(かまた みのる)
医師・作家。1948 年東京生まれ。
東京医科歯科大学医学部卒業。
37年間、医師として地域医療に携わり、チェルノブイリ、イラク、
東日本の被災地支援に取り組む。2009 年ベスト・ファーザー
イエローリボン賞(学術・文化部門)受賞。2011年日本放送協会
放送文化賞受賞。
ベストセラー「がんばらない」をはじめ、「なさけないけどあきらめ
ない」「ウェットな資本主義」「アハメドくんのいのちのリレー」
「希望」(東京書籍) など著書多数。
現在、諏訪中央病院名誉院長。
(むらかみ のぶお)
1953年、京都生まれ。
元NHKエグゼクティブアナウンサー。
2001年から11年に渡り、『ラジオビタミン』や
『鎌田實いのちの対話』など、
NHKラジオの「声」として活躍。
現在は、全国を講演で回り「嬉しい言葉の種まき」を
しながら、文化放送『日曜はがんばらない』
月刊『清流』連載対談などで、新たな境地を開いている。
各地で『ことば磨き塾』主宰。
http://murakaminobuo.com
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2021年12月15日
12月12日 第492回放送
「ある冬の日、2匹のヤマアラシは寒いので互いの体を寄せ合い温め合おうとしますが
互いのトゲが相手の体を刺してしまいます。痛いので離れると寒さに耐えられなくなり
ました。2匹は痛い寒いを繰り返して、ほどよい距離を発見し保ち続けました」これを
『ヤマアラシのジレンマ』といい、アルトゥール・ショーペンハウアーの寓話から精神
分析の領域で紹介したのがフロイトです。今回は『ちょうどいい孤独』がテーマです。
「孤独」という言葉からは、どんな印象を受けますか?孤独にはネガティブなイメージ
マイナスイメージがつきまといますが、その孤独を味方につけて「人生の満足度」を上
げませんかと鎌田さんは『ちょうどいい孤独』をキーワードに提唱します。家族や友人
がいても「孤独」だと感じる時間はあります。その時間をどうやってポジティブなもの
に転換するか?その方法次第で人生が幸福なものか、不幸なまま終わるか決まるなら、
「孤独」を積極的に楽しんで「人生の密度」を高めましょう!例えば「孤独の魅力」に
ついては①自主性が高まる②自己肯定感が強まる③社会的圧迫感が減る④人に染まらず
ユニークな考えが浮かぶ⑤集中力が高まる⑥本当の自分に気づける⑦孤独を知ることで
人を大切に思い愛せる。その一方で「孤独は健康に悪い?」の項では、孤独は認知症の
発症を増やし、社会的フレイルからくる孤独感は短命リスク要因という研究結果も紹介
し、冒頭の「ヤマアラシのジレンマ」につながりますが、ほどほどの距離を保つこと、
『ちょうどいい孤独』の勧めです。実際のヤマアラシは針の無い頭部など寄せ合ったり
トゲを自分の方へ向けて温め合うそうです。孤独に生きるのではなく、孤独を生きる!
鎌田さんの新刊『ちょうどいい孤独』は「かんき出版」から発売中。ご高覧を下さい。