(かまた みのる)
医師・作家。1948 年東京生まれ。
東京医科歯科大学医学部卒業。
37年間、医師として地域医療に携わり、チェルノブイリ、イラク、
東日本の被災地支援に取り組む。2009 年ベスト・ファーザー
イエローリボン賞(学術・文化部門)受賞。2011年日本放送協会
放送文化賞受賞。
ベストセラー「がんばらない」をはじめ、「なさけないけどあきらめ
ない」「ウェットな資本主義」「アハメドくんのいのちのリレー」
「希望」(東京書籍) など著書多数。
現在、諏訪中央病院名誉院長。
(むらかみ のぶお)
1953年、京都生まれ。
元NHKエグゼクティブアナウンサー。
2001年から11年に渡り、『ラジオビタミン』や
『鎌田實いのちの対話』など、
NHKラジオの「声」として活躍。
現在は、全国を講演で回り「嬉しい言葉の種まき」を
しながら、文化放送『日曜はがんばらない』
月刊『清流』連載対談などで、新たな境地を開いている。
各地で『ことば磨き塾』主宰。
http://murakaminobuo.com
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2020年9月 7日
9月6日 第426回放送
世界屈指の長寿国日本は男性が3位で女性は2位の「平均寿命」を誇ります。その一方
介護などを必要とせず、健康で自立した日常生活を送れる「健康寿命」との差を計ると
男性は約9年、女性は約12年の「不健康な期間」が存在することになります。今回は
病気不安症に陥りがちな高齢者こそ『健康で長生きするために老活を考えよう』です。
医師で作家の帚木逢生さんは61歳で急性骨髄性白血病を患い、半年間無菌室で闘病し
その時に実践したのが「身を忙しくする」こと。明治・大正期の精神科神経科医の森田
正馬が創出した森田療法の「外相整えば内相おのずから熟す」に由来します。禅の修行
僧は毎日同じ日課を繰り返すことで形が整い、自ずと心も整うという考え方です。心は
操作できないが行動を起こすことは出来ます。考えすぎて動かないよりも行動している
うちに心の方も整ってくるということです。不安で悩む暇があればそれまで続けてきた
仕事や日常の雑事をこなしていくことで、気分も落ち着いてきます。帚木さん自身の病
気や患者の診療を通して感じたことは「良い習慣を持っている人は強い」ということ。
脳を鍛える、食生活を気にかける、筋肉を鍛える、歯を丈夫にし、身を忙しくする人が
最後に自分の人生を決められるといいます。日々の日課をこなすことの大切さを説く話
で鎌田さんが語ったのは「アウシュヴィッツ強制収容所」を訪問した際の話。収容所で
生き残った人々の2つの共通点。1つは最後まで希望を捨てないこと。もう1つは毎日
髭を剃って身ぎれいにすること。そうした日々を丁寧に送った人々が生き残ったとか。
後半は、高齢者が筋力低下によるフレイル(虚弱)を起こさぬように筋活の勧めとして
鎌田流ワイドスクワットを紹介し、筋肉ホルモンのマイオカインの働きを解説します。