親の決断で臓器移植され
ることになり、彼の心臓は12歳のイスラエル人少女サマハさんなど6人に臓器移植さ
れました。この新聞記事を読んだ鎌田さんは5年後に現地に就いて、当事者の人たちに
会い書き上げたのが『アハメドくんのいのちのリレー』です。どうして敵国の人に臓器
移植したのか?という問いにアハメド君の父親のイスマエルさんは「おぼれている人を
助けるのに国籍?民族?宗教?なんて聞かないでしょう。人間として正しいことをした
だけです」と返答されました。人を国籍や宗教で見ずに「人」として見て話が出来るよ
うになれば世の中はもっと前進するのではないかと実感。いがみ合う双方を隔てる壁を
乗り越え「命のバトンを描く」絵本は13年後の現在も多くの人に愛読されています。
東西冷戦が終結した翌年の1990年8月。大やけどを負ったコンスタンチン君(愛称
コースチャ君)は現地病院では治療が難しく「日本で治療してほしい」という緊急要請
に超法規的措置で19時間後に「札幌医科大学付属病院」に搬送され、3か月で治癒。
過去には出来た「いのちのリレー」を難しくしている障壁は何か?を改めて考えます。

放送分を聴く
放送日:2024年7月28日

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