(かまた みのる)
医師・作家。1948 年東京生まれ。
東京医科歯科大学医学部卒業。
37年間、医師として地域医療に携わり、チェルノブイリ、イラク、
東日本の被災地支援に取り組む。2009 年ベスト・ファーザー
イエローリボン賞(学術・文化部門)受賞。2011年日本放送協会
放送文化賞受賞。
ベストセラー「がんばらない」をはじめ、「なさけないけどあきらめ
ない」「ウェットな資本主義」「アハメドくんのいのちのリレー」
「希望」(東京書籍) など著書多数。
現在、諏訪中央病院名誉院長。
(むらかみ のぶお)
1953年、京都生まれ。
元NHKエグゼクティブアナウンサー。
2001年から11年に渡り、『ラジオビタミン』や
『鎌田實いのちの対話』など、
NHKラジオの「声」として活躍。
現在は、全国を講演で回り「嬉しい言葉の種まき」を
しながら、文化放送『日曜はがんばらない』
月刊『清流』連載対談などで、新たな境地を開いている。
各地で『ことば磨き塾』主宰。
http://murakaminobuo.com
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2021年3月 8日
3月7日 第452回放送
「東日本大震災」からまもなく10年。被災地で「あの日」を経験した方々にその思い
をうかがい、被災地の今を伝えるシリーズの3回目。宮城県石巻市で創刊から百余年の
地域紙『石巻日日新聞』社長の近江弘一さんです。石巻市、東松島市、女川町から成る
「石巻地方」が未曾有の大災害から立ち上がり、復旧復興の途中という話を聞きます。
10年経た心境を「震災後の中にいる」と近江さん。石巻市内の76%が津波に襲われ
2万棟が全壊、死者3千人超が亡くなったことから大震災最大の被災地と言われます。
『石巻日日新聞』の社屋も津波で浸水し、3機の輪転機は水没しました。印刷出来ない
がまずは情報収集と自転車で市中に駆け巡った近江さんは、天井崩落で使えなくなった
避難所の前で右往左往する住民から聞き取り調査を開始。いま伝えないと、地域新聞と
しての存在意味がない「地域の回覧板たれ!」と手書きの壁新聞を震災翌日から発行。
すると「手書き」の親しみやすさが奏功し、読者が「新たな情報」を「手書きで更新」
という住民みんなが記者になるという珍現象が生まれました。震災前から「地域貢献」
を旗印に様々な事業展開していた近江さんですが、震災後の集団移転による人口減少に
ともない発行部数も減、地域新聞の厳しい環境は続きます。そこで、新聞以外に生活情
報誌『んだっちゃ』やシニア向け情報誌『大人days』を発行。またサッカーチーム
『コバルトーレ女川』のチーム運営に力を注いでいます。百余年の歴史ある『石巻日日
新聞』の資料と石巻の復興情報を発信する拠点『石巻ニューゼ』と、復元力を意味する
『レジリエンスバー』を開き、昼はカフェ夜は語らいのバーを住民に提供しています。
鎌田さんは、震災直後の医師派遣と『千人風呂プロジェクト』の取組を紹介しました。