(かまた みのる)
医師・作家。1948 年東京生まれ。
東京医科歯科大学医学部卒業。
37年間、医師として地域医療に携わり、チェルノブイリ、イラク、
東日本の被災地支援に取り組む。2009 年ベスト・ファーザー
イエローリボン賞(学術・文化部門)受賞。2011年日本放送協会
放送文化賞受賞。
ベストセラー「がんばらない」をはじめ、「なさけないけどあきらめ
ない」「ウェットな資本主義」「アハメドくんのいのちのリレー」
「希望」(東京書籍) など著書多数。
現在、諏訪中央病院名誉院長。
(むらかみ のぶお)
1953年、京都生まれ。
元NHKエグゼクティブアナウンサー。
2001年から11年に渡り、『ラジオビタミン』や
『鎌田實いのちの対話』など、
NHKラジオの「声」として活躍。
現在は、全国を講演で回り「嬉しい言葉の種まき」を
しながら、文化放送『日曜はがんばらない』
月刊『清流』連載対談などで、新たな境地を開いている。
各地で『ことば磨き塾』主宰。
http://murakaminobuo.com
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2021年9月29日
9月26日 第481回放送
望む望まないに拘わらず、周りの状況は変わります。今まさにコロナ禍にあって従来の
仕事が出来なかったり、勤務形態が変わるなどして戸惑ったり、悩む日々を送る方も少
なくありません。そうした時にどのように変身するか?脱皮するか?が今回のテーマ。
兵庫県丹波市春日町で創業から二百年を超す割烹料亭『辻判』の若女将・上田裕美さん
が電話で出演。老舗料亭は地元の人たちの贔屓の店だったが、コロナ禍で客足は途絶え
去年上田さんが着物姿で接客したのは2~3回だけという惨状で、閑古鳥が鳴く日々。
家族会議を開き、とんかつ屋ラーメン屋への業態変更や廃業も視野に入れて検討したが
先祖伝来の料亭を自分の代で閉める訳にはいかないと思った先に浮かんだのが「鰻」。
市内に鰻の専門店はなく、鰻はお持ち帰りも出来る。鰻なら懐石料理と違い、専門特化
して事業承継しやすい。もともと鰻は懐石の締めに出していたので秘伝のタレもある。
何よりも鰻は懐石料理と違って食材のロスも少なく、下ごしらえや多品目の調理をせず
に済む利点もあり、勇気を出して鰻専門店へと切り替えることを決断。今年6月下旬に
リニューアルオープンしたところ、次々と客足は途絶えることなく「変身」は大成功。
「ピンチは変わるチャンスでもある」という鎌田さん。卵が蛹になり蝶になる「変態」
のように、自分自身や環境の変化を契機にして「変身・脱皮」する機会と捉えて勇気を
もって一歩を踏み出すと、更に面白い人生を歩むことになる可能性もあると言います。
「脱皮できないヘビは滅びる」とはニーチェの言葉ですが、これに倣って56歳の時に
病院長を辞めて、医師の他に念願の作家とNPO代表を務めるようになった鎌田さん。
その他に、俳優から「農業法人」の代表になった菅原文太さんの例などを紹介します。