(かまた みのる)
医師・作家。1948 年東京生まれ。
東京医科歯科大学医学部卒業。
37年間、医師として地域医療に携わり、チェルノブイリ、イラク、
東日本の被災地支援に取り組む。2009 年ベスト・ファーザー
イエローリボン賞(学術・文化部門)受賞。2011年日本放送協会
放送文化賞受賞。
ベストセラー「がんばらない」をはじめ、「なさけないけどあきらめ
ない」「ウェットな資本主義」「アハメドくんのいのちのリレー」
「希望」(東京書籍) など著書多数。
現在、諏訪中央病院名誉院長。
(むらかみ のぶお)
1953年、京都生まれ。
元NHKエグゼクティブアナウンサー。
2001年から11年に渡り、『ラジオビタミン』や
『鎌田實いのちの対話』など、
NHKラジオの「声」として活躍。
現在は、全国を講演で回り「嬉しい言葉の種まき」を
しながら、文化放送『日曜はがんばらない』
月刊『清流』連載対談などで、新たな境地を開いている。
各地で『ことば磨き塾』主宰。
http://murakaminobuo.com
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2020年10月26日
10月25日 第433回放送
小林一茶の「うつくしや障子の穴の天の川」は、障子の穴からなんと美しい天の川が見
えるんだろう...という意味ですが、この時季「障子の穴」から見たいものは何ですか?
鎌田さんは「月とススキと団子」と答え、一方の村上さんは木下順二の戯曲『夕鶴』の
ヒロイン「おつう」を挙げます。今回は『秋に聴きたい音楽と詩句』をお届けします。
「左ききのあなたの手紙、右手でなぞってみる真似てみる」夏の日の出来事を機に別れ
た男女を綴ったアリスの『秋止符』です。続いて愛を育む歌は椎名恵『愛を聴かせて』
アバの『落ち葉のメロディー』そして最期はナット・キング・コールの『枯葉』です。
以上、秋のこの時季におススメの音楽を選曲。ディスクジョッキーのように音楽と音楽
の合間は秋にちなんだ俳句や詩を案内。鎌田さんが好きな詩人・中原中也の作品から秋
をテーマにした「あんまり晴れてる秋の空、赤い蜻蛉が飛んでいる」の『蜻蛉に寄す』
と「秋の夜は、はるかの彼方に、小石ばかりの河原があって」の『一つのメルヘン』を
紹介します。山口県出身の中原中也に続いて、山口県ゆかりの童謡詩人・金子みすゞを
村上さんが紹介します。自然の風景をやさしく見つめて、優しさにつらぬかれた彼女の
作品の中から秋にちなみ『梨の芯』を選びました。「梨の芯はすてるもの、だから芯ま
で食べる子、けちんぼよ。梨の芯はすてるもの、だけどそこらへほうる子ずるい子よ」
そのずるい子が捨てた梨の芯を蟻さんが「ありがとよ。」と感謝するという作品です。
中原中也の出生地・湯田温泉街にある『中原中也記念館』と、みすゞが幼少期を過ごし
た書店金子文英堂跡地に建つ『金子みすゞ記念館』を訪れたことがある鎌田さんと村上
さんは、山口県人ならではの気質と作風、時代に翻弄されつつ生きた詩人を語ります。