(かまた みのる)
医師・作家。1948 年東京生まれ。
東京医科歯科大学医学部卒業。
37年間、医師として地域医療に携わり、チェルノブイリ、イラク、
東日本の被災地支援に取り組む。2009 年ベスト・ファーザー
イエローリボン賞(学術・文化部門)受賞。2011年日本放送協会
放送文化賞受賞。
ベストセラー「がんばらない」をはじめ、「なさけないけどあきらめ
ない」「ウェットな資本主義」「アハメドくんのいのちのリレー」
「希望」(東京書籍) など著書多数。
現在、諏訪中央病院名誉院長。
(むらかみ のぶお)
1953年、京都生まれ。
元NHKエグゼクティブアナウンサー。
2001年から11年に渡り、『ラジオビタミン』や
『鎌田實いのちの対話』など、
NHKラジオの「声」として活躍。
現在は、全国を講演で回り「嬉しい言葉の種まき」を
しながら、文化放送『日曜はがんばらない』
月刊『清流』連載対談などで、新たな境地を開いている。
各地で『ことば磨き塾』主宰。
http://murakaminobuo.com
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2022年4月29日
4月17日 第510回放送
一般には生まれてから3年ほど「おむつ」のお世話になり、パンツに切り替えた途端に
その感触すら覚えていません。そして、老いて「大人のおむつ」のお世話になります。
ところが、期せずして病気やけがで「おむつ」のお世話になることがあり、この期せず
して使用することになった時の戸惑いなど『ドクター鎌田の患者体験』を紹介します。
先々週の放送で鎌田さんが「去年6月治療ために短期入院した」と告げるとたくさんの
リスナーさんから「ご自愛ください」のメールをいただきました。それらに感謝を込め
医者が患者になって気付いたことをユーモア交えて話します。不整脈が気がかりだった
ので「心房細動のカテーテルアブレーション」という手術を受けました。股の付け根に
ある太い血管からカテーテルを血管内に入れて心臓まで進め、治療標的分位に電極カテ
ーテルを固定し、高周波を通電して心臓の筋肉を焼灼する治療です。初めての体験から
戸惑ったのは術後の「絶対安静」です。膀胱に管を入れて尿を出すバルーンカテーテル
を着けていますがちょっと体が動くたびに尿意を催すのが気になって仕方ない。そして
もっとも戸惑ったのは便意を催した時。看護師さんに「おむつをしているのでそのまま
してください」と言われても羞恥心もありそう簡単には出来ないことに気付きました。
そんな入院体験の中で出会った緩和ケア専門看護師が考案した「魔法の手」と呼ばれる
鍋つかみのような手袋の存在に感激。床ずれ予防手袋で背中を擦られると気持ちいい。
また「尿管結石」は日帰り治療の「体外衝撃波結石破砕術」を受けましたが、尻側から
尿管の石を目掛け衝撃波を当てます。鎮痛剤の坐薬の扱いに初体験で苦戦したと白状。
痛さや恥ずかしい体験をしたドクター鎌田は、この経験を診察に活かすと誓いました。