(かまた みのる)
医師・作家。1948 年東京生まれ。
東京医科歯科大学医学部卒業。
37年間、医師として地域医療に携わり、チェルノブイリ、イラク、
東日本の被災地支援に取り組む。2009 年ベスト・ファーザー
イエローリボン賞(学術・文化部門)受賞。2011年日本放送協会
放送文化賞受賞。
ベストセラー「がんばらない」をはじめ、「なさけないけどあきらめ
ない」「ウェットな資本主義」「アハメドくんのいのちのリレー」
「希望」(東京書籍) など著書多数。
現在、諏訪中央病院名誉院長。
(むらかみ のぶお)
1953年、京都生まれ。
元NHKエグゼクティブアナウンサー。
2001年から11年に渡り、『ラジオビタミン』や
『鎌田實いのちの対話』など、
NHKラジオの「声」として活躍。
現在は、全国を講演で回り「嬉しい言葉の種まき」を
しながら、文化放送『日曜はがんばらない』
月刊『清流』連載対談などで、新たな境地を開いている。
各地で『ことば磨き塾』主宰。
http://murakaminobuo.com
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2022年7月20日
7月17日 第523回放送
梅雨の期間が過去最も短かった今夏。全国で初めて6月に2回も40度超えを記録した
群馬県伊勢崎市出身のリスナーさんから「高校時代の猛暑と寒風の思い出」が寄せられ
ました。猛暑の話から熱中症対策と水分補給の話へと展開したドクター鎌田と村上さん
コンビ。今週はリスナーさんから戴いた『お便り&リクエスト曲特集』をお届けします
男性リスナーから大学時代に「ユースホステル」を利用して、あちこち旅した思い出が
寄せられました。村上さんは投稿者同様にユースホステルを利用して一人旅をした思い
出を語ります。一方の鎌田さんは医学部の苦学生で休日は工場の夜警アルバイト、2軒
の家庭教師を掛け持ちしていた逸話を披露。認知症の母親を介護している女性リスナー
からのお便りは、食べたのに「食べてないよ!」と言い張り、寝てくれない母親に対し
イライラを募らせてあたってしまうと吐露。ご近所の元気なお年寄りを見て羨ましいと
思いつつ、大事な母親なので最期まで自宅で天寿を全うさせたいと願っているという。
北海道出身で松山千春ファンの男性リスナーからは、中学時代の片思いで終わった恋の
思い出と、妹の結婚式で歌った曲をリクエストして戴きました。新潟県出身の女性リス
ナーからは、東京の会社に就職し不慣れな仕事と寮生活の息抜きに先輩から誘われ出掛
けたディスコの思い出を綴っていただきました。休日も部屋で聴いたディスコの名曲。
お送りした曲は『遠い世界に/五つの赤い風船』『ソー・ファー・ソー・グッド/小田
和正』『人生の空から/松山千春』『ダンシング・クイーン/アバ』以上4曲でした。
◆募集中のテーマ◆【絵本と私】思い出の絵本、絵本のエピソード。続いて【嫉妬】。
身近な人への嫉妬。ソネミ/ネタミ体験談を添えてお寄せください。匿名でOKです。
2022年7月15日
7月10日 第522回放送
100年以上の歴史がある映画。数多の監督が映画を作り、多くの人に影響を与えつつ
新たな作品が誕生し映画文化の継承は続きます。今回は『おススメの映画特集』です。
『アウシュヴィッツのチャンピオン』は第2次世界大戦中ドイツ占領下のポーランド。
アウシュヴィッツ=ビルケナウ強制収容所に実在したボクシングチャンピオンの物語で
「絶滅収容所」の絶望的な状況の中で生き抜こうとする姿がとても感動的な作品です。
ナチスという絶対的権者による力の支配に抗いながら収容者に希望を与え続けました。
『大河への道』は立川志の輔さんの創作落語を映画化。市役所職員たちが「伊能忠敬の
大河ドラマ」実現を目指して四苦八苦するさまをコミカルに観せる「令和の現代劇」と
伊能忠敬の日本地図完成に隠された驚くべき感動秘話を描く「江戸の時代劇」を対比し
日本史の常識を覆す「歴史発見エンタテインメント」を主演の中井貴一さんらが好演。
『PLAN75』は75歳以上の高齢者が安楽死を選択できる制度が施行された日本の
近未来が舞台。独居の高齢者は、自ら死を選び、それを国が支援するというこの制度に
大きく翻弄される人々の姿を描いた衝撃作で、倍賞千恵子さんの抑制した演技が見物。
『峠 最後のサムライ』は司馬遼太郎原作の映画化。幕末の越後長岡藩に河井継之助と
いう気骨のあるサムライがいた。人はどう行動すれば美しいか。どう思考し行動すれば
公益のためになるかを常に考えた家老の継之助。彼は義を貫き、人の道を教えました。
★募集中のテーマ★【絵本と私】思い出の絵本、おススメの絵本。絵本とかかわりなど
エピソードを添えてお寄せください。その2【嫉妬】私が抱いている兄弟や友人、上司
部下に対する嫉妬。ソネミ/ネタミ体験談を添えてお寄せください。匿名でOKです。
2022年7月 7日
7月3日 第521回放送
古い経典「書経」に漢方薬の草根木皮や鍼灸よりも、食事や衣服が身体に大事であると
いう意味の言葉が残されています。衣服は食べ物同様に身体と心に作用するそうです。
染織文化の根底には、衣服を薬として捉える考え方がありました。今回『伝承と復元』
というテーマで西陣織メーカーの老舗『細尾』の細尾真生さんに話をうかがいました。
元禄元年(1688年)に京都西陣において織物業を創業した『細尾』は、11代目の
真生さんが伝統的な着物文化の継承に取り組みながら、革新的なテキスタイルを通じて
日本の優れた物づくりの価値を提供しています。300年以上続く老舗の跡取りに生ま
れながらも家業を意識することなく商社マンになった真生さんですが駐在先のイタリア
ミラノのアパレル会社で培った人脈が、その後西陣織の新しい可能性に繋がりました。
最盛期は2兆円あった西陣織の市場も2000億円に落ち込み、廃業・倒産する同業者
や職人も減少、若手人材も集まらない。西陣織の存続に危機感を抱き、2005年から
海外進出を試み、5年後には有名一流ブランドと提携し西陣織の新領域の開拓に成功。
一方、不易流行、温故知新、守破離の精神を忘れず、当主を譲り研究時間が出来たのと
「自然の循環の中で仕事をする」ことを見直そうと思い、古代染色の研究と装束の復元
を始めました。千年前の草木染を体験し、平安時代の大鎧を復元する職人とも会話して
先人の技法を確かめ、未来に生かしたいと思っています。身に纏うものが薬になる例と
して、紅花で染めた赤の腰巻には保温効果があり、殿様の頭に巻かれた紫の鉢巻きには
頭痛止めの効果が期待できたという。今後の西陣織について真生さんは「支えることで
成長・進化・発展がある。美しい物は廃れない。これからは美と健康が大切」と力説。